Samsung・SK Hynix・TSMCに与えた「中国へ半導体製造技術を輸出する権利」の取り消しを検討 – GIGAZINE


SamsungやSK Hynix、TSMCといった半導体メーカーは中国にある工場で半導体の製造を行うにあたり、「アメリカの半導体製造技術を中国へ輸出する権利」を得て工場で当該技術を搭載した機械を使用しているのですが、商務省関係者が、この権利の取り消しを検討していることがわかりました。

Exclusive | U.S. Prepares Action Targeting Allies’ Chip Plants in China – WSJ
https://www.wsj.com/world/china/u-s-prepares-action-targeting-allies-chip-plants-in-china-10ab18a8

TSMC, AMD, ASML Stocks Fall on Report of New Possible US Chip Limits on China – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-06-20/chip-stocks-slide-on-report-of-new-possible-limits-on-china

U.S. may stop global chipmakers’ access to American tech in China
https://www.cnbc.com/2025/06/20/chip-stocks-china.html

韓国のSamsungやSK Hynix、台湾のTSMCはアメリカ製技術を含んだ半導体製造用の機械を中国の工場に輸出するにあたり、包括的な免除措置を受けています。この措置のおかげで、メーカーは都度ライセンス申請をする必要がありません。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、商務省の輸出管理部門責任者であるジェフリー・ケスラー氏は3社に対し、これらの免除措置を取り消したい意向を示したそうです。取り消しの意向は、アメリカの重要な技術が中国に渡らないようにするための、トランプ政権の取り締まりの一環だとのこと。

商務省の広報担当者は「当該半導体メーカーは中国での操業を続けられます。半導体に関する新しい取り締まり制度は、中国への輸出を行っている他の半導体企業のライセンス要件を反映したものであり、アメリカが平等かつ相互のプロセスを持つと保証するものです」と語っています。

業界関係者も、今回の措置が行われたとしてただちに中国の工場が閉鎖になるようなことはないと説明したものの、効率的な操業は難しくなっていく可能性があり、また、メーカーがケースバイケースのライセンスを求めたり、これまで用いてきたアメリカ製の機械をやめて日本製やヨーロッパ製の機械への乗り換えを検討したりするのではないかという見方を示しました。


なお、あくまで報じられている措置は検討段階であり、ケスラー氏の所属する商務省産業安全保障局は推進派ですが、国防総省などが反対しているとのこと。反対派からは「中国企業の後押しになり、工場を中国が支配することにつながるのではないか」との懸念が上がっています。

直近では、NVIDIAやAMDが中国向けの製品輸出についてアメリカ政府から新しくライセンスを求められ、多額の経費を計上しています。

NVIDIAのAIチップ「H20」の中国への販売にアメリカ政府がライセンスを要求、NVIDIAは関連経費として55億ドルを計上 – GIGAZINE


AMDのAIチップ「MI308」の中国への輸出にアメリカ政府がライセンス要件を課す、AMDは追加費用として8億ドルを計上し株価が下落 – GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする


ソース元はコチラ

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事