人工衛星やロケットの破片が宇宙空間を漂う「スペースデブリ」は、運用中の人工衛星や宇宙ステーションなどに衝突する事故が発生するなど、大きな事故につながる懸念があります。そんなスペースデブリの問題と危険性、現在行われている対策などについて、教育系YouTubeチャンネルのTED-Edがムービーにまとめています。
宇宙開発が始まって以来数十年間、宇宙飛行士が活動中に紛失した工具、ロケットの使用済み燃料タンク、活動を停止したり壊れたりした人工衛星など、無数のスペースデブリが宇宙空間に放たれてきました。 地球の周りには機能していない人工衛星が2600基、モニターよりも大きなオブジェクトが1万個、りんごよりも大きなオブジェクトが2万個、ビー玉サイズのオブジェクトは50万個、追跡不能なほどに小さなオブジェクトは1億個も存在すると言われており、将来の宇宙探索を阻害するほどの危険性があると懸念されています。
スペースデブリのほとんどは大気圏で燃え尽きるため、地球上に落下してくることはありません。それでも、人工衛星の破片が燃え尽きずに地球に落下してくる事故はしばしば発生しており、スペースデブリの数が無数に増えるほど、その危険性は高まっていきます。
スペースデブリの特に大きな問題のひとつが「ケスラーシンドローム」です。ケスラーシンドロームとは、スペースデブリとなった人工衛星同士が衝突したり、スペースデブリが活動中の人工衛星に衝突したりすることで、スペースデブリ同士がより細かい数千個の破片のデブリとなって自己増殖することを指します。

人工衛星を打ち上げる度に、切り離されるロケットの部品や燃料など、多くのスペースデブリが発生し、ケスラーシンドロームの懸念も高まります。そのような問題を少しでも解消するため、1回の打ち上げで100基以上の衛星を一気に打ち上げるシステムが研究されたり、NASAは一度打ち上げた人工衛星を安易に放棄することなく燃料補給や検査、修理を行って継続して使用する取り組みをしていたり、寿命が来た人工衛星が自動的に地球に再突入して大気圏で焼失するように設計したりと、スペースデブリを増やさない工夫が考えられています。

スペースデブリを直接除去する方法としては、巨大なレーザー施設を宇宙空間に建設して宇宙ゴミを地球の周回上から吹き飛ばす方法や、ヨーロッパの航空宇宙大手「エアバス」が開発しているスペースデブリを突き刺して回収させる銛(もり)のような装置、SFチックなトラクタービームでスペースデブリを引き寄せる方法など、さまざまな方法が模索されています。

スペースデブリを出さない工夫や除去する技術などの研究は進んでいますが、スペースデブリのうち約100万個は直径1cmほどの破片であり、そのような小さいスペースデブリを補足して除去することは困難です。そのような小さな破片でも、運用中の人工衛星に深刻な損害を与えるのに十分なエネルギーを持っており、より細かい清掃を行う技術や、ケスラーシンドロームを引き起こさない注意が今後さらに必要と考えられています。

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