筋肉の動きを読み取ってキーボード不要の入力デバイスに変える腕輪型デバイスをMetaが開発 – GIGAZINE


Metaが「リストバンドをはめて手首や指を軽く動かすだけで、マウス操作やキーボード入力を可能にするテクノロジー」を2025年7月24日に発表しました。

A generic non-invasive neuromotor interface for human-computer interaction | Nature
https://www.nature.com/articles/s41586-025-09255-w


Natureに掲載された論文で示されたリストバンド型デバイス「sEMG-RD」の見た目が以下。


Xに投稿されたデモムービーでは、sEMG-RDを実際に装着する様子を見ることができます。


sEMG-RDを装着した状態で、指を軽く動かして机に文字を書くと、指の動きに合わせて文字が入力されています。


sEMG-RDは指の動きを認識しているのではなく、指を動かす際の電気信号を読み取っているため、かなり小さな動きでも捉えることが可能。Metaの研究担当副社長であるトーマス・リアドン氏は「少し練習すれば、正しい思考をするだけでノートパソコンのカーソルを動かすことさえできるようになります。実際に動かす必要はありません。動かすという意図を持つだけでいいのです」と説明しています。


研究チームは、数千人の被験者を対象に実験を行い、実験から得られたデータをAIで分析して、人が指は手首を動かす際に現れる共通の電気信号を特定しました。デバイスは、筋肉の電気的な活動を特定する「筋電図(EMG)」を読み取り、指や手首の動きを認識します。EMGは筋繊維に直接つながった「アルファ運動ニューロン」によって生成される強力なもののため、外科手術でマイクロチップを体内に埋め込むというような必要はなく、リストバンドで皮膚の外側から読み取ることが可能です。

インペリアル・カレッジ・ロンドンの生物工学教授であるダリオ・ファリーナ氏は「外部デバイスで電気信号を読み取って変換するというアイデアや技術は新しいものではなく、数十年前から存在しています」と述べた上で、AIを用いて数千人規模の膨大なデータを分析し、かつてないレベルの高いパフォーマンスで技術を強固にしたMetaの研究を称賛しています。

リアドン氏によると、Metaは今後数年以内にsEMG-RDの技術を製品に組み込む計画であるそうです。筋電図は、もともと義手を操作するための手段として研究されていたため、Metaのリストバンドも腕や手に機能障害を持つ人に役立つデバイスとなる可能性があります。

Metaが実施したトレーニングデータや研究モデルは、以下のリンク先で公開されています。

GitHub – facebookresearch/generic-neuromotor-interface: Code for exploring surface electromyography (sEMG) data and training models associated with Reality Labs’ paper
https://github.com/facebookresearch/generic-neuromotor-interface

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