Googleがドイツの裁判所から、価格比較サイトに対して市場における支配的地位を乱用したとして、合計5億7200万ユーロ(約1030億円)の損害賠償を支払うよう命じられたことが明らかになりました。
Google must pay German price comparison platform 465 mln euros in damages, court says | Reuters
https://www.reuters.com/legal/litigation/google-must-pay-german-price-comparison-platform-465-mln-euros-damages-court-2025-11-14/
German court rules Google must pay €572M for violating antitrust rules in price comparison sector | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/11/14/german-court-rules-google-must-pay-e572m-for-violating-antitrust-rules-in-price-comparison-sector/
Googleは2002年から独自のショッピング機能であるGoogleショッピング(2010年まではFroogle)を提供しています。Google検索の検索結果ページにおいて、他社の価格比較サイトよりもGoogleショッピングのコンテンツを優先的に表示することで、市場における優越的な地位を濫用したとして、ドイツで訴訟を提起されていました。
この訴訟において、ドイツの裁判所はGoogleが市場における支配的地位を濫用したという判決を下しています。これにより、Googleは価格比較サイトであるIdealoに4億6500万ユーロ(約840億円)、同じく価格比較サイトのProductoに1億700万ユーロ(約190億円)の損害賠償を支払うよう命じられました。なお、Googleは今回の判決に対して控訴可能です。
今回の判決を受け、ドイツの多国籍メディア企業であるAxel Springer SEの子会社であるIdealoは、今後もGoogleに対する訴訟を継続すると発表しています。Idealoの共同創業者であるアルブレヒト・フォン・ゾンターク氏は、「市場の濫用は必ず結果を伴うべきであり、罰金や損害賠償の支払いを課せられているにもかかわらず儲かるビジネスモデルはあってはなりません。そのため、我々は戦い続けます」とコメント。IdealoはGoogleに対し、市場濫用の罪で訴訟を提起し、利息を含めて33億ユーロ(約5930億円)の支払いを求めています。
IdealoがGoogleに対して多額の損害賠償を求める背景には、Googleが価格比較サイトよりもGoogleショッピングのコンテンツを検索結果ぺージで優位に表示したとして、欧州司法裁判所から24億2449万5000ユーロの罰金を科された訴訟があります。
Googleが市場支配的な地位を乱用して競合ショッピングサービスを潰したとして3000億円以上の罰金を科す2017年の命令を欧州司法裁判所が支持 – GIGAZINE
一方、Googleの広報担当者は今回の判決に対して控訴するとコメント。
また、Googleは2017年にGoogle検索の検索結果ページに表示されるショッピングユニット(商品の画像と価格が見られるボックス)を、Googleショッピングと他社の通販サイトがオークション形式で入札するように変更したことをアピールしています。
Googleの広報担当者は「2017年に行われたアップデートはうまく機能しており、欧州委員会からの介入もありません。ショッピングユニットという救済措置を利用している欧州の価格比較サイトの数は、当時の7サイトから現在では1550サイトにまで増加しています」と述べ、自らの正当性をアピールしています。
なお、GoogleはEUの政策執行委員会である欧州委員会から「広告技術(アドテク)業界における競争をゆがめた」として独占禁止法違反で29億5000万ユーロ(約5000億円)の制裁金を科されたばかりです。
Googleが5000億円超の制裁金を独占禁止法違反でEUから科される – GIGAZINE
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