受給条件で折り合わず、アメリカ政府への助成金申請を取り下げたPythonソフトウェア財団(PSF)に対し、大量の寄付があったことがわかりました。
PSF Gets a Donor Surge After Rejecting Anti-DEI Federal Grant – The New Stack
https://thenewstack.io/psf-gets-a-donor-surge-after-rejecting-anti-dei-federal-grant/
PSFは2025年1月、連邦機関であるアメリカ国立科学財団による助成金プログラムに申請を行い、狭き門をくぐり抜けて受給対象に選ばれました。しかし、助成金を受け取るにあたって「期間中はDEI(多様性・公平性・包摂性)推進プログラムなどを実施せず、また、今後も実施しないこと」という条件があることが判明。
これに対して、PSFは「プログラミング言語・Pythonを推進・保護・発展させるとともに、Pythonプログラマーによる多様で国際的なコミュニティの成長を支援し推進していく」が価値観の中核であるため、「DEIを推進しない」という条件に同意することはできないとして、申請を取り下げました。
Pythonソフトウェア財団が2億円超の政府助成金プログラム申請を取り下げ、「DEI」が原因か – GIGAZINE
PSFの副事務局長を務めるローレン・クレイリー氏はRedditでこの話題に対して「セキュリティプロジェクト以外の活動まで指示しようとするから、みんなの利益になるはずだったプロジェクトを辞退せざるを得なかったのは、腹立たしい限りです」と胸中を明かしています。
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しかし、助成金を申請しないことにしたPSFの決定への反響はすさまじく、寄付申し込みのページが一時的にタイムアウトするほどだったとのこと。クレイリー氏によれば、申請取り下げを発表した当日だけで300件もの新規の寄付があったとのこと。
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事務局長を務めるデブ・ニコルソン氏は、ニュースサイトのThe New Stackに対し、年間99ドル(約1万5300円)の会費を支払う会員295人の新規登録を含めて15万7000ドル(約2420万円)の支援があったと語りました。
受け取らなかった助成金は2年間で150万ドル(約2億2800万円)なので、その差を埋めるには至っていないものの、クレイリー氏は「財政面でも、コミュニティから支援の動きを感じるという点でも、私たちにとっては非常に大きな意味があります。これほどの支援があるとはまったく予想していませんでした」と述べています。
なお、PSFは今後、ヨーロッパの助成金や企業の利用に連動した収益源、個人寄付プログラムの拡充など、資金調達の拡大を考えているとのこと。ニコルソン氏によると、PythonやPyPIの利用が着実に拡大し、特にPythonがAI分野の成長に不可欠な存在となっている一方で、PSFの資金はほぼ横ばいのままであることから、収益源拡大は不可欠だと語っています。
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