ローソンは、リチウムイオン電池内蔵製品の回収促進を目指し、リチウムイオン電池を内蔵した使用済みのモバイルバッテリーや電子たばこ、携帯電話・スマートフォンを回収する実証事業を10月15日から順次開始する。対象となる店舗は、茨城県守谷市と神戸市内のローソン計4店舗。
近年、リチウムイオン電池内蔵製品の不適切な廃棄による発火事故が増えており、2023年度には8,543件発生した。リチウムイオン電池内蔵製品を他のごみと混ぜて廃棄することで、ごみ収集車やごみ処理施設の火災の原因になり、回収時の大きな課題となっている。実証事業を行なう守谷市でも、2024年12月に不燃ごみ処理施設の常総環境センターでリチウムイオン電池が原因とみられる火災が発生し、現在も復旧していない。
実証実験は、こうした事故原因になるリチウムイオン電池内蔵製品の回収促進を目指すもので、ローソンと守谷市、神戸市、KDDI、三菱総合研究所、荏原環境プラントが協力して展開する。
守谷市と神戸市のローソン計4店舗に、リチウムイオン電池を内蔵した対象製品の「回収用ボックス」を設置。回収用ボックスは、温度センサー・重量センサーを装備している。店舗で回収した製品は、それぞれの市が回収し、リサイクル工場へ搬入される。
守谷市では、KDDIが守谷市から回収した携帯電話やスマートフォンを受け取り、これらのリサイクルを行なう。神戸市では、市が回収された製品のリサイクルを担当する。またリチウムイオン電池等の回収場所を地図上に示すウェブサイト「資源ぐるりマップ」に、ローソンの対象店舗も掲載し、回収の促進を図る。
実証実験の実施期間は、第1回が2025年10月15日から2026年1月31日で、対象店舗は「ローソン守谷松並庚塚店(茨城県守谷市松並1625-1)」と「ローソン神戸市役所西店(神戸市中央区江戸町96)」。第2回が2025年12月中旬~2026年1月31日で、対象店舗が「ローソン守谷大柏店(茨城県守谷市大柏251-1)」と「ローソン神戸星陵台五丁目店(神戸市垂水区星陵台5-11-1)」。
リチウムイオン電池を内蔵した携帯電話、モバイルバッテリー、加熱式たばこは、2026年4月から「指定再資源化製品」に追加され、メーカーや輸入販売業者に自主回収・再資源化の促進が義務化される。今回の実証実験は、これに先行して、リチウムイオン電池の適切なリサイクルを促進することで、火災リスクの低減や安全確保などに取り組む。