中国で国内に存在しないはずのAIチップ「H100」や「A100」の修理サービスが急増、アメリカの規制をすり抜けて流通している可能性 – GIGAZINE


中国への輸出が禁止されているNVIDIA製の高性能AI向け半導体「H100」等の修理サービスが、どういうわけか中国で誕生し始めています。ロイターの調べによると、約10社がすでに取り扱いを始めているとのことです。

Nvidia AI chips: repair demand booms in China for banned products  | Reuters
https://www.reuters.com/world/china/china-repair-demand-banned-nvidia-ai-chipsets-booms-2025-07-24/

NVIDIAの「H100」は高性能なAIモデル開発に必須とされる半導体ですが、軍事転用等を懸念するアメリカ政府の意向を受け、中国への輸出が全面的に禁じられています。同様に「A100」などの同クラス製品も輸出が禁じられており、中国は性能の低い半導体を輸入するか、独自で開発するしかないとの見方が有力です。

アメリカが中国へのAIチップ輸出制限を強化しNVIDIA製チップの輸出が困難に – GIGAZINE


ところが、中国において、理論上は存在すべきでないH100の修理サービスが確認されているといいます。ロイターによると、2025年7月時点で約10社の専門企業が修理サービスを提供しており、その需要は大きいとのことです。

ロイターの取材に応じた情報筋は、「NVIDIA製ゲーミングGPUの修理を15年間手がけており、2024年末からAI対応GPUの修理にも着手した。事業は好調で、専門の新会社を設立し、月間最大500個のAI向けGPUを修理している。256台のサーバーを収容できる環境があり、顧客のデータセンター環境を疑似的に構築して検証を行うこともできる」と話しました。


中国では、NVIDIA製GPUの購入、販売、修理は違法ではありませんが、情報源はアメリカや中国当局の監視を懸念して身元を明かすことを拒否したと伝えられています。

NVIDIAの担当者は「当社社員および当社の認定パートナーのみがサポートを提供できます。承認されていない業者がハードウェアおよびソフトウェアサポートを提供することは、技術的・経済的に不可能です」と述べました。

一部の高性能半導体が中国に密輸されているという懸念は以前からあり、共和党と民主党の議員は半導体の追跡を義務づける法案を提出し、阻止しようとしています。中国側は、急速に進化するAIの開発と安全確保について各国が協調するよう呼びかけ、AIに関する国際協力を促進するための組織の設立を提案し、AIが一部の国や企業だけの「独占ゲーム」になる可能性があると警告して、AIチップの供給不足や人材交流の制限などが課題だと述べました。

China calls for global AI cooperation days after Trump administration unveils low-regulation strategy | Artificial intelligence (AI) | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2025/jul/26/china-calls-for-global-ai-cooperation-days-after-trump-administration-unveils-low-regulation-strategy

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