2026年後半に稼働が始まる予定のAI特化CPU「Vera」について、Linux特化メディアのPhoronixがNVIDIAに招かれてベンチマークテストを実施し、その結果を公開しました。
NVIDIA Vera CPU Benchmarks: Olympus Cores Delivering The Best Performance Ever Seen On ARM Review – Phoronix
https://www.phoronix.com/review/nvidia-vera-benchmarks
PhoronixはNVIDIAからサンタクララの本社に招待され、公開を前提にベンチマークテストを行ったとのこと。
VeraはAIやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向けに設計されたCPUで、Arm製Neoverse-V2コアを使用する前世代のNVIDIA Graceとは異なり、NVIDIA独自の「Olympus」コア設計を採用しています。Veraは88個のOlympusコアを搭載し、FP8精度、空間マルチスレッドによる合計176スレッドをサポート、LPDDR5Xメモリとの組み合わせにより最大1.2TB/sのメモリ帯域幅を提供します。また、Graceと比較して、Veraはコアあたり2MBの2倍のL2キャッシュ、164MBのより大きな統合L3キャッシュを備え、PCIe Gen 6およびCXL 3.1接続をサポートしています。
VeraはRubin GPUを72個とVera CPUを36個搭載したデータセンター向けラック「Vera Rubin NVL72」を通じて提供されるほか、CPUラック向けに単体でも提供されます。
Phoronixが今回のベンチマークテストで使用したのは88コア/176スレッドのフル構成のVeraで、96GB LPDDR5-9600MT/sメモリを8枚搭載。ピークTDP(熱設計電力)は450W、消費電力は約50W以下でした。
コードコンパイルのベンチマークテストでは、テスト対象プロセッサの中でGraceが最も低速で、Veraはデュアルソケット構成でAMDのフラッグシップである5.0GHzのAMD EPYC 9575Fプロセッサとほぼ同等のパフォーマンスを発揮しました。テスト対象となったシングルソケットCPUの中では、Veraが最速でした。
Gem5コンパイルにおけるコアあたりの性能で比較すると、VeraはEPYC 9575Fと9475Fの中間に位置していました。
Node.jsのコンパイル性能は最も驚異的で、大規模なコードベースをGraceの半分以下の時間でコンパイルできました。
Veraは、Node.jsにおけるコアあたりのコンパイル性能で5.0GHz EPYC 9575Fと同率最高を記録しています。
Linuxのカーネルをコンパイルするテストでは、Veraはわずか20秒でコンパイルを完了。テスト対象の中で最速記録を達成しました。
全てのモジュールを搭載したallmodconfig x86_64カーネルビルドにおいて、Veraはコア数/スレッド数の多いデュアルソケットのAMD EPYC 9575Fおよび9755プロセッサにわずかに及びませんでしたが、テスト対象となったシングルソケットソリューションの中では最速でした。
コアごとのビルド性能を見ると、VeraのOlympusコアが最も速いビルド時間を実現していました。
その他の結果は以下から続く一連のページにまとめられています。
NVIDIA Vera CPU Benchmarks: Olympus Cores Delivering The Best Performance Ever Seen On ARM Review – Phoronix
https://www.phoronix.com/review/nvidia-vera-benchmarks/4
NVIDIAは「Phoronixによるシングルソケット版Veraのテストでは、450WのTDPと30W未満のメモリ電力という条件下で、このCPUが卓越した性能を発揮することが示されました。また、コードコンパイル、ファイル圧縮、動画トランスコード、Python、Java、データベース管理に至る幅広いワークロードで世代間性能向上も確認されました。これらはまさに、エージェントやAIファクトリーが日常的に実行しているCPU負荷の高いタスクです」とアピールしました。
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