架空のCPU「Ryzen 7 9700X3D」のベンチマークスコアを投稿してニュースで取り上げられてしまった経緯 – GIGAZINE


メモ


CPUの情報を操作できることに気づいたユーザーが、果たしてこの情報がベンチマークソフトに読み取られることはあるのかと試してみたところ、実際に読み取られ、おまけに新製品情報としてニュースに掲載されるまでになってしまったとして、詳細な情報を共有しています。

RedditユーザーのA_Canadian_boi氏が共有したところによると、このユーザーは友人たちとAMDのアーキテクチャ「Zen 5」について議論しており、Linuxで内部情報を編集できることに気づいたとのこと。そして、編集後の情報がベンチマークソフトに読み取られるかどうかをチェックしたそうです。

A_Canadian_boi氏は「Ryzen 7 9700X」のCPU情報を編集して実在しない「Ryzen 7 9700X3D」を作り上げました。結果として、ベンチマークソフトは「Ryzen 7 9700X3D」のスコアを本物としてデータベースに登録してしまったとのことです。

A_Canadian_boi氏が後に「Ryzen 7 9700X3D」を検索してみたところ、TPU、Videocardz、Tom’s Hardware、Notebookcheckといった著名なニュースメディアが「Ryzen 7 9700X3D」について記事を掲載していたことが分かりました。「Ryzen 7 9700X3D」のベンチマーク結果がたった1つしかないにもかかわらずです。

一部のメディアは「現行のウワサでは、Ryzen 7 9700X3DのTDPは120Wで、前世代機と同じ価格帯を狙う」といった根拠のない情報を掲載するなど、行き過ぎた行為も見られたといいます。

さらに、架空の商品であるにもかかわらず、架空の商品画像や商品の販売ページも登場してしまいました。

AMD Ryzen 7 9700X3D Processor – 8 Cores, 16 Threads, 3D V-Cache™, High
https://www.lebanonstores.com/shop-1/amd-ryzen-7-9700x3d-processor-pre-order-8-cores-16-threads-3d-v-cache-high-performance-gaming-cpu


A_Canadian_boi氏は、「単発のオンラインベンチマークを信用しないでください」と呼びかけ、CPUの情報は偽装可能で、ベンチマークの正確性を100%保証する確実な方法はなく、情報をダブルチェックする習慣を持つことが唯一の対策だと話しました。

存在しないCPUのベンチマークテストに自社ソフトを使われたPassMark Softwareは、「当社のコンテンツは主にコミュニティから提供されたものですが、結果を偽造しようとする人が時折見られます。対策として自動・手動によるチェックを実施しています。しかし、一部のメディアは当社のコンテンツを自動スクレイピングして結果を掲載しているようです。当社のウェブサイトに掲載される新しいCPUのリストには、大量のサンプルが届くまで『誤差が大きい』という警告が自動的に表示されます。Ryzen 7 9700X3Dの場合もそうでしたが、特ダネを急いで入手しようとするあまり軽視されてしまったようです。サンプルの提出数が少ない新しい結果には疑念を抱くべきです」と注意を促しました。

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