2026年1月6日から開催されたテクノロジー見本市「CES 2026」では、脚が生えたロボット掃除機やコンピューターを内蔵したレゴブロック、充電不要のキーボード&マウスのコンセプトなど、次世代のテクノロジーが数多くの企業から発表されました。魅力的な製品ばかりですが、一方で本当に消費者の役に立つのか分からない製品もあるとして、消費者保護団体が「テクノロジー業界における最も懸念される製品:Worst in Show」を選び出しました。
Worst in Show: Calling out Tech’s Troubling Trends
https://www.worstinshowces.com/
“Worst in Show” Returns at CES 2026, Calling Out Gadgets That Make Things Worse – iFixit
https://www.ifixit.com/News/115344/worst-in-show-returns-at-ces-2026-calling-out-gadgets-that-make-things-worse
Annual ‘Worst in Show’ CES list released | AP News
https://apnews.com/article/ces-worst-show-ai-0ce7fbc5aff68e8ff6d7b8e6fb7b007d
Worst in Showの選出に協力したのは、電子フロンティア財団やiFixit、SecuRepairsといった消費者保護団体です。
Worst in Showは「プライバシーが最悪で、安全性が最も低く、修理が最も難しく、持続可能性が最も低いガジェット」に焦点を当てたもので、「その製品はどれほど悪いのか」「革新的に悪いと言えるか」「その技術が広く採用された場合の世界的な影響は何か」「過去の類似技術と比べてどれほど悪化したのか」「マイナス面はプラス面をどれほど上回っているのか」という5つの質問を考慮して製品を選んでいるそうです。各部門の製品は以下の通りです。
◆総合最悪賞:Samsung Family Hub スマート冷蔵庫
最も最悪な製品に選ばれたのはSamsungのスマート冷蔵庫「Family Hub」です。Family Hubは独自の音声アシスタントであるBixbyを搭載しており、ユーザーの「ドアを閉めて」といった声を聞いて冷蔵庫のドアを開け閉めできるのが特徴。CES 2026では、GoogleのAI「Gemini 3」と連携したシステムを新たに導入し、ユーザーが何を出し入れしたのかといった情報を記録できるようになることが発表されました。
ところが、こうした機能は審査員から「冷蔵庫が果たすべき役割は冷やすことだけ」と一蹴されてしまいました。「修理する権利」を擁護する団体のThe Repair Associationは、「音声操作、壊れやすいアクチュエーター、外部接続に依存する機能は、製品の故障、ユーザーへの不満、そして修理費用の無駄につながる新たな要因を生み出しています」と指摘しました。
◆プライバシー賞:Amazon Ring AI
Amazonは複数のセキュリティ関連製品を発表し、他人のデバイスと自分のデバイスをつないで広範囲の監視を行うシステムにもいくつかの機能を加えました。
Amazonの機器を他人の機器とつなぐ「Amazon Sidewalk」が日本にも展開予定、そのほかドア・窓・ガラス割れセンサーなどのホームセンサーを刷新 – GIGAZINE
こうした製品に対し、電子フロンティア財団は「プライバシー侵害を倍増させ、監視が強まれば必ず安全になるという誤解を助長しています」と指摘しました。
◆セキュリティ賞:AIフィットネストレーナー搭載Merach UltraTread トレッドミル
Merachが公開したトレッドミルは会話型のAIコーチを搭載しており、ユーザーと会話できるだけでなく、心拍数の変化に基づいて速度や傾斜を積極的に調整できるのが特徴です。
この製品に対しSecuRepairsは「インターネットに接続することと、大規模言語モデルの機能により、デバイスが生体情報やユーザーの行動といった機密データを収集する際のリスクが高まります。特に、Merachがプライバシーポリシーで『インターネットや情報技術にはセキュリティリスクがつきものであり、お客様の個人情報の安全性を保証することはできません』と自ら認めている点が最悪です。ネットワークに接続して高価値のデータを収集するように設計された製品にとって、これは許容できる基準ではありません」とコメントしました。
◆環境影響賞:ロリポップ・スター
ロリポップ・スターは骨伝導を利用した噛むと音楽が流れるキャンディです。「味わえる音楽」「最長60分間再生可能」とうたっていますが、中の電池は充電式ではなく使い捨てなので「環境面で最悪」と評価されています。
Lollipop Star at CES 2026 – YouTube

◆修理容易性賞:Samsung Family Hub スマート冷蔵庫
総合最悪賞と同時受賞です。iFixitは選出の理由として「過剰設計により故障箇所が増え、実質的な耐久性や保守性が確保されていない」という点を挙げました。
◆エンシット化(Enshittification)賞:ボッシュ eBike Flowアプリ
エンシット化とは、企業が製品の収益性を追求してユーザーの選択肢を狭めるようになり、製品やサービスが時間の経過とともに劣化していくプロセスのことを指す造語です。ボッシュのeBike Flowアプリでは、電動自転車のバッテリーをロックすることで仮に盗まれても動作しないようにする機能を利用できますが、サブスクリプションが必須になっています。こうした機能を指して「日常的なパーツの修理さえ許可制に変わってしまう」と評価されました。
◆誰が求めてるの?賞:ボッシュ 800シリーズ パーソナルAIバリスタ
音声アシスタントを搭載したボッシュのパーソナルAIバリスタは「朝、脳が動き始める前に操作したいと願う製品に音声アシスタントやサブスクリプションを組み込んだものです。多くの人はコーヒーメーカーと会話をしたいとは思っていません」と評価されました。
◆ピープルズチョイス賞:Lepro Ami Soulmate
一般ユーザーからの意見をまとめたピープルズチョイス賞には、主に照明器具を販売する中国企業・Lepro製のAIコンパニオン「Ami」が選ばれました。曲面スクリーン上に女性アバターとして表示されるこの製品は「常時稼働の3Dソウルメイト」とうたわれ、眼球運動や声のトーンなどの感情信号を追跡して対話を行うAIですが、カメラとマイクが常時オンになるという点がユーザーの不安を呼び起こしました。
Worst in Showの選出に当たり、iFixitのサステナビリティ担当ディレクターであるエリザベス・チェンバレン氏は「私たちは確かに、ある種の恥をかかせることを意図しています。メーカー各社がこれを刺激として受け止め、次回はより良い製品を作るきっかけにしてほしいと願っています。しかし、特定のメーカーを恥じさせることは私たちの目標ではなく、結果としてメーカー各社が変化を起こすことを期待しているのです」と述べました。
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