Linuxにも年齢確認を強制する法案、批判殺到で修正へ – GIGAZINE


メモ


アメリカ・カリフォルニア州で成立した「OSに年齢確認を義務付ける法律」について、LinuxやオープンソースOSを対象外とする修正案が提出されました。ユーザーの生年月日や年齢の入力をOSプロバイダーに求める内容に対してLinuxコミュニティから反発が広がっていましたが、修正法案では「コピー、再配布、改変可能なライセンスで配布されるOS」を除外する文言が追加されたとのことです。

Bill Text – AB-1856 Age verification signals: software applications and online services.
https://leginfo.legislature.ca.gov/faces/billTextClient.xhtml?bill_id=202520260AB1856

California moves to exempt Linux from its upcoming age-verification law after backlash over forcing operating systems to collect users’ ages — amendment proposed by the same lawmaker who wrote the original law | Tom’s Hardware
https://www.tomshardware.com/software/linux/california-moves-to-exempt-linux-from-its-upcoming-age-verification-law-after-backlash-over-forcing-operating-systems-to-collect-users-ages-amendment-proposed-by-the-same-lawmaker-who-wrote-the-original-law

アメリカ・カリフォルニア州で成立した「デジタル年齢保証法(AB 1043)」は、OSのアカウント設定時にユーザーの年齢情報を入力させ、アプリがダウンロードされて起動された際に「13歳未満」「13歳以上16歳未満」「16歳以上18歳未満」「18歳以上」といった年齢区分信号をアプリ開発者へ渡すことをOSプロバイダーに義務付ける法律です。デジタル年齢保証法は2027年1月1日に施行予定で、過失による違反では影響を受けた子ども1人あたり最大2500ドル(約40万円)、故意による違反では最大7500ドル(約120万円)の民事制裁金が科されます。

OSのセットアップ時にユーザーの年齢確認が必須になる法律をカリフォルニア州が導入、LinuxとSteamOSも対象 – GIGAZINE


デジタル年齢保証法におけるOSプロバイダーは「コンピューター、モバイルデバイス、その他の汎用コンピューティングデバイス上のOSソフトウェアを開発、ライセンス供与、または管理する者」と広く定義されています。そのためWindows、macOS、Android、iOSだけでなく、LinuxディストリビューションやValveのSteamOSも対象に含まれる可能性が指摘されていました。

しかし、多くのLinuxディストリビューションはAppleやGoogleのような単一企業が管理する商用プラットフォームではなく、ボランティアやコミュニティによって維持されています。ユーザーアカウント機能や利用状況を送信する仕組みを持たないLinuxディストリビューションも多く、年齢確認のためだけに新しい個人情報収集システムを実装する必要が出てくる点が問題視されていました。批判者たちは「デジタル年齢保証法の文言は広すぎるため、オープンソースOSを年齢確認プラットフォームに変えることを技術的に強制しかねない」と主張していました。

2026年3月には、デジタル年齢保証法にわざと従わないことを目的とした「Ageless Linux」が登場したことも話題となっていました。Ageless LinuxはDebianをベースにしたLinuxディストリビューションで、ユーザーの年齢情報を収集しないことを掲げています。開発者のジョン・マッカードル氏は、年齢確認システムを実装する資金や人員があるのは大企業だけであり、小規模な開発者やボランティア中心のLinuxディストリビューションにとってデジタル年齢保証法は大きな負担になると述べています。

OSセットアップ時の年齢確認を求める法律にわざと違反している「Ageless Linux」とは? – GIGAZINE


こうした反発を受け、カリフォルニア州議会ではデジタル年齢保証法を修正する法案「AB 1856」の審議が進められています。AB 1856の2026年5月18日版では、OSプロバイダーの定義から「受領者がソフトウェアをコピー、再配布、変更できるライセンス条件でOSまたはアプリを配布する人や団体」を除外する文言が追加されました。つまり、コピーや再配布、改変が認められるオープンソースライセンスで配布されるOSは、デジタル年齢保証法のOSプロバイダーに該当しない方向です。

一方で、AB 1856はデジタル年齢保証法そのものを廃止する法案ではありません。修正案はOSプロバイダーの定義を狭める内容であり、独自のアプリストアや商用アプリ配信基盤を持つOSは引き続き対象になる可能性があります。

PCハードウェア系メディアのTom’s Hardwareは「カリフォルニア州の議員らがLinuxやオープンソース開発者からの反発を受け、デジタル年齢保証法の適用範囲を後退させつつある可能性がある」と述べています。一方「SteamOSのようにLinuxをベースにしながら独自の商用アプリ配信基盤と強く結びついたOSが対象外になるかどうかは不透明」としており、「商用プラットフォームとオープンソースOSの線引きが今後の焦点になる」と報じました。

この記事のタイトルとURLをコピーする


ソース元はコチラ

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事