箱庭ゲーム「マインクラフト」では、ゲーム内の素材であるレッドストーンを使ってさまざまな回路を構築でき、これまでにもワープロや記憶装置などをマインクラフト内で再現することに成功しています。今回、なんとマインクラフト内で動作するAIチャットボットを構築することに成功したというムービーが公開されました。
I built ChatGPT with Minecraft redstone! – YouTube

今回ムービーを公開したSammyuri氏は、以前にマインクラフト内で周波数1HzのCPUを設計した人物です。
マインクラフトで1HzのCPUを作り上げた猛者が登場、テトリスや関数のグラフ化も可能 – GIGAZINE
ChatGPTに「マインクラフトであなたを構築することは可能ですか?」と質問
「はい、絶対できますよ!」と答えるChatGPT。
そして、sammyuri氏は本当に構築してしまいました。
sammyuri氏の前にあったのは、巨大なノートPC型の端末。
そして、AIチャットボットを構築した回路本体はこんな感じ。
内部を見ると、緻密にブロックが組まれています。
レッドストーン回路が使われているのはわかりますが、あまりにも複雑なので、見てもどういう構造になっているのかは理解できません。
sammyuri氏が構築したAIチャットボットの名前は「CraftGPT」
入力された文章をトークン単位に分割するトークナイザー
トークンの位置情報をベクトルで表現するPositional Encoding
トークンの特徴量を作成するToken Embedding
レイヤー正規化を行うLayer Norm
行列乗算を行うMatrix Multiplier
アテンション処理を行うMulti-Head Attention
AIモデルの短期記憶をつかさどるKV Cache
そして、さらにLayerNorm。
960×240のMatrix Multiplier
正規化線形関数を行うReLU
240×960のMatrix Multiplier。ここまでが1セット。
これらのレイヤーが6層。
Unembedding Matrix Multiplier
次に来るトークンを予想するNext token selection
そして、トークンを出力。
端末の画面にテキストが表示されます。
CraftGPTでは、基本的な会話が可能。ただし、動画はあくまでも早送りしたもので、実際は回答にかなりの時間がかかる模様。
単に単語を並べるだけでなく、基礎となっている知識も有しています。
同じ質問に対して、シード値に応じて回答が異なるようになっています。
sammyuri氏はCraftGPTを実行できる、レッドストーン回路の実行を高速化するサーバー・MCHPRS版のワールドデータをGoogleドライブに、CraftGPTのエミュレーターをGitHubで公開しています。なお、sammyuri氏は「サーバーをロードするには少なくとも32GBのRAMを搭載したマシンが必要ですが、理想的には64GB以上が望ましいでしょう」と述べています。
GitHub – sammyuri/craftgpt: Small language model built in Minecraft.
https://github.com/sammyuri/craftgpt
なお、Windows PC版「マインクラフト」は、Amazon.co.jpだと税込3564円でオンラインコードを購入可能です。
Amazon.co.jp: Windows版 | Minecraft (マインクラフト): Java & Bedrock Edition | オンラインコード版 : ゲーム
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