NVIDIAが輸出規制撤回を受けてサウジアラビアの国営AIデータセンターに1万8000台のAI GPUを出荷へ – GIGAZINE


メモ


高性能な半導体の輸出を制限するというジョー・バイデン前大統領の規制をドナルド・トランプ大統領が撤回したことを受け、NVIDIAがサウジアラビアの国営AI企業Humainに1万8000台のAI GPUを出荷すると発表しました。

HUMAIN and NVIDIA Announce Strategic Partnership to Build AI Factories of the Future in Saudi Arabia | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/humain-and-nvidia-announce-strategic-partnership-to-build-ai-factories-of-the-future-in-saudi-arabia

Nvidia to Send Chips to Saudi’s Humain for AI Data Centers – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-05-13/nvidia-to-send-chips-to-saudi-s-humain-for-ai-data-centers

Trump administration officially rescinds Biden’s AI diffusion rules | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/05/13/trump-administration-officially-rescinds-bidens-ai-diffusion-rules/

US weighs letting UAE buy over a million advanced Nvidia chips, Bloomberg News reports | Reuters
https://www.reuters.com/world/middle-east/us-weighs-letting-uae-buy-over-million-advanced-nvidia-chips-bloomberg-news-2025-05-13/

トランプ大統領のサウジアラビア訪問の一環として行われたサウジアラビア・アメリカ投資会議で、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがHumainとの提携について明らかにしました。

フアンCEOは「AIは、電気やインターネットと同様に、あらゆる国にとって不可欠なインフラです。AIには大量の電力が必要であり、エネルギー資源の豊富なこの国はNVIDIAの技術を活用してAI分野で新たな能力を発揮できるようになるでしょう」と述べています。

NVIDIAは今後5年かけて合計数十万台のGPUを出荷する予定で、その第一段階として、1万8000台のNVIDIA GB300 Grace Blackwellを出荷します。これらのGPUはサウジアラビアに新設される500MW級のデータセンターで使われる予定です。


AMDもHumainとの提携を明らかにしており、今後5年間で最大100億ドル(約1兆5000億円)を投資するとしています。

これらの投資を受け、HumainはデータセンターとAIのインフラ構築を行うほか、生成AIの基盤となる大規模言語モデルのアラビア語版の開発も行います。なお、AIの「推論」に関しては、HumainはNVIDIAの競合であるアメリカ企業のGroq提携するとのことです。

Bloombergによると、サウジアラビアは個人データと金融データの国内保管を義務付けており、外国企業は契約の失効を避けるためにサウジ国内に施設を建設せざるを得なくなっているとのことです。

同日、AmazonもHumainとの提携を発表し、50億ドル(約7500億円)以上を投資してサウジアラビアに専用のAWSインフラとサーバーを構築する計画を明らかにしました。同社はサウジアラビアに「AIゾーン」を構築するとしており、AIのトレーニングと推論を高速化するUltraClusterネットワーク、SageMakerやBedrockなどのAWSサービス、Amazon QなどのAIアプリケーションサービスなど、複数の機能を導入する計画を示しています。


これら複数社の計画はすべて、トランプ大統領によるAI普及規則の撤回宣言の直後に発表されました。2025年5月13日、商務省がバイデン政権時代に策定され発効間近だった「世界の国を3つの階層に分け、日本や韓国などの第一階層国以外は半導体の輸出制限を設ける」という規制を完全に撤回したため、サウジアラビアへの輸出規制が緩和されています。バイデン氏の規制ではアメリカではなく中国の技術が各国に普及してしまうという懸念があり、アメリカは自国の影響力を強めるべく、積極的なAI普及に向けて取り組んでいるとの見方があります。なお、中国など一部の国への輸出は引き続き規制されており、その他の代替措置が取られることも予定されています。Bloombergは「商務省は今後、包括的な規制ではなく、各国との直接交渉に重点を置く可能性が高い」と指摘しました。

トランプ大統領はサウジアラビアに続いてアラブ首長国連邦(UAE)も訪問する予定です。関係者によると、NVIDIAがUAEに100万台以上のGPUを出荷できるようトランプ政権が取り計らっており、GPUのうち5分の1はアブダビのAI企業G42に、残りは湾岸諸国にデータセンターを建設するアメリカの企業に割り当てられるとのことです。ChatGPTなどを開発するOpenAIが割り当てを受ける企業の1つになる可能性があると伝えられています。

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