GitLabが、AIエージェント時代に向けた大規模な組織再編と新戦略「Act 2」を発表しました。発表によると、GitLabは拠点を置く国の数を最大30%減らし、一部部門では管理階層を最大3層削減し、研究開発部門を約60の小規模チームへ再編する計画です。GitLabは人員削減で浮いた資金の大半を、AIエージェント時代に向けた技術開発へ再投資すると説明しています。
GitLab Act 2
https://about.gitlab.com/blog/gitlab-act-2/
AIエージェントは、単に文章やコードを出力するAIではなく、目標に沿って作業を分解し、複数のタスクを自律的に進めるソフトウェアのことです。GitLabは発表の中で、「人間だけがコードを書く」開発から、「AIエージェントがコード作成、レビュー、デプロイ、修復を行い、人間が設計や判断を担う」開発へ移る未来を想定していると述べています。
AIエージェントが大量のマージリクエストを作成し、24時間パイプラインを実行し、人間のチームを大きく上回る速度でコミットを積み上げる時代には、従来の開発基盤では対応できないとGitLabは見ています。そこでGitLabは、Git・CI/CD・セキュリティ・監査・ポリシー管理をAIエージェントが当たり前に使う前提で、開発基盤を再設計する方針を掲げました。
技術面でGitLabが重視しているのは、AIエージェントを単独で動かす機能ではなく、開発ライフサイクル全体を制御する仕組みです。複数のAIエージェントへ作業を割り当て、作業状況を管理し、作業の競合を解決し、必要な場面では人間による判断を挟む仕組みを作ることで、単なるコード生成ではなく、企業で実際に使えるソフトウェア開発基盤を目指すと述べられています。
また、GitLabは社内文化の見直しにも言及。「Collaboration」「Results」「Efficiency」「Diversity, Inclusion & Belonging」「Iteration」「Transparency」の頭文字を取った従来の価値観フレームワーク「CREDIT」を終了し、新たに「品質を伴うスピード」「オーナーシップ意識」「顧客成果」という3つの運用原則を掲げました。AIエージェントで自動化できる作業は自動化し、人間は顧客理解、設計判断、品質管理のような重要な判断に集中する方針です。
今回の発表において、CEOのビル・ステープルズ氏は再編が不安を生むことを認めたうえで、「一度だけ、正しくやりたい」と述べています。再編後のチームこそがAct 2を担うものであり、従業員が次の変更に身構え続けるような状態にはしたくないと説明しました。
GitLabは、希望退職の受付期間も設けています。従業員は、Act 2の方向性を踏まえたうえで、GitLabが次のキャリアにふさわしい場所ではないと考える場合、2026年5月18日までにマネージャーやディレクターへ相談し、地域の要件が許す場合は退職パッケージを申請できます。ただし、個別事情や地域ごとの法的要件があるため、申請はケースごとに審査されるとのこと。
一方で、GitLabは従業員に対して「残ってほしい理由」も説明しています。再編後は従業員体験を改善し、より小さく権限を持ったR&Dチームで働けるようにするほか、対象者には給与の10%を目標とする現金ボーナス制度を新設する予定です。また、社内の摩擦や承認の手間を減らし、AIエージェント時代の大きな技術課題に取り組める環境を作るとしています。
顧客に対してGitLabは、サポート、ロードマップ上の約束、契約条件に変更はないと説明しています。一方で、料金体系については、従来のサブスクリプションに加えて、AIエージェントが実行した作業量に応じる従量課金を組み合わせる方向です。
GitLabのAct 2は、AI機能を既存サービスへ追加するだけの発表ではなく、AIエージェントがソフトウェア開発の中心的な役割を担う時代に向けて、会社組織、開発基盤、料金体系、社内文化をまとめて作り替える計画です。ステープルズ氏は、GitLabが顧客へのサービス、製品イノベーション、株主価値の創出を通じて、AI時代の開発基盤としての価値を証明していくと述べました。
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