こんにちは。CATエヴァンジェリスト・石井優でございます。
(情報)統合型ソフトウェアテスト管理ツール「CAT」について 現在SHIFTが提供するCATとは、テストの実行管理に主眼を置いた正式名称「CAT TCM(Test Cycle Management)」という製品を指します。ケースと実行結果・エビデンスの管理、およびプロジェクトの進捗管理や品質分析を担うツールです。詳しいご紹介はぜひ製品HP をご確認ください。

ソフトウェアテストシンポジウムであるJaSSTの新潟地区「JaSST’25 Niigata」が2025/9/12(金)に開催されました。
その中から事例発表である「一次体験を起点にしたUX改善の取り組み」Natsuho Ide氏(株式会社ビットキー)の内容をレポートします。
資料はJaSSTの公式サイトにて公開されています。合わせてご確認ください。
JaSST’25 Niigata 公式サイト セッション情報
以下、主に箇条書きで紹介していきます。
講演概要
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タイトル 一次体験を起点にしたUX改善の取り組み (JaSST’25 Niigata 事例発表)
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日時 2025年9月12日(金) 16:15–17:00
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場所 NINNO(ニーノ)
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登壇者 Natsuho Ide氏(株式会社ビットキー UI/UXデザイナー)
概要
今回の内容はビットキー社でのUX改善の取り組みについての紹介です。どうやったら品質の高いプロダクトをつくれるか?という点を「ユーザーを理解することの大切さ」から読み解いている事例発表でした。
Natsuho Ide氏の紹介
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あぼかどねこ(X: @avocadoneko )というアカウント
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Go言語を主に使うエンジニア出身。
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デザイナーにキャリアチェンジしていまに至る

詳細な資料はイベント公式サイトの資料 をご確認ください。
今回話す内容
ビットキー社のworkhubというプロダクトの開発サイクルに関して、デザイン思考における「共感」にフォーカスした内容。次のような点を話す。

一次体験とは自分自身で触って体験すること
プロダクトをよくしていくためには一次体験が重要であると考えている。
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「プロダクトをどうよくしていくか?」のキーとしてユーザーを理解することが必要
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ユーザーを理解して体験のよし悪しを判断できる。
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ユーザーを理解することは、デザイナーだけではなくエンジニアや品質のQAエンジニアも必要。それぞれのメンバー一人一人が考える必要がある。
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体験はチーム全体でつくるもの。
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専門的なスキルは必ずしも必要ない。
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自分自身が触って、体験することが大事。これを一次体験と呼んでいる。
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デザイン思考では「共感」「課題定義」「アイデア創出」「プロトタイプ」「体験の検証」5つのステップを行ったり来たりしながら繰り返していくが、まずは共感からはじめよとされている。
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私自身は自分で体験する、他社のサービスを使うといった点が重要であると考えている。

ビットキーが目指す世界観
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ビットキーは、スマートキーや顔認証デバイスなどの販売や設置などを行っている。
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単なるスマートキー屋さんではなく「体験の分断を解消すること」を目指している。例えば家では家の鍵、車は車の鍵、会社では社員証で認証をする。別々の物が必要であるが、ここをシームレスにつなぐことでより豊かな顧客体験を生みたい。
UXをつくるうえで「自分が体験する」が重要
よいUXを届けるために誰でもできる「共感」の第一歩。ユーザーの立場で体験することで自然と課題が見えてくることがある。ビットキーではこの体験を重視して次のような取り組みをしている。
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workhubをビットキーのオフィス、ビルのゲートでも使っている。
ユーザーの1人としてつねに体験する環境にしている。 -
スマートロック導入予定の新築入居前のマンションに行き、自分でスマートキーの装置を設置。
設計中では気づけなかった通信状況や電源がないといった状況が見えてきた。

