テスラが「持続可能な豊かさ」に焦点を当てた「マスタープラン」の第4弾を2年ぶりに発表 – GIGAZINE


Tesla(テスラ)は「持続可能なエネルギーへ世界のシフトを加速すること」をミッションとして、「マスタープラン」という展望を掲げています。2006年のパート1、2016年のパート2、2023年のパート3に続く第4弾となる、「マスタープラン パートIV」が正式に発表されました。

Tesla: 「Master Plan Part IV」 / X
https://x.com/Tesla/status/1962591324022153607


テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は2024年6月に、「マスタープラン4に取り組んでいます。壮大なものになるでしょう」と告知していました。


現地時間の2025年9月1日にテスラのXアカウントは「マスタープラン パートIV」の詳細を公開しました。マスタープラン パートIVの冒頭では、「テスラの物語における新たな章は、私たちがまだ想像し始めたばかりの世界を、いまだかつて見たことのない規模で創造する助けとなるでしょう」とビジョンが提示されています。

以下は、左がマスタープランのパートIとパートII、右がパートIIIのビジョンを示したもの。いずれも、電気自動車やクリーンエネルギーを普及させることで、持続可能なエネルギー経済のビジョンを提案しています。


そして以下が、マスタープラン パートIVに関するビジュアルイメージ。「Sustainable Abundance(持続可能な豊かさ)」をテーマとして、「AI技術を物理世界に適用する」ことを掲げています。以下の画像は、電気自動車や太陽光発電による再生可能エネルギーの利用のほか、ヒューマノイドロボットやAIコンピューティングの活用、産業と家庭用両方に向けたバッテリーやロボタクシーの配置など、工場から個人の家庭や街全体までエネルギーとモビリティを統合する未来像を表しています。


テスラは「当社は、電気自動車、エネルギー製品、ヒューマノイドロボットの開発を通じて、『技術的ルネッサンス』の基盤を築くために、ほぼ20年間精力的に取り組んできました。AI技術の影響力とインパクトが増大するにつれ、マスタープラン パートIVで設定されたミッションは驚くべきものではなくなっていくはずです。現在、私たちは製造能力と自律走行技術の強みを融合させ、経済成長を通じた世界の繁栄と人類の繁栄を加速させる新たな製品とサービスの提供に取り組んでいます。ハードウェアとソフトウェアを大規模に統合することで、より安全で、よりクリーンで、より快適な世界を創造していきます」とこれまでの取り組みと今後のビジョンについて語っています。

テスラが開発中の自律型ヒューマノイドロボット「オプティマス」は、マスタープラン パートIVのビジョンを代表するものの一つです。自動運転車がクリーンなエネルギーで汚染を軽減しながら輸送手段の経済性や安全性を向上させたように、オプティマスは単調で危険な作業を代替することで、労働そのものの認識を変えて変革をもたらすことが期待されています。テスラは「自律性は全人類に利益をもたらすものでなければなりません」と宣言しており、ヒューマノイドロボットや作業の自動化が人間の仕事を奪ったり利益を阻害することなく、人々が好きなことに費やす時間を取り戻すことをオプティマスの使命としています。


また、テスラが提供する技術的に高度な製品は、「手ごろな価格で大規模に提供すること」が不可欠であるとテスラは述べています。アクセスが拡大するとすべての人の生活が向上するのと同時に、成長も拡大します。便利かつ持続可能である高度な製品を、高級で希少なものではなくアクセス権を拡大するための努力と実行力を目標としたものが、マスタープラン パートIVのテーマである「持続可能な豊かさ」です。


テスラは「私たちの最初のステップは、EVスポーツカーのロードスターを作ることでした。その利益を活用して、より手ごろな価格の電気自動車であるモデルSとモデルXの開発・生産に資金を投じ、このプロセスを繰り返して以降の製品へと発展させてきました。このプロセスには、小さなステップもあれば大きなステップもありましたが、最終的には一つ一つの成功が次の成功に繋がり、失敗を重ねながらも勢いを維持することができました。そして、輸送から発電、蓄電、ロボット工学に至るまで、持続可能な製品からなる完全に統合されたエコシステムを構築することができました。私たちが開発するツールは、労働、移動、エネルギーという基本的な構成要素を大規模かつすべての人々のために再定義することで、私たちが常に夢見てきた世界、持続可能な豊かさの世界を築くのに役立つでしょう」と述べています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
テスラが持続可能なエネルギー供給の繁栄を見据えた道筋を示す「マスタープラン」の第3弾を公開 – GIGAZINE

「ツイートをAIで学習してテスラに役立てる」とイーロン・マスクが発言 – GIGAZINE

なぜ再生可能エネルギーの発電コストは急速に安くなったのか? – GIGAZINE

電気自動車はガソリン車より大幅にエネルギー効率がいい、その理由とは? – GIGAZINE

テスラがSamsungと2033年末までの2兆円超のチップ契約を発表、テキサス州でテスラの次世代AI6チップを製造 – GIGAZINE

テスラが2025年第2四半期の決算を発表、「売上12%減」「自動車出荷台数14%減」「営業利益42%減」と散々な結果に – GIGAZINE




ソース元はコチラ

この記事は役に立ちましたか?

もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。

関連記事