居酒屋のホール接客業務での主な仕事内容
勤めていたのは、個人店の居酒屋さんでした。
ですが、業務内容は一般的なチェーン展開の居酒屋さんと、だいたい同じだったと思います。
お客様がいらしたら、お迎えしてお席へご案内する。
おしぼりなどをお持ちして、注文を受ける。
お飲み物やお料理ができたら、テーブルへお持ちする。
お食事の後はお会計をする。
お客様が立った後のテーブルを片付けて、もう一度セッティングする。
基本的にはこの繰り返しです。
団体でコースのご予約があれば、お料理をお出しするタイミングなどの管理も担当します。
こういった基本的なホール業務以外にも、オープン前の店内やお店の前のお掃除、予約の電話への対応などもこなしてゆきます。
私は長く勤めていたので、ドリンクを作るバーポジションや、新しく入ったアルバイトの方の指導、備品の発注や業者の方との関わりなども担当していました。
個人の経験やスキルによって、接客の内容は違ってきます。
ただ注文を取るだけではなく、お客様のニーズをくみ取ってサービスに活かす技術が必要になってきます。
たとえば、今飲んでいるお酒から、好きそうなものをご提案する。
今までのお食事の流れで、次に食べそうなものをご案内する。
今日の食事会の目的に合わせた、サービスをする。
たとえば、部下が幹事様だったら、動きやすく準備してあげる、デートだったら男性の立場を立ててあげるなどです。
数年していると、お客さまの気持ちをくみとることが癖になり、そこまで難しくなくなります。
居酒屋のホール接客業務ならではのやりがい
一番のやりがいは、お客様が、「あ~おいしかった。あ~楽しかった。」という雰囲気で、ひとつも不満がなく、満足そうに帰る姿だと思います。
ただお料理やお飲み物をお出しするだけでは、やはり星5(感動するほど満足)には至らないと思います。「また来よう!」と思ってもらうには、「感動」つまり、心を動かすところまでのサービスが必要です。それはお料理の味だけでなく、スタッフのサービスからも生み出せます。
お客様の気持ちをくみ取ってしたサービスが、気づいてもらえるとは限りません。でも、うまくできればお客様は、自然と喜んだ顔でお帰りになります。
また、しっかり周りを見ている方であれば、こちらがさりげなく配慮していることを気づいてくださり、声をかけてくださいます。そのときは、とっても報われた気持ちになりますよ!
テーブルのガスコンロの火に風が当たらないよう、こっそり空調を変更したところ、気づいてくださった方にチップとして1,000円いただいたことがありました!
人を喜ばせるということは、お仕事の十分なやりがいになるのだと思います。
居酒屋のホール接客業務のマイナスポイント
飲食店、特に居酒屋のような業務では、
人と関わることが喜びでもありながら、
マイナス面にもなりうると思います。
接客、特に個人店でお客様とのかかわりの強い店舗では、
お客様の性格によって、ストレスとなってしまうこともあります。
たとえば、スタッフのことを顎で使うような方、
お酒を飲みすぎて、周りに配慮できなくなるような方、
居酒屋のお客様はお酒が入っているので、
接客が疲れる方もいるのが事実です。
また、自分が頭痛だったり風邪気味だったりと体調が悪い時や、
プライベートでつらいことがあった時でも、
いつでも人を受け入れて、笑顔で対応しなければなりません。
それは、時としてとてもしんどいものです。
笑わなくなったり、冷たく対応できれば楽なのかもしれませんが、
誠実に接客をしている人ほど、
ストレスとなる部分だと思います。
居酒屋のホール接客業務の仕事に活かせる経験・スキル・資格
居酒屋のホールスタッフは、資格がなくてもできるのがありがたいポイントだと思います。質の良いサービスをする人でも、特に基準となる資格はなく、お客様がどれだけ喜ぶのかが判断基準となると思います。