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認知的ウォークスルーでオフィスの席を予約する。
単に操作ができるではなくて、ユーザーがどんな流れでどんなことを考えているかをスプレッドシートに洗い出す。ユーザーになりきってUXを考える。 -
1ヶ月、ビットキーのスマートロックの住居に入居して、契約から入居までの体験をする。 実際の生活の時間軸を通して体験をするとより深いユーザー視点の理解を得られる。
こういった体験は開発チームだけでなくQAチームでも行っている。
自分の体験では得られないユースケースを知るためには?
とはいえ、自分で体験しても得られないユースケースがある。これを知るには次のような取り組みをしている。
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観察してみる。違う業種の人たちの使い方。
workhubを使っている別の会社に訪問して、見てみる。使っているメンバーに要望を聞く、悩みを聞く。そのなかで違いを知る。 -
社内で実際利用しているメンバーにヒアリングする。
一度ヒアリングし改善して、1年後にもう一度ヒアリングする。変化点がわかる。 -
離れたところからプロダクトと人を観察する。
実際に使っているユーアーを遠くから観察する。手間取っているということもわかる。このとき、つい声をかけたくなるが観察をつづける。
上記の取り組み改善事例を紹介
取り組み事例として、実際にあったケースを紹介する。
フラッパーゲートの改善
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workhubには顔認証のデバイスがあり、フラッパーゲートに取り付けている会社がある。
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利用者を観察していると、デバイスを誰も使っていない時間がある。このとき次のような点を感じた。
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「常時カメラをONにしていると、監視されているように見られるリスクがありそう」
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「遠くから見たら何をしたらよいかわからない。」
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この解決方法として使われていないときはスクリーンセーバーにしておき、人が近づいたら反応するようにした。

(石井の余談)このフラッパーゲート、弊社の本社です。取り上げていただき嬉しかったです。
デバイスの音作り
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スマートロックのデバイスについて、扉の外から鍵を開けようとするとフィードバックする仕組みがある。
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車の騒音やざわめきのなかでも聞こえる必要がある。
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騒音があるところで音のテストを行い、最適な音を見出した。

デザイン思考のサイクルは行ったり来たりする
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デザイン思考の5つのプロセス「共感」「課題定義」「アイデア創出」「プロトタイプ」「体験の検証」は上から順番に流れるものではない。行ったり来たりすることが多々ある。うまく行き来することを認識しておくことが必要。
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テストしてから再度、共感に戻ることもある。
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今回はこの共感に着目してお話した。共感を大事にする開発サイクルというのは重要であると考えている。
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共感することはより良いプロダクトを作る第一歩。一次体験からの気づきはデザイナーだけでなくQAでもできる。
まとめ・石井の所感
よいプロダクト・よいUXをつくっていくには体験することが重要であると。私もプロダクト開発に携わっていますがついユーザー視点を忘れがちになることもあります。そのときに「ユーザーになりきってみる」「ユーザーを観察してみる」「ユーザーに聞く」といった情報を取りに行く手段が提示されていました。忘れてはいけないベーシックな内容であると考えており、この話はいつまでも口酸っぱく言い続け、文化として定着することが重要なのだなと痛感しました。
デザイン思考のプロセスは行ったり来たりするという話も印象的でした。こういうプロセスというのは上から下へ流れるものと決め込みがち。でもそれではうまくいかないよ、一旦作ってみて体験を検証することも重要だ、という点もものづくりのときには体で理解しておきたい点だと思います。
UXを作っていくためのベーシックなポイント、非常に参考になりました。
(宣伝)私の担当するテスト管理ツールのCATもよろしくお願いします!
公式HP
執筆者プロフィール:石井 優
倉庫事業企業のシステム部門にて、基幹システムの開発・保守・導入及び大規模基幹システム移行への参画を経験し、2015年SHIFTへ入社。 CATエヴァンジェリストとして、ツールだけでなくプロジェクト管理プロセスに関する紹介や提案など幅広く活動中。CATやTDのことに興味があればいつでもご連絡ください!
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PHOTO:UnsplashのSteve Johnson
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