Wacomが2025年10月31日にリリースしたAndroidタブレット「Wacom MovinkPad Pro 14」は、お絵描きに長時間集中して取り組めるようなディスプレイ、紙に近い描き心地、起動してすぐにお絵描きを始められる機能などを備えています。そんなWacom MovinkPad Pro 14のAndroidタブレットとしての性能はどれくらいのものなのか、ベンチマークやバッテリー持続時間を測定して持ち運び作業に適しているかチェックしてみました。
Wacom MovinkPad Pro 14 – 液タブ・ペンタブ・板タブはワコムストア (Wacom)【公式】
https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/portable-pads/wacom-movinkpad-pro-14.html
Wacom MovinkPad Pro 14の外観や液晶タブレットとしての特徴は、以下の記事を見るとよく分かります。
お絵描きに特化したWacomのAndroid搭載・PC不要の液タブがプロ向けにパワーアップした「Wacom MovinkPad Pro 14」レビュー、こだわりの性能は? – GIGAZINE
Wacomが2025年7月30日にリリースした「Wacom MovinkPad 11」は、「初めてデジタルで描きたい」に応えた性能となっており、ディスプレイの見やすさや描き心地には優れている一方で、Androidタブレットとしてはあまり高くないスペックでした。一方で、Wacom MovinkPad Pro 14はWacom MovinkPadをエントリー向けだけではなくプロ向けにも展開したもので、メモリやOS、CPUなどが大幅に改善しています。そこで、実際にベンチマークを計測しながら、Wacom MovinkPad Pro 14の結果と過去に計測したWacom MovinkPad 11の結果を比較しながら確認していきます。Wacom MovinkPad 11のベンチマーク計測結果は以下の記事にまとめてあります。
「描くこと」に特化したWacomの6万円台Androidタブレットの基本性能はどんな感じなのかベンチマークやバッテリー持続時間を測定してみた – GIGAZINE
CPU・GPUベンチマークの定番アプリ「Geekbench 6」をWacom MovinkPad Pro 14にインストールしました。Geekbench 6を開くとシステム情報が記載されています。Wacom MovinkPad Pro 14はAndroid 15を搭載しており、CPUはARM ARMv8。CPUコアは3クラスタ構成です。「Run CPU Benchmark」をタップしてベンチマークの計測を開始。
CPUベンチマークを実行した結果、シングルコアのスコアは2016、マルチコアのスコアは5335でした。Wacom MovinkPad 11のCPUベンチマークは2025年8月の計測結果でシングルコアのスコアが725、マルチコアのスコアが2027だったため、大幅に性能が向上していると分かります。
シングルコアのベンチマーク詳細はこんな感じ。
マルチコアのベンチマーク結果詳細はこんな感じ。
Geekbench 6で近いスコアを比較してみると、シングルコアのベンチマーク結果はSamsungのGalaxy S24+(2024年)、マルチコアはGalaxy S23 Plus(2023年)に近いとのこと。
また以下は、GPUベンチマークの計測結果。スコアは9271でした。こちらもWacom MovinkPad 11のスコアは1282だったのと比べると、かなり大きく向上しています。
次に、CPU・2D・3D・メモリ・ディスクの項目ごとに計測できる「PassMark PerformanceTest」でもテストしました。Android版PassMark PerformanceTestをインストールして起動したら、「RUN BENCHMARK」をタップして計測開始。
計測結果は以下の通り。総合スコアは19434で、CPUベンチマークのスコアは9525、メモリは23354、ディスクは251949、2Dグラフィックススコアは49779、3Dグラフィックススコアは77195でした。
ベンチマークの計測結果を、Wacom MovinkPad 11とWacom MovinkPad Pro 14で比較した表が以下。
| Wacom MovinkPad 11 | Wacom MovinkPad Pro 14 | |
|---|---|---|
| システム情報 | OS:Android 14 CPU:ARM ARMv8 (2クラスタ構成) メモリ:8GB ストレージ:128GB | OS:Android 15 CPU:ARM ARMv8 (3クラスタ構成) メモリ:12GB ストレージ:256GB +microSD カード |
| Geekbench 6(シングルコア/マルチコア) | 725 / 2027 | 2016 / 5335 |
| PassMark PerformanceTest | 総合スコア:9801 CPUベンチマーク:4665 | 総合スコア:19434 CPUベンチマーク:9525 |
次に、PCいらずで持ち運びがしやすいAndroid搭載液晶タブレットとして、「バッテリーがどれくらいもつか」という観点で計測してみます。Wacom MovinkPad Pro 14の画面の明るさを最大にして、画面スリープをオフに設定。そして、CLIP STUDIO PAINTをバックグラウンドで起動した状態でYouTubeライブを「音量50%」で流しっぱなしにしてどれくらい連続で稼働できるか計測してみます。計測開始は23時40分。
約3時間経過した頃に50%まで低下しました。
約5時間で残りバッテリー20%まで消費。
バッテリー残量が0になって画面が消えたのは、計測開始から6時間8分後でした。
次に、充電にかかる時間も計測してみます。充電開始は19時20分。充電には付属のUSB-Cケーブルを使い、ACアダプターで電源から充電しています。使用したACアダプターはGoogleのTC G1000‑USで、最大出力は9 V×2 Aの18W。
開始から17分で10%まで充電されたので、以降はディスプレイを常時オンにした状態で、設定アプリのみ起動した状態で充電を続けます。
充電開始から1時間で28%まで充電されました。
80%まで充電するには3時間8分かかりました。バッテリー保護機能を使うと、バッテリー残量が80%になると充電を停止します。今回はバッテリー保護機能をオフにして100%まで充電していきます。
95%までは2~3分で1%ずつ増えていきましたが、96%くらいから1%充電されるごとの時間が4~5分に増えていました。最終的に100%になったのは23時44分で、充電開始から4時間24分かかりました。
また、タブレットを長時間使用していた時の発熱も、持ち運びに適しているかどうかで気になるポイントです。室温20度くらいの部屋で約3時間連続でWacom MovinkPad Pro 14を使った後にサーモカメラ「FLIR ONE Pro」で温度測定したところ、表面は最も熱くなっているところで23.8度と、触ってもほんのりあたたかい程度でした。
裏面も表面とほぼ同じ程度の熱さで、負荷をある程度かけ続けてもあまり熱さが気になりませんでした。
Wacom MovinkPad Pro 14は2025年10月31日の発売で、ワコムストアの価格は税込14万4980円。Amazonでも購入可能で、価格はワコムストアと同じ税込14万4980円です。なお、Wacom MovinkPad Pro 14にはCLIP STUDIO PAINT DEBUTの1年ライセンスと、CLIP STUDIO PAINT EXの3年ライセンスが付属しているため、初めてデジタル作画に挑戦したいという人やエントリーモデルからプロ向けに乗り換えたいという人も、アカウント登録すればすぐに利用可能です。
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