飲食店の接客経験がなくてもできますが、しいて言えば、たくさんの人と話した経験がある人などは、強いと思います。ただ、お仕事を始めてから身につけるスキルでもあるので、気にしすぎる必要はないと思います。
バーテンダーの資格やお酒の知識は、知っておくと面白い接客ができるかもしれません。
居酒屋のホール接客業務の仕事に向いている人・向かない人
居酒屋のホールスタッフに向いている人は、
第一に人と関わることに抵抗のない人と言えるでしょう。
人と話すことや、喜ばせることを楽しみととらえて、
損得を考えずにどんどん関われると、
楽しい時間となり、結果も出ると思います。
もちろん、お酒やおいしいお食事が大好きで、
メニューを紹介するのが好きな方も向いています。
反対に向いていない人は、人に関心のない人と言えるでしょう。
これはお酒が飲める飲めないよりも大切なことだと思います。
私の見た中で向いていないなと思った人は、
「そこまでの接客は、この時給でできることじゃない。」
などと、損得勘定で考え、人と関わる喜びを理解していない人だったと思います。
ですが、人と関わるスキルは、働いてから作れるものです。
わたしは始めは人が苦手でしたが、
最終的には店でいちばん接客が得意な人となっていました。
居酒屋のホール接客業務仕事でのキャリアパス
居酒屋でスキルアップするためには、接客力を上げ、名前を覚えてもらえるお客さんを増やすことが大事です。
目に見えるスキルとしては、ドリンクを作ったり、発注ができるようになったりすることがあります。
また、アルバイトから社員や店長になる可能性もありますし、キッチンに移って調理を学ぶこともできます。私の周りでも、数人が料理を勉強して調理師免許を取り、自分のお店を出したりしています。
私自身は、個人店で事務の経理のお手伝いもして、少し収入を増やしていました。季節限定のメニューをつくったり、キャンペーンを企画したりすることもありました。長く勤めるほど、仕事の幅が広がると思います。
居酒屋のホール接客業務業界の最近の動向
飲食業界は、皆さんもご存じの通り、コロナ禍から苦労を強いられています。実際に、私が勤めていた居酒屋も、残念ながら2020年をもって閉店となり、20年近い歴史を閉じてしまいました。
近年では、宅配業務が盛んになり、わざわざお店に足を運ばなくてもおいしいものが食べられます。2020年時点で、テイクアウトなどの新しい形にすばやく対応した企業が、今も多く生き残っているという感じです。私が勤めていた店舗の場合は、個人店だったのでコンサルタントなどがおらず、デジタルマーケティングについていけませんでした。
コロナ禍から、約1年がたちました。各店舗の非接触サービスやデジタル化は進みました。しかし最近は飲食店にも多くの人が戻っているように見受けられます。新しく開店した店舗も多く見られるようになり、これから飲食業界は、間違いなく元気になっていくのだと思います。
サービススタッフは、人との関わりが欠かせない業種のひとつだと思います。今まで手を出せなかった方も、ここからは挑戦するチャンスなのかな?と、私は思います。
居酒屋のホール接客業務仕事を未経験で目指すには?
居酒屋のホールスタッフは、未経験でも全く問題はないと思います。
大切なことは、とにかく人と関わる喜びを知っていること、
またはそれを目指すことだと思います。
私は最終的に17年間ホールスタッフを務めました。
元々は人と関わることが大の苦手で、お客様と必要以上に話せないタイプでした。
それでもスキルの高い先輩に囲まれて、「毎日1人と話をしよう。」を目標に続けたところ、
最終的にはほとんどのお客様に対応できるスタッフとなることができました。
たくさん笑って、とんでもない失敗もたくさん許してもらいました。
「酔っぱらいの相手はしたくない。」と思う人も多いと思いますが、
居酒屋にはいろいろなお客様が来ますし、感動する場面に出くわすこともあります。
思った以上に、楽しいことがたくさんあると思いますよ!