
- カイル・レイの経営する窓清掃業の会社ギーク・ウィンドウ・クリーニングは、2014年頃、同社サイトへの訪問者を増やすためにSEO(検索エンジン最適化)を活用し始めたことで急成長した。
- しかし2025年現在、SEOは彼のビジネスにとって意味をなさなくなり、現在はAIに注力している。
- 彼は今、ChatGPT、サービスモンスター、チアープなどのAIツールを使って、時間とコストを節約してビジネスを運用している。
カイル・レイ(Kyle Ray)は、生活費を稼ぐために長年レストランで給仕やバーテンダーをして働いていたが、その裏で将来につなげるために副業として窓清掃をコツコツと続けていた。
2014年、初めてのクライアントとしてテキサス州ヒューストンのショッピングモールにあるマッサージ店を獲得してから約7年、彼は清掃業から十分な収入を得られるようになった。彼はこれまで本業だったサービス業の仕事を辞め、この副業に「ギーク・ウィンドウ・クリーニング(Geek Window Cleaning)」と名付けた。
その転機となったのは検索エンジン最適化(SEO)だった。2013年頃、彼はSEOに注目し、自分のサイトへの訪問者を増やす方法を学び始めて活用した。2015年までには、「窓清掃、ヒューストン」とグーグル(Google)で検索すると、彼の会社が1位に表示されるようになっていた。「そのころから本当に忙しくなり始めた」と彼はBusiness Insiderに語っている。
それからおよそ10年経ち、レイのビジネスを副業から本業へと変える助けとなったこの戦略は、もはや本質的には意味をなさなくなっている。
「以前利用していたSEOの会社は解約した。もはやグーグルでの検索順位には関心がないし、重要ではない。以前はグーグルで何かを調べたら、検索結果に出てきたリンクをクリックしてページを開いて内容を確認する必要があったが、今は検索画面に答えがそのまま表示される。もしグーグルで何かを検索すれば、ジェミニ(Gemini)が答えをその場で教えてくれる。ページをスクロールして中身を確認する必要すらない」
ここ数年でAI(人工知能)が進化しているが、レイはそれを使いこなすことに全力を注いでいる。これは、2010年代初めに彼がSEOに取り組んだやり方と似ており、そしてすでに成果は現れている。顧客管理ソフト「サービスモンスター(ServiceMonster)」で確認した売上データによると、2024年には彼の会社の売上は6桁ドルに達し、2025年には初めて100万ドル(約1億4951万円)を超える見込みだ。
「理にかなっている場合は、できるだけソフトウェアやAIを活用している。私の会社で使っているソフトウェアやツール、AIなどの技術の組み合わせ方は、かなりユニークなやり方だと思う」
彼はが小規模ビジネスの経営者として、 時間とコストを節約するために使っているAIやソフトウェアのツールを挙げてくれた。そのツールとは、ユーズホエール(Usewhale.io)、ChatGPT、インゲージ(Ingage)、キャンバ(Canva)、カレンドリー(Calendly)、プライスガイドエーアイ(PriceGuide.ai)、チアープ(Chiirp)、ペイブ(Paive)、サービスモンスター、ザイラトーク(ZyraTalk)、クリックアップ(ClickUp)、マインドマイスター(MindMeister) などだ。
その中でも彼が特に活用しているものについて教えてくれた。

顧客管理に「サービスモンスター」を使用。
このCRMソフトに切り替えたことは、他のどのツールよりも彼のビジネスの成長を後押ししたと彼は説明する。またヒューストンとオースティン全体で数百のクライアントにサービスを提供する中でこのソフトを使うことは、業務を整理して効率的に進める助けにもなったという。
長年、彼はクライアントの履歴を管理するためにカーボン複写の用紙を使っていた。
「フォルダーに入れて保管していたが、いつも、『もしオフィスが火事になって、これをすべて失ったらどうしよう?』と思っていた」
現在はサービスモンスターで、「クライアントの履歴、過去に行った作業、家についてのメモまで確認できる」という。彼の会社はクライアントのペットの名前のような些細な情報までも記録しており、クライアントに対し、彼自身が「理不尽なほどのおもてなし」と言えるサービスを提供しているのだという。
ほぼすべてのことに「ChatGPT」を活用。
レイによると、毎日ChatGPTにギーク・ウィンドウ・クリーニングの損益計算書を入力して利益を増やすにはどうすればよいかを相談したり、住宅サービス業の経営者としてどの新しいAIツールを使うべきかを尋ねたりしているという。
ChatGPTのおかげで、彼は誰も雇わなくても経営チームを持っているかのように感じているという。
「私一人しかいない。CFO(最高財務責任者)もCEO(最高経営責任者)もCOO(最高執行責任者)もおらず、私がすべての役割を兼任している。それでもChatGPTでそれらの役割を作り出すことができる」
彼は、「AI CFO」や「AI COO」 を基本的な質問のために使っていると言う。
「もし本当に複雑なことや、新しいことを試したい場合には、大企業のCFOである私の友人に相談できる。彼の経験はAIよりも優れている」
顧客とのコミュニケーションに「チアープ」と「ザイラトーク」を活用。
「会社の電話は常に誰かが出るようにしたい。電話に出られずに留守番電話になってしまうこと絶対に避けたい」ために、彼は営業時間外や週末にかかってくる電話をこのAIで対応させているという。
チアープはテキストメッセージ用のソフトで、クライアントとの簡単なやり取りを自動で行うことができる。一方、ザイラトークはAI音声アシスタントで、取り逃した電話に自動で応答し、まるで社員が話しているかのようにクライアントと会話できるソフトだ。
これら2つのAIツールを学習させれば、「フルタイムのカスタマーサービス担当チームを持つ必要はない」とレイは語っている。
「私の会社のような小さな会社では、急に規模を拡大したり、人を雇ってすぐに教育したりするのは難しい。だが、AIの音声ボットを学習させれば、電話がかかってきたときに自動で対応させることができる」
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