2026年5月、3DプリンターメーカーのBambu Labが法的措置をちらつかせたことを受けて、民間人が開発した3Dプリンター関連の独自ツールがGitHubから削除されました。ところが、企業によるユーザーの所有権侵害に反対する非営利団体のFULU Foundationが、自分たちのGitHubアカウントでこのツールを再公開しています。
GitHub – FULU-Foundation/OrcaSlicer-bambulab · GitHub
https://github.com/FULU-Foundation/OrcaSlicer-bambulab
Bambu Labは中国やアメリカに本拠を置く3Dプリンターメーカーであり、個人用のデスクトップ3Dプリンターに特化しています。開発者のパヴェル・ヤルチャク氏は、Bambu Labの3Dプリンターとスライサーソフト・Orca Slicerを直接制御するための独自ツール「OrcaSlicer-bambulab」をGitHubで公開していました。
ところがこのツールについてBambu Labは、「Bambu Labになりすましている」「認証制御を回避している」「利用規約に違反している」「リバースエンジニアリングを行っている」などと主張し、ヤルチェク氏に法的措置をちらつかせました。
ヤルチャク氏はBambu Labが主張した内容を否定しており、具体的に問題となる部分とその法的根拠をBambu Labに求めたものの、満足のいく回答は得られなかったとのこと。また、ヤルチャク氏がBambu Labの製品群を連携・管理するために使用していたBambuNetworkのパスを削除しました。
結局ヤルチャク氏は、「OrcaSlicer-bambulab」のGitHubリポジトリからコードや関連資料を削除する羽目に追い込まれました。ヤルチャク氏はリポジトリに残した声明で、ツールはBambu LabのコードのAGPLライセンスに従って作成されており、Bambu Labの主張には正当性がないと主張。Bambu Labおよびユーザーのためにツールを開発してきた自分に対し、「Bambu Labのインフラにとって危険な人物」との汚名を着せるのは不条理なことだと非難しています。
GitHub – jarczakpawel/OrcaSlicer-bambulab: This is the end…. · GitHub
https://github.com/jarczakpawel/OrcaSlicer-bambulab
一連の事態を受けて、「修理する権利」を守るために活動しているYouTuberのルイス・ロスマン氏がヤルチャク氏にリポジトリの復活を呼びかけたほか、金銭的な支援を行うことも表明しています。
3Dプリンターメーカーから圧力をかけられた開発者に対して「修理する権利」のため戦うルイス・ロスマンが費用支援を約束、クラウドファンディング呼びかけも – GIGAZINE
そんな中、非営利団体のFULU Foundationが、自分たちのGitHubアカウントで「OrcaSlicer-bambulab」のリポジトリを作成しました。このリポジトリにはすでにヤルチャク氏が削除したコードなどが含まれており、BambuNetworkの完全なサポートも復元しているとのことです。
FULU Foundationは企業による所有権侵害に抵抗するべく、ロスマン氏らが立ち上げた非営利団体です。FULU Foundationはユーザーが購入した製品を企業側がインターネット経由で制御したり、デジタルロックをかけて使えなくしたり、ユーザープライバシーを侵害したりすることに反対しています。
ロスマン氏は自身のYouTubeチャンネルに投稿した動画で、一連の経緯について説明しました。
Bambu Lab: I’m reposting your code & I dare you to sue me. – YouTube

ロスマン氏がヤルチャク氏への支援を表明した後、2人は「OrcaSlicer-bambulab」の件について話し合ったとのこと。ヤルチャク氏自身は長い法廷闘争に興味はなく、ただBambu LabがAGPLライセンスに違反していることを指摘したいだけだったそうです。
そこでロスマン氏は、自身の非営利団体を通じて「OrcaSlicer-bambulab」のコードを再配布することに決めました。
ロスマン氏は修理する権利について活動する中で、過去にもさまざまな大企業から法的措置をちらつかされてきました。しかし、多くのケースで自分たちの正当性が認められており、どんな弁護士もBambu Labの弁護はしたがらないだろうと主張。
「あなたの訴訟はゴミであると確信しています。どうぞ私のGitHubリポジトリを削除してみてください。差し止め命令書を送ってください。通知を楽しみに待っています」とロスマン氏は述べました。
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