AppleがiOS上で「代替ブラウザエンジン」として認められるために達成すべきと定めた基準をついに「Ladybird」がクリア – GIGAZINE


Appleは欧州連合(EU)において、iOSやiPadOS向けのウェブブラウザアプリやアプリ内ブラウジングエクスペリエンスで、Appleが中心となって開発しているWebKit以外の代替ブラウザエンジンを使用することを認めています。この代替ブラウザエンジンとなるための基準を、オープンウェブブラウザの「Ladybird」がついに満たしたことが明らかになりました。

Ladybird
https://ladybird.org/

AppleはこれまでiOSやiPadOS上で動作するウェブブラウザに対して、AppleがSafariで採用しているWebKitを使うことを強制してきました。これについては、Microsoftなどのサードパーティーブラウザアプリを開発する企業から批判の声が挙がっています。

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by iphonedigital

しかし、2024年1月にAppleはEUでのデジタル市場法施行を受け、Webkit以外の代替ブラウザエンジンを認めることを発表。Appleは「特定の基準を満たし、継続的にプライバシーおよびセキュリティ要件(新たな脅威や脆弱性に対処するためのタイムリーなセキュリティアップデートを含む)を順守することを約束した場合のみ、代替ブラウザエンジンとしての使用が承認される」としています。

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このような代替ブラウザエンジンとして採用されることを目的に開発されているオープンウェブブラウザが「Ladybird」です。Ladybirdは、GitHubの創設者であるクリス・ワンストラス氏と、オープンソースPC向けOS「SerenityOS」の開発者であるアンドレアス・クリング氏が立ち上げた非営利団体の「The Ladybird Browser Initiative」が開発しています。

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クリング氏は2025年10月5日に自身のX(旧Twitter)アカウントを更新し、「やった!Ladybirdがweb-platform-tests(WPT)で90%の閾値を超えました!これはAppleから『iOSの代替ブラウザエンジン』として認められるために達成しなければならない任意の基準でもあります。チームがここまで進めてくれたことをとても誇りに思います」と投稿しています。なお、WPTはHTML・CSS・JavaScript・APIなどのウェブ標準仕様が、ブラウザ上で「期待通り動作するか」を検証するためのテストです。


また、クリング氏は「過去365日間の様子はこんな感じでした。突然『ホッケースティック』のように数値が2倍の改善を遂げたわけではありません!ゆっくりと着実に改善してきており、いくつかの厄介な後退すらありました」と述べ、LadybirdがWPTにおけるパフォーマンスを急に改善したわけではないと説明しました。


なお、クリング氏はLadybirdがWebKitの代替ブラウザエンジンとして認められたとしても、「EUでのみ提供されるアプリの亜種に対してのみ、代替ブラウザエンジンとしての権利を得ることができるという意味だと推測しています」と言及しています。

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