アサヒグループはサイバー攻撃のせいで出荷量が通常の10%に落ち込みライバルビール各社がシェア奪取を狙っている – GIGAZINE


メモ


アサヒグループホールディングスは2025年9月29日、ロシアを拠点とするサイバー犯罪集団「Qilin」によるサイバー攻撃を受けました。この影響を受けてアサヒグループの社内システムが機能停止に陥り、12月の忘年会シーズンを前に出荷量が通常の10%にまで落ち込んでいるとのことです。

Cyberattack Leaves Asahi Struggling as Rival Brewers Gain Ground – Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-11-10/cyberattack-leaves-asahi-struggling-as-rival-brewers-gain-ground


Asahi Cyberattack Cripples Japan’s Largest Brewer
https://thecyberexpress.com/asahi-cyberattack-japan-operations-crippled/

ランサムウェア集団Qilinのサイバー攻撃を受けたアサヒグループでは、国内グループ各社の受注・出荷業務やコールセンター業務に問題が生じ、国内工場の大半が操業停止に追い込まれる事態となりました。

アサヒグループホールディングスへのサイバー攻撃についてランサムウェア集団の「Qilin」が犯行声明を発表 – GIGAZINE


経済紙のBloombergによると、アサヒグループでは注文と出荷を処理していた社内システムが機能停止に陥ったため、対面や電話、そしてFAXによる手作業に切り替えて業務を行っているとのこと。アサヒグループの広報担当者は、この影響で出荷量が通常の10%にまで落ち込んでいると語っています。

スーパードライなどのビールを主力事業とするアサヒグループにとって、12月の忘年会シーズンを目前にした出荷量の減少は大きな打撃です。12月は例年、アサヒグループの売上が最も好調な時期だとのこと。

東京の新橋でBIER REISE ’98というビアホールを経営する松尾氏はBloombergの取材に対し、かつては売り上げの8割がアサヒビールのマルエフだったものの、サイバー攻撃から1週間もたたないうちに在庫が切れ、別の国産メーカーや輸入ビールに切り替えざるを得なくなったと証言しています。

また、東京の上野にある居酒屋・上野市場本店の飯田店長も、スーパードライの入荷が再開される前に一時的にサッポロビールやサントリーのビールに切り替えたと語っています。すでにスーパードライの供給は復活しているものの、ノンアルコールビールやマルエフなどその他の商品は、いまだに在庫切れ状態だそうです。

キリンやサントリー、サッポロビールなどの競合他社もこの機をチャンスと捉えており、ビールディスペンサーやグラスをアサヒビールから自社のものへ切り替えるよう、卸売業者を通じて働きかけています。ひとたびこれらの備品が他メーカーに切り替わると、供給が復活してもアサヒビールに戻すことは難しくなります。市場調査会社のサンフォード・C・バーンスタイン・ジャパンでアナリストを務めるユアン・マクリッシュ 氏は、一連の混乱によってサッポロビールが最も大きな恩恵を受けると予想しています。

すでに日経新聞の販売時点情報管理データ(POSデータ)によると、ビール小売市場トップの座はアサヒビールからキリンに移っているとのこと。キリンは需要の増加を受けて、主力商品の安定供給を確保するために一部業務用商品の出荷を調整しています。サントリーも予想を上回る需要に対応しながら出荷を調整しているほか、サッポロビールは主力の黒ラベルヱビスビールなどの増産体制を整えたと発表しました。

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