大量調理施設の現場作業調理員~人生で一番印象に残っている恋愛~
保育園や小・中学校、病院や老健施設などの大量調理施設にて、朝昼晩、おやつなどを調理する仕事でした。
私は主に小・中学校での給食の調理を担当していて、学校の栄養士が作成した献立に沿って、前日までに調理工程や担当調理員、肉や魚などの菌を持った汚染食材やフルーツや生野菜などの非加熱食品が通る作業動線図などの書類を作成し、当日はその書類に沿って作業を行います。
まだ体の未発達な子どもたちが食べる食事なので、前日の調理は行ってはいけないため全て当日に調理を行ったものを提供します。
サルモネラやO-157などの食中毒を起こさないためのマニュアルがあり、それに沿った加熱温度、加熱時間が決まっていたり、大量調理をする上での守るべき点は多く、調理面だけでなく衛生面の知識も必要な仕事です。
当日の流れは、朝早く業者から届いた食品を検品、検収し野菜や肉、魚、卵などの下処理を前半に行い、休憩後、給食提供時間に合わせて最終段階の調理を行います。
給食提供後、クラスから帰ってきたワゴンに残った残菜の把握、食器洗いが終わると反省会や次の日の打ち合わせを行います。
大量調理施設の現場作業調理員~一番嬉しかったこと~
学校によっては、給食を作っているキッチンが見える構造になっており、子供たちとガラス越しに触れ合うこともできます。そのような環境は、おいしい給食を作るためのやる気につながり、子供たちからの「今日の献立が楽しみです」や、「この前のカレーおいしかった!」といった言葉が特に励みになります。
また、栄養士の先生から「子供たちや職員室で、先日の料理が評判でしたよ」という嬉しい評価もあり、大変な献立でも頑張って作った甲斐があったなと感じることもありました。
毎日全く違うメニューなので、月に何回かは新しいメニューや、これまでに自分が経験したことのないメニューがあります。その日は、調理経験を積む機会になり、やりがいを感じました。
また、会社では、自主的に管理栄養士などの資格を取得すると、資格手当なども付くため、上の仕事を目指したい社員にとっては、勉強にもやりがいを感じられるポイントだったりします。
大量調理施設の現場作業調理員~印象的な喧嘩の内容~
少ないところで200人程度、多いところで1000人ほどと規模の違いはありますが、朝の仕込みの始まり時間が早く、電車通勤の人は始発くらいの電車に乗って出勤しなければならない点は、その分夕方頃の早い時間にあがれます。しかし、朝が苦手な人にとっては辛いポイントだと感じました。
大量調理のため、厨房にある機器や釜、ヘラなどの道具が全て大きく、大きな釜で材料を混ぜたり沢山の野菜を切ったりしなければならないため、体力も必要で特に腰を痛めている人などにはキツく、平気な人であっても腰を痛める可能性も高いため、大変な仕事だと思います。
体力も使い朝も早い大変な仕事ですが、大変な割には現場作業のため給料は低めで、本社勤めの社員と比べると育休制度などの対応の優遇は低めな点は悲しいと感じました。
大量調理施設の現場作業調理員~一番悩んだこと~
調理技術が必要なため、調理や製菓の大学を卒業した調理師免許を取得している人、または栄養専門学校で栄養や衛生について学び、栄養士や管理栄養士の資格を取得している人が、その仕事をする上での第一条件です。
食材の仕入先を決定し、それに基づいて予算を立て、メニューを考え、調理方法を決めます。加えて、調理過程での衛生管理にも細心の注意が必要です。調理のみならず、サービス、接客、会計業務も行わなければならない場合があります。
そのため、調理スキルだけでなく、コミュニケーション能力やマネジメント能力も求められます。料理人や栄養士、管理栄養士として働くためには、常に新しい情報を取り入れ、技術や知識を磨き続ける姿勢が求められます。
大量調理施設の現場作業調理員~その悩みをどうやって解決したか~
調理師免許や栄養士の免許を持ち、調理の技術を持っている人は向いていると感じます。
また、私のように調理経験は全く無くても、やる気があれば毎日行う作業などは単純でパターン化されているので、現場で学んですぐに覚えることができます。
朝の始業時間が早いため、朝が強い人や体力に自信がある人はとても向いていると思います。
調理師の免許がない場合は正社員では入社することができませんが、パートやアルバイトで入ることはできるため、働きながら免許の勉強をして調理師免許を取得できると、パートから社員へ上がる可能性もあるため、子供が小学生で学校に行っているうちに働きたい主婦の方などにも向いている仕事だと思いました。
反対に向いていない人は、体力がなくて朝が弱い、または調理に興味がないため、全く仕事にやりがいを感じられないと思います。
大量調理施設の現場作業調理員~その相手との後日談~
まず、現場の平社員として配属され、現場での調理経験を重ねると同じ現場で働く社員やパートさんなどからの評価が営業の人にも伝わり、サブチーフ、チーフと役職をつけていくことができます。
栄養士や管理栄養士の資格を持っている場合は、本社の栄養士として働くこともできます。小・中学校の栄養士は公務員の場所が多いのですが、委託の栄養士として契約できた場合は現場で栄養士として献立作成や生徒の教室での授業などにも参加したり、公務員の栄養士よりも待遇が良いこともあるため、目指したい出世ルートだと感じました。
調理師免許を持っている場合は、現場でチーフを経験したあと、人柄などが評価されると本社の営業になることもあり、給料アップが見込めます。
大量調理施設の現場作業調理員~長く付き合っていくためのアドバイス~
都道府県、区や市の考え方によっては、その場で作った出来立てのものを温かいまたは冷たい美味しく食べられるなどのメリットがある直営型の給食施設、または経費がかかる、生徒数が少ないなどの理由からいろんな学校とまとめて大量に調理し、学校ごとにトラックなどで給食を運ぶセンター給食施設の2パターンが存在します。
直営施設の場合は調理の量もセンター施設と比べると遥かに少ないため、作業員も少なくてすみますが、今でも公務員が調理をしている施設も多いです。しかし、公務員が調理するよりも委託会社と契約するメリットもあるため、これから委託の契約を取れる可能性も高いと感じています。
センター施設の場合は、1000人規模の給食を作ることになるため、その分現場作業員が必要になり、朝もかなり早くなるため大変ですが、その分委託契約できると金額も高くなります。少子が進んでいる郊外の学校などでは、センターに移行する学校も増えているため、委託契約の可能性も高まると感じています。
子供がいる限り、給食の仕事がなくなることは絶対にないため、仕事・業界としての安定感は望めると思います。
大量調理施設の現場作業調理員~今当時を振り返って、過去の自分や同じような状況の方にかけたい言葉~
現場作業員として働く場合は、調理師免許、または栄養士、管理栄養士の資格を持っていることが前提です。しかし中途採用でも、採用する上で調理の経験よりも、体力や調理を学ぶ意欲が問われることがあります。そのため、調理に興味があり、将来を担っていく子どもたちの食事を作りたいという気持ちが何より大切だと思います。
また、アルバイトやパート採用では、調理師免許などを持っていなくても採用されることがあります。さらに現場で調理を学びながら、資格を取るなどの努力をすることで正社員になることもできます。そのため、調理に興味がある人にとって、良い仕事だと思います。