世界各国に店舗を展開するマクドナルドがアメリカや一部の海外市場において、「AIを使ったメニューの最適価格の算出」を行っていると海外メディアのロイターが報じました。中には店舗同士がわずか2マイル(約3.2km)しか離れていないのに、ビッグマックの価格が1.2ドル(約190円)も違うケースがあるとのことです。
Inside McDonald’s push to have AI price your Big Mac | Reuters
https://www.reuters.com/business/inside-mcdonalds-push-have-ai-price-your-big-mac-2026-09-29/
AI might be pricing your McDonald’s Big Mac – YouTube

ロイターのレポーターがニューヨークにあるマクドナルドの店舗に向かい、ドライブスルーでビッグマックを注文しました。価格は7ドル17セント(約1130円)。
続いて、最初の店舗からわずか2マイル離れた、同じフランチャイズオーナーが経営するマクドナルドに到着。この店舗でビッグマックを注文すると、価格は前の店舗より11%も高い8ドル5セント(約1260円)でした。
マクドナルドの商品価格が店舗によってこれほど異なる理由は、マクドナルドがAIを使った「プライシング・エンジン」という価格設定システムの利用を推進しているためです。
マクドナルドのプライシング・エンジンは機械学習アルゴリズムを使い、約1万4000店舗における1日数百万件の取引データを継続的に分析し、各店舗の各メニューについて「最適価格」を算出するとのこと。
最適価格は「地域における顧客の支払意思額」に基づいており、ロイターが確認したプライシング・エンジンのインターフェースのスクリーンショットには、「顧客はレストランの価格に対して中程度の感度を示しています」といったメッセージが表示されていました。
プライシング・エンジンの最適価格は、近隣の競合ファストフードチェーンであるバーガーキングやウェンディーズといった店舗のメニュー価格も考慮しているそうです。
ロイターが確認した最も極端な例はカリフォルニア州のフレズノにあります。フレズノにある2つのマクドナルド店舗はわずか2マイルしか離れていないのに、一方の店舗はビッグマックの価格が5.69ドル(約890円)、もう一方の店舗では6.89ドル(約1080円)となっていました。
2023年にはプライシング・エンジンにより、コネチカット州の有料道路沿いにある店舗のビッグマックセットが18ドル(約2800円)という法外な価格となり、オンラインで話題になりました。この件ではマクドナルドも、「これは例外的なケースだ」と声明を発表しています。
マクドナルドは、需要や顧客に応じた価格変更は通常の企業活動の範囲内であり、適切な価格の見極めは以前から行われてきたものだと主張。しかし近年ではAIの発達によって価格設定のための分析が大規模に、かつ飛躍的に強力に行えるようになりました。
ロイターがマクドナルドに問い合わせたところ、最終的な価格決定権は常にフランチャイズ加盟店が持っていると回答がありました。
しかし、ロイターが取材したフランチャイズ店のオーナーたちによると、プライシング・エンジンが算出した価格を採用するように本部から強い圧力がかけられているとのこと。
プライシング・エンジンの推奨価格から外れた価格を付けていると、役員から電話がかかってくることもあるとオーナーは証言しています。
マクドナルドがフランチャイズ加盟店へ送付した社内文書には、マクドナルドは加盟店が推奨事項からどれほど逸脱したのかを詳細に記録していることや、加盟店に「マクドナルドが承認した価格コンサルタントおよびツールの建設的な活用」を義務づけることなどが記されていました。
消費者らは、大企業によるAIやビッグデータを使った価格設定への反発を強めています。大企業がビッグデータを利用して消費者を限界ギリギリまで搾取する行為は「監視型価格設定」と呼ばれ、法的な規制も検討されています。
大企業が情報格差を利用して消費者を限界ギリギリまで搾取する「監視型価格設定」とは?何が問題なのか? – GIGAZINE
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