「DOGE」がいかにめちゃくちゃだったのかを200人以上の連邦政府職員が証言 – GIGAZINE


メモ


アメリカのドナルド・トランプ大統領は2025年1月に大統領に就任すると、アメリカ政府の無駄をなくすことを目的として「政府効率化省(DOGE)」を設立しました。後に仲たがいすることとなるイーロン・マスク氏が率いたDOGEが政府機関にどのような打撃を与えたのかについて、200人以上の連邦政府職員が証言した内容をまとめた記事が話題となっています。

The story of DOGE, as told by federal workers | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=45373102

DOGEはトランプ大統領肝いりの事業として導入され、政府支出を削減するためにさまざまなプロジェクトの見直しや職員の解雇などを進めてきました。しかし、その過程で医療サービス関連の契約を検討する際にエラーだらけのAIツールを使っていたことが判明しているほか、実績として公開した資料が間違いだらけであったことも指摘されており、内部からも反発を受けるなどの問題に直面しています。

また、選挙戦の際は緊密な協力体制を築いたトランプ大統領とマスク氏も対立することとなり、2025年5月にはマスク氏がトランプ政権からの離脱を表明。その後も両者は「イーロンはおかしくなった」「トランプはエプスタインファイルに名前がある」などと批判し合い、トランプ氏がマスク氏の国外追放を示唆するまでの事態となりました。

トランプ大統領がイーロン・マスクの国外追放を示唆、DOGEにマスク氏の調査を求める – GIGAZINE


海外メディアのWIREDはDOGEが政府機関にもたらした混乱や打撃について知るため、数十の機関に所属している200人以上の職員にインタビューを行いました。アメリカ疾病予防管理センターの職員は、「DOGEのことを繰り返し自然災害に例えていましたが、あれは違いました。ただ、目を見開いて混乱した政府職員たちが、書類をあちこちに動かしたり、肩越しに振り返ったりして、イーロンがチェーンソーを持って背後に忍び寄っているかもしれないと疑っていただけなのです」とコメント。

またアメリカ平和研究所の元セキュリティ責任者であるコリン・オブライエン氏は、DOGEとの最初にして唯一の会合は30分間のバーチャル会議だったと証言。DOGEは透明性を約束していたものの、DOGE側は自分たちのカメラをオンにせず、身元どころか部屋の中に何人いるのかすら明かすことはなかったそうで、オブライエン氏は誰と話しているのか知らされないまま会議をする羽目になったとのこと。

さらに、「オフィスへの出勤が義務づけられたものの、急なことで幼い子どもを保育施設に入れることができず、仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれた女性職員が泣き崩れていた」「政府系クレジットカードに支出限度が設けられたせいで女性用トイレのトイレットペーパーが切れ、5カ月にわたって職員がトイレットペーパーを持参する事態になった」「DOGEの無謀な計画に異議を唱えたベテラン上司がいきなり警備員に連れ出された」など、さまざまなエピソードが紹介されています。

WIREDの記事はソーシャルニュースサイトのHacker Newsで大きな話題となっています。あるユーザーは「政府改革のより思慮深いモデル」として、アメリカ合衆国デジタルサービス(USDS)が公開したインタビューを紹介しています

Interviews – U.S. Digital Service Founding Archive
https://usdigitalserviceorigins.org/interviews/


あるユーザーは、DOGEの根本的な問題は無謀で愚かな政府機関の解体ではなく、「世界一の富豪がアメリカ合衆国連邦政府の独自の省庁を買収し、その中で無制限の権力を行使できるようになったこと」だと指摘。DOGEを支持する人々は、仮にジョージ・ソロスやビル・ゲイツが省庁を買収し、政府を意のままに操ることを支持するのだろうかと疑念を呈しました。

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