WordPressのアップデートとプラグインを特定の団体に支配されず配布するための仕組み「FAIR Package Manager」をLinux Foundationが立ち上げ – GIGAZINE


ITインフラを支える非営利団体Linux Foundationが、新しいプロジェクト「FAIR Package Manager」を発表しました。このプロジェクトは、WordPressエコシステムのシンプルさ、セキュリティ、一貫性を高めることを目的としています。

FAIR Package Manager Project · GitHub
https://github.com/fairpm


GitHub – fairpm/fair-plugin: FAIR plugin
https://github.com/fairpm/fair-plugin

Linux Foundation Announces the FAIR Package Manager Project for Open Source Content Management System Stability
https://www.linuxfoundation.org/press/linux-foundation-announces-the-fair-package-manager-project-for-open-source-content-management-system-stability

WordPressは世界中のウェブサイトで使われているコンテンツ管理システム(CMS)の1つです。WordPressのエコシステムはWordPress.org公式に強く依存している中央集権的な状態で、サプライチェーンが脆弱(ぜいじゃく)的であるといわれてきました。


FAIR Package ManagerはオープンソースのCMS、特にWordPressの安定性を向上させることを目的としたプロジェクトで、特定ベンダーに依存しない中立的なパッケージ管理を提供することで、コンテンツやeコマース、AIといった新しい時代のニーズに対応する重要な共通インフラとなることを目指しています。

FAIR Package Managerの主な特徴と利点は、まずコアアップデート、プラグイン、テーマ、翻訳などを単一のソースに依存する必要がなくなり、エコシステム全体での連携が可能になる点です。さらに、商用エンティティへの自動的なブラウザデータ送信を大幅に削減し、プライバシーとセキュリティを向上させることで、GDPR(一般データ保護規則)への対応を強化します。

また、中央集権的なソースだけでなく、あらゆるソースからのプラグインをまとめることで、分断されたエコシステムを統合します。そして、暗号化セキュリティ対策の改善や、信頼できるソースからのソルトへの依存を可能にすることで、サプライチェーンのセキュリティを強化します


FAIR Package ManagerはLinux Foundation内で運営され、中立的で透明性のあるガバナンスが提供されるとのこと。技術運営委員会(Technical Steering Committee)の共同議長はキャリー・ディルス氏、ミカ・エプスタイン氏、ライアン・マキュー氏の3名で、そのうちマキュー氏はWordPress REST APIの開発者として知られています。

マキュー氏は、「このFAIR Package Managerというプロジェクトは従来の中央集権的なアプローチから脱却し、コミュニティを第一に考えた分散型の解決策です」と述べています。

Linux Foundationは「開発者は、これまでのように中央の管理場所だけに頼るのではなく、自身のサプライチェーンのニーズに応じて、複数の信頼できるソースからプラグインなどを選択できるようになります。これにより、イノベーションが促進され、ビジネスの継続性が保護されます」と述べています。

なお、FAIR Package Managerの中核となる共有パッケージリポジトリは公開されており、開発者などからのコントリビューションを受け付ける準備ができているとのことです。

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