Googleが表明した「Androidのすべてのアプリ開発者の身元確認を行う」という方針について、代替アプリストアのF-Droidが反発している件で、Googleが追加で明らかにした「サイドローディングはなくならない」という言葉はまったくもって嘘だと、F-Droidが重ねて批判しています。
What We Talk About When We Talk About Sideloading | F-Droid – Free and Open Source Android App Repository
https://f-droid.org/2025/10/28/sideloading.html
2025年8月、Googleは「開発者認証機能」による全アプリ開発者の身元確認を行う方針を打ち出しました。理由としては「マルウェアやスパイウェアなどユーザーに不利益をもたらすアプリが含まれるリスクを抑える」ということが挙げられています。
Androidにインストールされる全アプリの身元を確認する「開発者認証機能」をGoogleが導入 – GIGAZINE
これに対して、オープンでフリーなアプリだけを配布している代替アプリストアのF-Droidは、開発者認証の義務化はF-Droidをはじめとするフリー・オープンソースアプリ配布の形が終わってしまうと、強く反発。
アプリ配布サイトのF-DroidがGoogleの開発者登録義務化に猛反発 – GIGAZINE
このため、GoogleはAndroid開発者ブログで疑問に答える記事を公開しました。
Android Developers Blog: Let’s talk security: Answering your top questions about Android developer verification
https://android-developers.googleblog.com/2025/09/lets-talk-security-answering-your-top.html
記事の中でGoogleは開発者認証機能の導入について、「サイドローディングがなくなることを意味しますか?」という問いを立てて「絶対にありません」と否定。「サイドローディングはAndroidの基本であり、なくなることはありません。開発者認証要件は、ユーザーと開発者を悪意から守ることを目的としていて、選択を制限するものではありません。アプリをダウンロードする場合に、アプリをどこで入手したかに関係なく、アプリを公開したと主張する開発者のものであることを確認したいと考えています。認証済みの開発者は、サイドローディングや好みのアプリストアを通じて、ユーザーにアプリを直接配布するのと同じ自由度を持ちます」と述べました。
F-Droidは、Googleの声明に対して再反論を行っています。
「サイドローディングはなくならない」というGoogleの主張に対し、F-Droidは「開発者認証は、個人が所有する端末で動かすアプリを選ぶ手段を、事実上奪うもの」と述べています。また、「サイドローディング」とは、Wikipedia記載の定義だと「ベンダーの認証を受けていないソースからアプリを転送すること」となっているほか「公式ではないソースからアプリを転送・インストールすること」を指すため、新たな仕組みになってGoogleが開発者認証を行うようになると、シンプルに「サイドローディング」の定義を満たさなくなると指摘しました。
また、消費者としての視点では、Googleが同意なくOSアップデートを強制適用し、インストールしたアプリのどれが信用できるかをGoogleが判断することになると言及。
開発者視点では、Googleの承認なくアプリを開発して身内やコミュニティで共有することができなくなると述べ、AndroidがiPhoneと差別化されていた点であり優位な点でもあった「オープン」を、エコシステム内で十分な力を得たGoogleは平然と放棄できると確信していると指摘しています。
F-Droidは「人類の半数以上がAndroidスマートフォンを使用していますが、スマートフォンを保有しているのはGoogleではなく、あなたです。誰を信頼するか、ソフトウェアをどこから入手するかを決める権利はあなたにあります」と提言しています。
この記事のタイトルとURLをコピーする
ソース元はコチラ
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。



