データサイエンス向け技術書ガイド〜2軸で整理する10選〜|ONE CAREER Tech Blog

みなさん、こんにちは。DevHRチームの長谷川(X:@hasehathy)です。
普段はエンジニア組織のXアカウント(@OnecareerDevjp)の運用や、このテックブログの運営、EntranceBookの作成〜更新などを担当しています。

今回は、弊社データサイエンティストの協力のもと、データサイエンスのスキルアップに役立つ技術書をご紹介します!

前回のSRE版についても、ご興味がある方はこちらもぜひチェックしてみてください。

はじめに

ワンキャリアのエンジニア組織では、成長支援の取り組みとして「WeQuest」という勉強会を週5で開催しており、メンバーの書籍からのインプット・アウトプットを促しています。

本記事でご紹介する書籍は社内メンバーのスキルアップ用として、この「WeQuest」で実際に取り上げたり、メンバーから推薦されたりしたものを中心にまとめたものです。

今回はその内容をテックブログという形で広く公開し、データサイエンスを学ぶ多くの方にも参考にしていただければと考えました!

今回は「統計/機械学習」「理論/実践」という2つの軸でマッピングしてご紹介しています。
O’Reilly Japanのサブスクリプションで読める本も多く含んでいますので、
「どの本から読めばいいのかわからない」「自分の強化したい領域に合った本は?」
といった疑問をお持ちの方にとっての、一例になれば幸いです。

技術書の選び方

今回は、以下の2軸でデータサイエンス関連の技術書を整理しています。

統計/機械学習

  • 統計:確率分布・検定・推定といった「データの不確実性」を扱い、解釈可能な数理モデルから現象を理解するもの

  • 機械学習:予測精度・パターン認識を重視し、複雑なアルゴリズムを用いることでデータから自動的に規則を理解するもの

理論/実践

  • 理論:概念・数式中心の内容で、原理原則や基礎概念を深く理解できるもの

  • 実践:ツール・コード中心の内容で、すぐに手を動かして活用できるもの

これらの2軸で分類することで、本を読む目的が明確になり、自身の必要としている知識・スキルに合った書籍を選びやすくなるかと思います。

それでは、各象限ごとにおすすめの書籍をご紹介します!

1. 統計×理論:統計学の「数理的基礎・推論理論」を理解する

大学院レベルの数理統計学の理論的基礎を学ぶための書籍。測度論的確率論〜統計的決定理論まで、統計学の数学的な基盤となる知識を学びたい方におすすめです。

現代数理統計学の基礎

対象読者:測度論・位相空間論の基礎知識があり、統計理論を厳密に学びたい大学院生・研究者

学べる内容:測度論的確率論、統計的決定理論、漸近理論、MCMC理論、ブートストラップ理論、EMアルゴリズムの数理

推奨理由:日本の統計学教育の最高峰として定評があり、豊富な演習問題と丁寧な証明によって独学でも理論的厳密性を身につけられる

👇 弊社データサイエンティストのコメント

最初に手に取った際は、「基礎」とタイトルにあったので簡単かなと思っていたのですが、内容はかなり高度で歯応えがあります。演習問題も統計検定1級より難しく感じましたが、読み切ったら強い達成感が得られます。

2. 統計×実践:実際のデータで統計解析と因果推論を実装

R や Python を使った実践的な統計解析手法を学ぶための書籍。実データ分析、A/B テスト、因果推論の実装など、ビジネス現場で実際に活用できる内容を中心にまとめています!

Pythonで学ぶあたらしい統計学の教科書 第2版

対象読者:Pythonの基礎文法を習得済みで、統計学を実装しながら学びたいデータ分析初学者

学べる内容:記述統計、確率分布、推定・検定、回帰分析、ベイズ統計の基礎をPython実装と共に習得

推奨理由:理論説明→数式→Pythonコードの3段階説明により、抽象的な統計概念を具体的なコードで理解でき、実務への応用がスムーズ

👇 弊社データサイエンティストのコメント

特にpandas、NumPy、matplotlibを使った実装例が豊富で、学んだ内容をすぐに実務で活用できます。統計も本当に初歩の内容から丁寧に説明されていてハンズオンの入門書としてはとても良い内容です。

つくりながら学ぶ!Pythonによる因果分析

対象読者:機械学習の基礎を理解しており、因果推論・因果探索の実装方法を学びたいデータサイエンティスト

学べる内容:傾向スコア、Meta-Learners、DID、合成コントロール法、LiNGAM、ベイズネットワークの実装

推奨理由:理論書では難解な因果推論手法を、Google Colaboratoryですぐ実行できるコードと共に解説しており、実務での因果分析に挑戦しやすくなる

👇 弊社データサイエンティストのコメント

Google Colaboratoryですぐに実行できるコードも載っており、理論書だけでは難解な因果分析手法について手を動かしながら習得できます。
Pythonのハンズオンが付いている因果分析の本はあまり多くはないため、とても有用です。

効果検証入門 〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎

対象読者:A/Bテストや施策効果測定に携わるビジネスアナリスト・プロダクトマネージャー

学べる内容:セレクションバイアス、RCT、傾向スコアマッチング、差分の差分法(DID)、回帰不連続デザイン(RDD)

推奨理由:日本のビジネス現場での実例を豊富に使用し、因果推論の「なぜ必要か」から「どう実装するか」まで実践的に解説

👇 弊社データサイエンティストのコメント

直感的な理解を重視した構成で、数式も最小限に抑えられており、ビジネスサイドの方でも因果推論を実践できるようになります。実際に、本書籍は弊社のデータサイエンス・アナリティクスチームのメンバーにも推薦図書として読んでいただいています!

