ValveがSteamOS搭載ゲーミングPC「Steam Machine」・スタンドアローン型VRデバイス「Steam Frame」・ゲームコントローラー「Steam Controller」を発表しました。発表に合わせる形で、複数メディアがVRデバイス「Steam Frame」の試遊レポートを公開しています。
Steam Frame
https://store.steampowered.com/sale/steamframe
「Steam Frame」の端末情報については以下の記事で確認してください。
ニュースサイト・The Vergeのジェイ・ピータース氏は「ほとんどのVRデバイスヘッドセットは新鮮味が失われるとほこりをかぶる存在だったので、二度とVRデバイスには手を出さないと決めていた」と前置きした上で、「Valve本社で新ヘッドセット(Steam Frame)を実際に体験したあとは、その場を離れる前にクレジットカードを出そうかと本気で思った」と絶賛に近い評価を示しています。
The Steam Frame is a surprising new twist on VR | The Verge
https://www.theverge.com/games/816118/valve-steam-frame-vr-headset-streaming-arm-steamos-hands-on
ピータース氏は『Half-Life: Alyx』をSteam Frameでプレイした際、PCからのストリーミングプレイだとはまったく気付かず、有線接続かヘッドセットでネイティブ動作していると感じるほどにスムーズだったと述べました。
VR分野では、ヘッドセット性能の最適化のため、視界中央部分の解像度を上げる一方で周辺視野の解像度を下げる「中心窩(フォービエイテッド)レンダリング」と呼ばれる技術が取り入れられます。
Apple Vision ProのSafariでGIGAZINEを読んでみると中心窩レンダリングがよくわかる – YouTube

ValveはSteam Frameに搭載している技術を「中心窩ストリーミング」と呼称していて、ヘッドセットに内蔵された2基の視線追跡カメラが1秒間に80回以上スキャンを行うことで、ユーザーが注視している領域を可能な限り超高精細・超高画質にしているとのこと。この技術は常時有効・常時稼働なので、ゲーム開発者側による特別な対応は必要ありません。
本社での試遊ということで、ピータース氏のプレイ中にValveスタッフが注視領域を示す四角形を表示してくれましたが、ピータース氏は四角形外の画質が低下していることにはまったく気がつかず、視線を素早く移動させても四角形は遅延なく追従してきたとのこと。
ヘッドセットの重量はバッテリーストラップを含めて440g。従来の「Valve Index」は有線接続が必要でおよそ809gあったため、かなりの進化といえます。
また、箱から取り出したらすぐに使えるのもいいところだとピータース氏は褒めていますが、一方で、「ヘッドセットあり版のSteam Deck」と捉えるには快適性のために性能が犠牲になっている部分があり、PCと接続せずSteam Frame単体で使用する場合にはSteam Deckほどの性能やバッテリー持ちにならないと指摘しています。
このほか、Steam Frameに搭載されている『Hades II』を2D仮想シアターモードでプレイしたところ、Steam DeckやNintendo Switch 2では見たことのない、小さなつかえが複数回発生したとのこと。この現象について、Valveのスタッフが自ら「ヒッチ(引っかかり)が発生している」と指摘したことにピータース氏は驚いたと述べました。
Valveのハードウェアエンジニアであるジェレミー・セレン氏によると、ヒッチはバグなので発売までに解消予定だとのこと。ピータース氏は「現時点では、これらのゲームのパフォーマンスには懸念があり、ヘッドセットにさらに負荷がかかるようなものは試せませんでした」と述べています。
同じくValve本社でSteam Frameを体験した、VR情報ニュースサイト・UploadVRのイアン・ハミルトン氏とデビッド・ヒーニー氏も、おおむね端末としての性能や体験には満足した様子を見せています。
Steam Frame Hands-On: UploadVR’s Impressions Of Valve’s New Headset
https://www.uploadvr.com/valve-steam-frame-hands-on-impressions/
ハミルトン氏は、Steam Frame単体で『Ghost Town』などをプレイしたのち、『Half-Life: Alyx』のストリーミングプレイを軽く体験。単体動作時のプレイ体験を「巨大なSteam Deckのような大きな仮想ディスプレイで実行され、反応がよく、とても素晴らしい」と表現しました。
ヘッドセットは重さを忘れるほどに軽量で、着用していても非常に安定し、「重量が頭全体に広がるようで、メガネかアイマスクのように感じられる」と快適である旨を報告しています。
一方、試遊時間のほとんどを『Half-Life: Alyx』のストリーミングプレイに費やしたヒーニー氏は「これまでに着用したVRヘッドセットの中で最も快適」と絶賛。プレイ自体も「DisplayPortケーブルで接続しているかのような、詳細で安定した画像が表示され、認識できるような遅延もなかった」とのこと。
ただし、ピータース氏の試遊と同じように、一定間隔でのフレームスキップが発生したとのこと。最初のデモルームでは発生せず、2番目のデモルームでのみ発生したことから、端末固有の問題である可能性は低いとヒーニー氏は述べています。
総じて「理想的なワイヤレスVR体験として最適化されたデバイス」だと感じたものの、ヒーニー氏はSteam Frameが「プレミアムヘッドセット」と表現されているにしてはコントラストが低いという不満を示しました。
YouTubeチャンネル「Linus Tech Tips」のライナス・セバスチャン氏も、「ワイヤレスのPCゲーミング用途で使うにしても、荷物を最小限にした外出先でのネイティブゲーミング用途で使うにしても、ソファでくつろぎながら大画面で映画を見るにしても、確かなことは『欲しい』ということ」と、かなりポジティブな評価を下しています。
Every Other VR Headset is Obsolete Now – Steam Frame First Look – YouTube

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