オープンソースのAIエージェント「Hermes Agent」を開発するNous Researchが2026年10月7日に9000万ドル(約142億円)の資金調達を発表しました。企業評価額は15億ドル(約2370億円)に達しており、調達した資金を活用して企業向けの「Hermes for Businesses」の開発を進めるとのことです。
A Note on Our Fundraise | Nous Research
https://nousresearch.com/a-note-on-our-fundraise
Exclusive | Nous Research Scores $90 Million to Bring Open-Source AI Assistant to Enterprises – WSJ
https://www.wsj.com/pro/venture-capital/nous-research-scores-90-million-to-bring-open-source-ai-assistant-to-enterprises-516f9208
Nous Researchは2023年に設立されたAI開発企業で、AIモデルの改良やオープンソース技術の研究に取り組んできました。2026年2月にはAIにウェブ検索やファイル操作などを任せられるHermes AgentをMITライセンスで公開。ウェブサイトから情報を収集して内容をまとめたり、ファイルを読み書きしたりといった作業が可能で、さらに作業を進める中で得られた手順を「スキル」として保存し、別の作業でも再利用できる仕組みを備えています。
GIGAZINEでも実際にHermes Agentを使い、ウェブ検索やブラウザ操作などを試した記事を公開しています。
使い込むほど成長するAIエージェント「Hermes Agent」をWindowsで実際に使ってみた、インストールからウェブ検索・ブラウザ操作まで – GIGAZINE
Hermes Agentでは利用するAIモデルや実行環境をユーザー自身で選択でき、用途や費用に応じてAIモデルを切り替えられます。ローカルAIを選択することも可能なほか、過去の作業内容や保存したスキルはモデルが変わっても引き継げるため、特定のモデルへ依存せずにAIを活用できるようになっています。
Nous Researchによると、Hermes Agentの公開以降のクローン回数は2400万回を突破しているほか、Nous Researchの社内推計では世界全体のAIモデルにおけるトークン使用量の約2.5%をHermes Agentが占めているとのこと。
Hermes Agentが個人ユーザーの間で普及する一方、企業がAIエージェントを導入する際には業務で扱う機密情報の保護や、AIの利用状況の管理など別の課題があります。
そうした課題に対応するため、Nous Researchは「Hermes for Businesses」を新たに開発中とのこと。「Hermes for Businesses」は企業がHermes Agentを自社の業務に合わせて利用できるようにするサービスで、既存のHermes Agentが持つ作業の自動化やスキルの蓄積といった特徴を引き継ぎつつ、業務の目的や費用に応じたAIモデルの選択、機密情報を保護しながらのAI活用、社内に蓄積された知識の管理などを可能にするとのことです。
今回の資金調達はシリーズBラウンドとして実施され、Robot Venturesが主導しました。出資企業にはNVIDIA、Microsoft傘下のM12、Samsung、Union Square Ventures、Y Combinator、Menlo Venturesなどが名を連ねています。Nous Researchの累計調達額は1億5800万ドル(約250億円)に達したとのことです。
ウォール・ストリート・ジャーナルが事情に詳しい関係者の話として報じたところによると、Nous Researchの2026年9月中旬時点の年換算売上高は約3600万ドル(約57億円)でした。Nous Researchは発表時点の年換算売上高についてコメントを控えていますが、経営陣は2026年末までに1億ドル(約158億円)を突破する見通しを示しています。
Nous Researchのディロン・ロルニックCEOは、AI技術が少数の大企業に集中する状況を問題視して2023年に会社を設立したと説明しています。ロルニックCEOは「AIシステムを利用する人々自身がAIを管理できるべきだという原則は、Hermesの最初のリリースから変わっていません」と述べ、企業向けサービスでもオープンソースの方針を維持する考えを示しました。
また、Nous ResearchはHermes Agentのモバイルアプリを開発する計画も明らかにしており、企業向けサービスと並行して個人ユーザー向けの機能拡充も進める方針です。
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