NVIDIAがIntelの株式約7400億円分を購入、NVIDIAグラフィックス搭載のPC向けSoC「Intel x86 RTX SOCs」やAIデータセンター向けチップの共同開発も発表 – GIGAZINE


メモ


NVIDIAとIntelが、AIインフラおよびパーソナルコンピューティング製品を共同で開発するための提携を発表しました。また、この戦略的提携の一環として、NVIDIAはIntelの普通株を1株あたり23.28ドル(約3400円)で、総額50億ドル(約7400億円)分購入したことも明らかにしました。長年のライバル関係にあった両社によるこの電撃的な提携は、テクノロジー業界全体に大きな影響を与えるものと見られています。

NVIDIA and Intel to Develop AI Infrastructure and Personal Computing Products | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-and-intel-to-develop-ai-infrastructure-and-personal-computing-products

NVIDIA and Intel to Develop AI Infrastructure and Personal Computing Products :: Intel Corporation (INTC)
https://www.intc.com/news-events/press-releases/detail/1750/nvidia-and-intel-to-develop-ai-infrastructure-and-personal

Nvidia and Intel’s $5 billion deal is apparently about eating AMD’s lunch | The Verge
https://www.theverge.com/report/781330/nvidia-intel-explain-5-billion-deal-jensen-huang-lip-bu-tan-amd

今回のNVIDIAとIntelの提携は「データセンター向け」と「PC向け」の2分野に焦点を当てています。

データセンター向けは、IntelがNVIDIA向けにカスタマイズしたx86 CPUを製造するとのこと。NVIDIAはこれを自社のAIインフラプラットフォームに統合し、市場に提供する計画を立てています。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは投資家向けの電話会議で、「NVIDIAがIntel CPUの『主要顧客』となり、ラックスケールサーバーに搭載するためにIntel CPUを購入する」と2度にわたって発言したとのこと。IT系ニュースサイトのThe Vergeは、NVIDIAは長年にわたり自社サーバー向けにArmアーキテクチャを採用したCPUを独自開発していたことから、「これは少々意外な発言だ」と述べています。


PC向け製品は、NVIDIAのRTX GPUチップレットを統合した「Intel x86 RTX SOCs」と名付けられた新しいSoCを開発・製造し、市場に投入する予定です。これらの製品では、CPUとGPUの接続に従来のPCIeではなく、より高速で帯域幅が広いNVIDIA NVLinkインターフェースが採用されるとのこと。

「Intel x86 RTX SOCs」はIntelが79%のシェアを持つノートPC向けCPU市場と、NVIDIAが92%のシェアを持つゲーミングGPU市場の強みを組み合わせることとなり、主なターゲットは、薄型軽量のゲーミングノートPCや小型PC市場になると考えられます。各製品の発売時期は未定ですが、新しいプロセッサの開発には通常長いリードタイムを要するため、市場に登場するまでには少なくとも1年、おそらくはそれ以上かかると思われます。

The Vergeは、「薄型軽量のゲーミングノートPCや小型PCの市場」はこれまでAMDが精力的に開拓してきた市場であると指摘。また、AMDはサーバー向けプロセッサー市場でも40%に迫るシェアを占めており、NVIDIAとIntelの提携によって、AMDを交えた市場競争が激化するとみられます。


さらに、この戦略的提携の一環として、NVIDIAはIntelの普通株を1株あたり23.28ドルで総額50億ドル分購入したことも明らかにしました。これにより、NVIDIAはIntelの株式の約5%を保有することになります。50億ドルという巨額の資金は、TSMCとの競争で多額の設備投資を必要としながらもフリーキャッシュフローがマイナスで苦しんでいるIntelにとっては非常に大きな意味を持ちます。

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、「この歴史的な協業は、NVIDIAのAIとアクセラレーテッドコンピューティングのスタックを、IntelのCPUと広大なx86エコシステムと緊密に結びつける、2つのワールドクラスのプラットフォームの融合です」と述べました。

Intelのリップ・ブー・タンCEOは、「Intelの主要なデータセンターおよびクライアントコンピューティングプラットフォームは、我々のプロセス技術や製造能力と組み合わさり、NVIDIAのリーダーシップを補完して業界に新たなブレークスルーをもたらすでしょう」とコメント。また、質疑応答で「IntelとNVIDIAのチップはIntelで製造するのか」と尋ねられた際には、「もちろん、製造の承認を得たいと考えています。それから、Intelのファウンドリで製造するのに適切かどうかを判断するつもりです」と答えました。

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