3. 機械学習×理論:機械学習の「学習理論と最適化の数理的基盤」を理解する

統計的学習理論、最適化理論、深層学習の数理など、機械学習の理論的基礎を大学院レベルで学ぶための書籍です。

統計的学習理論(機械学習プロフェッショナルシリーズ)

対象読者:確率論・凸解析の基礎があり、機械学習の数学的基盤を厳密に理解したい大学院生・研究者

学べる内容:PAC学習、VC次元、Rademacher複雑度、再生核ヒルベルト空間、正則化理論、ブースティング理論

推奨理由:日本語で読める唯一の本格的な計算論的学習理論の教科書で、機械学習アルゴリズムの汎化性能を数学的に理解できる

👇 弊社データサイエンティストのコメント

なぜ機械学習アルゴリズムが汎化するのか、その数学的保証を理解したい研究者やエンジニアにとって必読の書かと思います。難易度は高めですが、VC次元やPAC理論などアルゴリズムの汎化性能を理解できたので、とてもためになる本でした。

パターン認識と機械学習 上・下(PRML日本語版)

対象読者:線形代数・微積分を理解しており、ベイズ的観点から機械学習を体系的に学びたい学生・エンジニア

学べる内容:ベイズ決定理論、確率的グラフィカルモデル、カーネル法、変分推論、EMアルゴリズム、近似推論

推奨理由:変分推論、EMアルゴリズムなど、機械学習の重要な概念を確率論の枠組みで体系的に解説。豊富な図解により、複雑な概念を視覚的に理解できる。

👇 弊社データサイエンティストのコメント

図表が非常に多く、難解な概念もビジュアルで直感的に理解できるのがありがたいです。内容の充実ぶりはさすが世界的定番書だけあって圧巻で、自分は友達と輪読会形式で読み進めました。ぜひ本書を読むときは、周りを巻き込んで勉強会形式で議論しながら進めることを推奨します。

4.機械学習×実践:MLモデルを構築して実際の問題を解決

scikit-learn、TensorFlow、PyTorch などを使った機械学習の実装、Kaggle テクニック、MLOps など、実務での機械学習プロジェクトを扱う書籍群です。

Kaggleで勝つデータ分析の技術

対象読者:Pythonで機械学習の基礎を習得済みで、予測精度を極限まで高めたいデータサイエンティスト

学べる内容:特徴量エンジニアリング、バリデーション戦略、ハイパーパラメータ最適化、アンサンブル、スタッキング

推奨理由:Kaggle上位ランカーの暗黙知を体系化し、コンペで培われた実践的テクニックを効率的に習得できる

👇 弊社データサイエンティストのコメント

予測精度を極限まで高めるための実践的なノウハウが詰まっており、実務でも高精度なモデル構築に直結する技術を習得できます。Kaggleで共有されてきたノウハウが隅々まで詰め込まれており、「こういう知見が欲しかった!」と思う場面の連続でした。Kaggleに取り組むすべての人が読むべき、定番書です。

AIエンジニアのための機械学習システムデザインパターン

対象読者:MLモデルを本番システムに組み込みたいソフトウェアエンジニア・MLエンジニア

学べる内容:推論パターン、前処理パターン、QAパターン、運用パターン、Docker/Kubernetes活用

推奨理由:メルカリでの実経験を基にしたデザインパターン集で、MLシステム特有の課題と解決策を体系的に整理

👇 弊社データサイエンティストのコメント

Docker/Kubernetesの活用方法も含め、MLモデルをスケーラブルなシステムに組み込むための実践知識が凝縮されています。GithubにてOSSとして公開されており、様々なデザインパターンの中から自社の状況に関係する部分だけつまみ読みしても大いに参考になる内容でした。

つくりながら学ぶ!PyTorchによる発展ディープラーニング

対象読者:PyTorchの基礎を理解しており、最新の深層学習技術を実装したいエンジニア

学べる内容:物体検出(SSD)、セマンティックセグメンテーション、GAN(DCGAN、Self-Attention GAN)、Transformer実装

推奨理由:最新論文の実装を丁寧に解説し、GitHubで完全動作するコードを提供することで、即座に最先端技術を試せる

👇 弊社データサイエンティストのコメント

GitHubで完全動作するコードが提供されており、すぐに最先端技術を試すことができます。
画像系から自然言語系まで幅広いテーマの最新モデルを自作しながら学べるので、「聞いたことあるけど、こういう仕組みのモデルだったんだ」という発見の多い一冊でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか!今回は、「統計学/機械学習」と「理論/実践」の2軸でデータサイエンスのスキルアップに役立つ技術書をご紹介しました。今後も他の職種・スキル領域における推奨書籍をシリーズでご紹介していこうと思いますので、お楽しみに!



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