
OpenAIは2025年11月6日に、10代の若者によるAIの利用に関する安全基準の提案書である「Teen Safety Blueprint」を発表しました。これは、OpenAIがAIツールを責任を持って構築するためのロードマップであり、10代の若者によるAI利用基準を設定しようと取り組む政策立案者にとっての実践的な出発点となるもので、年齢に応じた設計、意義のある製品保護、継続的な研究と評価といった、10代の若者向けにAIがどう機能すべきかを定義するのに役立ちます。
Introducing the Teen Safety Blueprint | OpenAI
https://openai.com/index/introducing-the-teen-safety-blueprint/
Exclusive: OpenAI unveils blueprint for teen AI safety standards
https://www.axios.com/2025/11/06/openai-blueprint-teen-ai-safety-standards
OpenAIは、AI企業が従うべき項目として以下の5つを提案しています。
1:プラットフォーム上の10代を特定して年齢に応じた対応をすること。
2:自殺や自傷行為の描写、親密なコンテンツや暴力的なコンテンツを禁止するなどして未成年者へのリスクを軽減すること。
3:ユーザーの年齢に疑いがある場合は18歳未満向けの体験をデフォルトにすること。
4:家族が子どものアカウントを管理できる保護者向けコントロールを提供すること。
5:若者とAIに関する最新の研究に基づいた機能を組み込むこと。
加えてOpenAIは、若年ユーザー向けの保護措置を強化したり、積極的な通知機能を備えた保護者による管理機能を導入したり、ユーザーが18歳未満かを判断してChatGPTの体験を適切に調整するための年齢予測システムの構築を進めたりなど、規制が追いつくのを待たずにこのフレームワークを自社製品に導入していると説明しています。
OpenAIは、自社の安全対策がいまだ継続中であることを認めつつ、保護者や専門家と共に学びながら、責任を持ってAIを構築し、継続的に改善していくとしました。

ニュースメディアのAxiosは、OpenAIには政策立案者にアピールすることで批判を先取りし、10代の若者の利用に関する規範を形成しようとする狙いがあると見ています。また、その背景には、アメリカの各州でAI安全法が検討されたり、未成年者向けチャットボットを禁止する法案が上院議員によって提出されたりしている動きがあるとも指摘しました。
また、チャットボットと対話した若者が自殺したとされる訴訟が注目を集める中、OpenAIは若年ユーザーの安全への対応について厳しい視線を向けられている状態ですが、安全フレームワークが要求される学校へのAI導入を推進することで、ユーザー層を拡大しようともしているとAxiosは指摘しました。

さらにAxiosは、プラットフォームにおける年齢確認は非常に難しく、子どもたちが簡単に回避できてしまうという課題も挙げています。また、ヨーロッパのデジタルサービス法(DSA)のようなより厳しい要件に直面する可能性もあるため、安全対策を早期に組み込むことは企業にとって有益であるとも分析しました。
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