AIで若手社員を置き換えるのは「今まで聞いた中で最も愚かなこと」だとAWSのマット・ガーマンCEOが語る – GIGAZINE


メモ


AmazonのクラウドサービスであるAmazon Web Services(AWS)のマット・ガーマンCEOが、AIを使って若手社員を置き換えるという企業の動きに対し、「私が今まで聞いた中で最も愚かなことです」と発言しました。AIコーディングツールなどを提供するAWSのCEOがこういった発言をした件について、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsなどでも話題となっています。

AWS CEO says AI replacing junior staff is ‘dumbest idea’ • The Register
https://www.theregister.com/2025/08/21/aws_ceo_entry_level_jobs_opinion/

ガーマンCEOは2025年8月19日に、投資家のマシュー・バーマン氏のYouTubeチャンネルに出演して対談を行いました。対談ではAWSが提供しているAIコーディングツール・KiroなどのAI関連トピックに焦点が当たりました。

White Collar Jobs, Hyperscalers, AI Coding, Open vs Closed, Agents, and more! (Matt Garman) – YouTube


動画の12分頃にガーマン氏は、一部の組織のリーダーたちから「私たちはAIがすべての若手社員を置き換えることができると考えています」と伝えられたと語っています。


ガーマン氏はこうしたリーダーたちの主張について、「私が今まで聞いた中で最も愚かなことです。若手社員はおそらく最も安価な従業員であり、AIツールにも熱心に取り組んでいます」と一刀両断しました。


ガーマン氏はさらに、「10年後、すべての従業員が何も学んでいない状況になったら、一体どうするのでしょうか?」「私の考えでは、大学を卒業したばかりの若者を雇い続け、ソフトウェアの構築や問題を分解する方法、そして思考する方法を正しく教え続けることが絶対に重要です」と述べ、Kiroはこうした教育において役立つと主張しました。

ガーマン氏はAI時代におけるキャリアアドバイスとして、特定のスキルを学ぶだけではなく、「何かを学ぶ方法」を習得する必要があると考えています。「重視すべきスキルは、自分自身でどう考えるか、問題解決のための批判的思考力をどう養うか、創造性をどう育むか、そして次のことを学ぶための学習マインドセットをどう養うかだと思います」とガーマン氏はアドバイスしています。

また、ガーマン氏はKiroのようなAIコーディングツールの価値を測る際、「組織内でどれほどのコードをAIが書いたのか」を指標にすることにも難色を示しています。その理由は、組織はAIを使って「無限のコード」を書くことができるものの、それは質が悪いコードである可能性があるためです。むしろ多くの場合、コードの行数は少ない方が優れているのであり、人々はなぜAIが書いたコードの量を誇りたがるのかわからないとのこと。

とはいえ、AWSの開発者の80%以上は何らかの形でAIを使用していることがデータから示唆されているとのこと。開発者によるAIツールの使用は毎週増加しているそうで、ガーマン氏は「ユニットテストを書いたり、ドキュメント作成を手伝ったり、コードを書いたり、開発者がAIエージェントと連携する一種のエージェントワークフローを作ったりすることもあります」と述べました。

ガーマン氏の発言は、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでも話題となっています。

AWS CEO says using AI to replace junior staff is ‘Dumbest thing I’ve ever heard’ | Hacker News
https://news.ycombinator.com/item?id=44972151

あるユーザーは、「少なくとも1人のCEOは、若手人材を無視してAIに投資すると主張する人間が、長期的には会社を破滅させるということを理解しているようです」とコメント。また、実際の職場では誰もが利用可能なすべてのデータと情報へアクセスできるため、本当に重要なのは問題解決に必要なデータを分析・理解して応用できる人間であり、その過程こそが「エンジニアリング」なのだという意見もありました。


また、AIの問題について真剣に考えたことがある人なら、誰でも「10年後、すべての従業員が何も学んでいない状況になったら、一体どうするのか?」という課題に突き当たったはずですが、企業の経営陣は長期的な持続可能性よりも短期的な収益性を優先しやすいため、この問題が見過ごされているという指摘もありました。

なお、今回の発言からガーマン氏はAIへの見方を変えたようだという意見もありますが、依然としてガーマン氏はコーディングがAIに置き換えられるべきという見方は変えていません

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