Blender3DCGモデリングや物理演算、動画編集など多様な機能を備えた3DCGツールです。Blenderは1994年の登場からPC向けのみに展開していましたが、Blenderは「誰もが3DCGテクノロジーを利用できるようにする」という目標を掲げてPC以外への対応を開始し、その最初のプラットフォームとしてApple Pencilで操作できるiPad Pro版を開発中であることが明かされました。
Beyond Mouse & Keyboard — Blender Developers Blog
https://code.blender.org/2025/07/beyond-mouse-keyboard/
Blenderのダライ・フェリント氏は「タブレットのようなマルチタッチインターフェースは長年普及してきましたが、近年の処理能力の向上により、主要なコンピューティングデバイスとしてより重要になっています。Blenderの使命である『3Dテクノロジーを誰もが利用できるようにする』という目標をサポートするには、これらのプラットフォームを積極的に活用することが重要です」と述べています。その上で、フェリント氏は iPad、Microsoft Surface、HuaweiのMatePad、WacomのMovinkPadを例に挙げ、PCだけではなく持ち運びしやすいタブレットデバイスにBlenderを展開していくというビジョンを明かしました。
以下は、BlenderのBlueskyアカウントが公開した、「タブレットデバイスでBlenderを扱える世界」をイメージしたムービー。iPadを持った男性が、Apple Pencilを使ってBlenderを操作しています。
Help make blending on-the-go a reality. code.blender.org/2025/07/beyo… #b3d #DevFund
— Blender (@blender.org) 2025年7月25日 0:01
フェリント氏によるとタブレットデバイス版のBlenderはPC版と比べてシンプルにしたり初心者向けにしたりといった変更はなく、あくまでBlenderのユーザーがより便利に使えるようにすることを目指すとのこと。PCよりもタブレットをメインに使っている人や、外出先でBlenderの作業をしたい人、ペンデバイスで絵を描いたり細かい線を調整したりしたい人などに向けた展開となります。
iPadなどは外付けキーボードを接続できるほか、Microsoft SurfaceはPCモードとタブレットモードを切り替えることができますが、基本的にはキーボードがないタブレットでBlenderを使う場合、画面領域が小さい点やキーボードおよびマウスでの操作ができない点など、PC版と異なる制限があります。iPad版BlenderのUIについて、開発中の画面がいくつか公開されています。
以下は、アセットライブラリを利用したオブジェクト操作をしている場面。
以下は、粘土にデコボコをつけるようにして造形する「スカルプト」モードの画面です。それぞれのメニューは折り畳まれており、タップすることでオプションを選択できます。
開発中のデザインや開発の進行具合に関する詳細な情報は、「projects.blender.org」で公開されています。
一部の機能はタブレットやその他タッチデバイスに特有のものになりますが、タブレット版で向上したユーザービリティについては、デスクトップ版のBlenderにも適用されていく予定です。
記事作成時点ではiPad版Blenderのリリース時期は未定ですが、2025年8月10日から4日間バンクーバーで開催される、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関するプレミアカンファレンス&展示会である「SIGGRAPH 2025」にて、iPad Proで動作するBlenderの技術デモが公開予定となっています。
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