2026年9月15日にSteam公式VRゴーグル「Steam Frame」が発売されました。Steam Frameに一足先に触れていた海外メディアが一斉にレビュー記事を公開していたので、装着時の快適性やゲームプレイの感想などをまとめてみました。
Steam Frame
https://store.steampowered.com/hardware/steamframe
Steam Frame: The Ars Technica review – Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2026/09/steam-frame-the-ars-technica-review/
The Steam Frame is made for irresponsible hardware nerds like me | The Verge
https://www.theverge.com/tech/994267/steam-frame-review
Steam Frame review | PC Gamer
https://www.pcgamer.com/hardware/vr-hardware/valve-steam-frame-review/
Steam Frame, Reviewed: Valve’s Ambitious VR Headset Feels Like an Experiment in Progress – CNET
https://www.cnet.com/tech/gaming/valve-steam-frame-vr-headset-review/
Steam Frame review: fantastic wireless VR gaming at a premium | Club386
https://www.club386.com/steam-frame-review/
Steam Frameは「PCでゲームを描画してSteam Frameに無線ストリーミング」と「Steam Frame本体でゲームを描画してPCなしでプレイ」という2種類の遊び方に対応したVRゴーグルです。VRゲームだけでなく「仮想空間内やパススルー空間内に巨大ディスプレイを配置して非VRゲームをプレイ」ということも可能。また、OSはArch LinuxベースのSteam OSを採用しており、GIMPなどのLinuxアプリをスタンドアロンで実行することもできます。公式ページに掲載されたSteam Frameの特徴は以下の記事にまとめています。
Steam公式VRゴーグル「Steam Frame」が発売、「PCと無線接続してゲームプレイ」「ゴーグル本体でゲームプレイ」両対応で非VRゲームも遊べる – GIGAZINE
◆装着時の快適性
Steam Frameのヘッドストラップを含む重さは440gで、Meta Quest 3などの競合機種と比べて軽くなっています。バッテリーパックを後頭部を配置して重さを分散しているのも特徴です。Steam Frameの装着感について、PC Gamerは「数時間装着し続けても、顔に跡が残らない。頬骨や目の周りに重さが集中することもない」と高く評価。また、Ars Technicaは「前に引っ張られる感覚やずれ落ちる感覚は皆無。『装着していることを忘れる』というほどではないが、VRゴーグル特有の不快感は大幅に軽減されている」と評価しています。
The Vergeは「装着時の快適さという点では、Steam Frameはこれまで試したどの製品よりも圧倒的に優れている」「快適さは事情に重要だ。私はMeta Quest 2を所有しているが、『前側が重く不快な圧力を感じる』という理由でホコリをかぶっている」と述べてSteam Frameの装着感を絶賛しています。また、The VergeはSteam Frameを装着したままサンドイッチを食べたりジュースを飲んだりする様子も披露しています。
装着感についてはどのメディアも高く評価していますが、メガネ着用者の場合は話が変わってきます。Steam Frameにはメガネを着用しながら使うためのスペーサーが付属するのですが、CNETは「メガネを着用した状態だと非常に窮屈。ゴーグルを無理やり押し込む必要があり、メガネが顔に当たってレンズが曇ってしまう。メガネとの相性はQuestシリーズの方が良い」と述べています。
◆PCからの無線ストリーミング
Steam Frameには6GHzワイヤレスアダプターが付属し、所有するWi-Fiルーターの性能に左右されず高品質な無線ストリーミングが可能です。また、視線を追跡してプレイヤーの見ている部分だけを高精細に描画する「中心窩ストリーミング(フォービエイテッドストリーミング)」にも対応しています。
Club386が「PCを2階に設置し、1階のSteam Frameに無線ストリーミングする」という実験を実施した結果、Meta QuestシリーズのAir Linkと比べてはるかに安定したストリーミングが可能だったとのこと。また、フォービエイテッドストリーミングについても「非常に注意深く映像に着目すると、描画の精細さの切り替わりを視認できる」という感じで、通常のゲームプレイ時は精細さの切り替わりをまったく気にせずプレイできたそうです。
なお、Steam Frameは記事作成時点ではWindowsからのストリーミングにのみ対応しており、Steam OSを搭載するSteam Machineからのストリーミングには非対応である点には注意が必要です。
◆Steam Frame本体でのゲームプレイ
Steam FrameはSoCとしてArmベースのSnapdragon 8 Gen 3を搭載し、OSはLinuxベースのSteam OSです。「ArmベースのSoCかつLinuxベースのOS」という環境ですが、x86アプリをArmプロセッサーで動作させる「FEX」、Windows向けゲームをLinuxで動作させる「Proton」、Android向けゲームをLinuxで動作さえる「Lepton」といった技術によってSteamで配信されているVRゲームや非VRゲームをスタンドアロンで動作させることができます。すでにSteamの「Frameで快適に動作」というページに多くのゲームが掲載されているほか、Valveが開発したVR FPS「Half-Life: Alyx」もSteam Frameでのスタンドアロンプレイに対応しています。
しかし、Steam Frameの処理性能はSteam Deckより低く、スタンドアロンプレイではうまく動作しないゲームも多いとのこと。Ars Technicaは「Frameで快適に動作」に掲載されているゲームの中には起動すらできないものもあったと報告しています。
Steam Frameの動作設定は高負荷な「Performance」と低負荷な「Playtime」から選択できます。Ars Technicaは「Performanceでは、冷却ファンが大きな音を立てて回転し、本体上部の排気孔から額に向かって温風が吹き出す」と報告しています。
◆ゲームだけでなくPCとしも使える
Steam OSはFirefoxやGIMPなどのLinuxアプリをインストールしてPCとして使うことが可能で、Steam Frameでは3D空間内にLinuxアプリを配置できます。さらに、3D空間内に仮想ディスプレイを設置してWindowsの画面をストリーミングすることもできます。
The Vergeは「3D空間内にWindowsの画面を3枚配置しつつ、Linuxアプリを3個起動する」という使い方ができことを報告しています。ただし、記事作成時点ではソフトウェアが不安定で、画面追加時にシステムがクラッシュしてしまうこともあったそうです。
また、Steam Frameはゴーグルの外側の空間を映すパススルーに対応していますが、標準状態では単色のパススルーしかできず、フルカラーパススルーに対応するには別売りのカメラを用意する必要があります。
◆Meta Quest 3との比較
ほとんどの海外メディアがSteam Frameのライバル機種としてMeta Quest 3を挙げています。両者はスペックが近く価格面ではMeta Quest 3の方が圧倒的に優位です。
Steam Frameの日本での販売価格は256GBモデルが19万9980円、1TBモデルが24万4980円。
それに対して、Meta Quest 3の512GBモデルは10万2300円です。また、Amazon.co.jpなどで手軽に購入可能というのも大きなアドバンテージです。

Ars Technicaは「Steam Frameは軽量で、無線ストリーミングの安定性も魅力である。しかし、十分に安定したWi-Fi環境さえあればMeta Quest 3でも問題なく無線ストリーミングが可能だ。装着性と無線接続以外のVR体験はSteam FrameとMeta Quest 3は近い性能であり、Metaは長年の蓄積でOSを安定化させている。このため、数万円を追加してSteam OSを買う価値があるとは言えない」と述べています。
一方で、PC Gamerは「私が自腹でVRゴーグルを買うとしたら、Steam Frameを選ぶ。VRゴーグルには快適性が最も重要であり、その点においてSteam Frameは完璧だ。私は少数派かもしれないが、Steam Frameの快適さのためなら多少高価でも喜んで支払う」とコメントしています。
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