スマホでもPCでもタスクをこなすAIネイティブな開発環境を作ろう! – tacomsテックブログ

こんにちは、プロダクト開発チームのかわさきです。

みなさん、AIは活用されていますか?

AIエージェントの登場によって私たちの開発スタイルは大きく変化しています。ソースコードはLLMの生成物となり、エンジニアの役割は「いかに適切なコンテキストとプロンプトを与えるか」にシフトしています。

以下のブログにもある通り、弊社開発チームにはClaude CodeがMax (20x)のプランで配布されています。
直近のプロジェクトではドキュメントからコードまですべて Claude Code で生成しています。
tacoms-inc.hatenablog.com

AIエージェントの強みのひとつは速度です。人間に比べて圧倒的な速度で成果物ができあがります。この変化はこれまでにない速度で開発を推し進めることができる一方で、新たな悩みも出てきました。

1. 人間が付いていけない

複数のセッションを開始することでタスクを並列に進められるようになり、さらにgit worktreeとの連携でブランチごとの独立した作業も可能になりました。私の場合、エージェントが動作しているアクティブなセッションが2〜3個、応答待ちのセッションも合わせると10個前後あります。気づけばAIたちがあちこちで作業を進めていて、「今どこで何をやっているんだっけ?」と依頼しておいて置いていかれている状態です。

2. 生成中の待ち時間が地味に長い

生成に10〜15分かかるタスクは珍しくありません。速いとはいえ、この微妙な待ち時間をどう活用するかが、全体の生産性を左右します。

3. PCじゃなくてもできるのでは??

長大なコードを書くのがAIなら、極端な話、PCの前にいる必要すらないのでは?と思ってしまいます。PCから離れたときでも、ふと思いついたアイデアや調査タスクを進めたい。いつでもどこでも開発を進められる環境が欲しくなります。

3つのツールで構築するモバイル対応開発環境

これらの問題を解決するため、以下の3つのツールを組み合わせた環境を作ってみました

「AIたちに置いていかれる」→ 状況を把握できる仕組み

Claude Code UIVibe Kanbanの組み合わせで解決しています。Claude Code UIで複数のセッションを一元管理し、Vibe Kanbanでタスクをカンバン形式で可視化。どのAIが何をやっているか把握できるようになりました。

「待ち時間が地味に長い」→ 並列処理で有効活用

Vibe Kanbanでタスクごとにworktreeが作られるため、待ち時間中も次々とタスクを並列で進められます。

「PCじゃなくてもできるのでは?」→ モバイルアクセス実現

Claude Code UIスマホから利用可能に。チャットUIでいつでもどこでも開発を進められます。VibeTunnelでブラウザからターミナル操作もできます。

各ツールの詳細

1. Claude Code UI – チャット形式のClaude Code

https://claudecodeui.com/

Claude Codeのセッションをディレクトリごとに一覧表示し、ブラウザ上のチャットUIで対話できるツールです。PCでもスマホでも同じインターフェースで使えるため、場所を選ばずにClaude Codeとやり取りできます。

ローカルファイルの確認やGit操作も可能で、さらにターミナル機能も搭載されています。

Taskmaster AIとも統合していて、複雑なタスクにも対応できます。

2. Vibe Kanban – 複数タスクの管理

https://www.vibekanban.com/

複数のタスクをカンバン方式で管理できるツールです。タスクごとにgit worktreeが作成されるので、同じプロジェクト内で並列に作業ができます。

完了したタスクはその場でプルリクエストにできるので、開発のフローにも取り入れやすいです。

3. VibeTunnel – ブラウザからターミナル操作

https://vibetunnel.sh/

ローカルのターミナルセッションをブラウザにプロキシするツールです。ブラウザを閉じても作業が継続され、いつでも再開できるのが便利です。

実際のワークフロー

朝のルーティン

退勤前に大抵何かしらのタスクを投げているので、翌朝、その結果をスマホで確認します。エージェントのコメントを流し読みして、何をして、どうなったかを把握。ちょっとした修正が必要なら、その場でタスクを投げます。

ツールの連携

Claude Code UIでコードレビューをした結果、仕様と実装の乖離を発見した場合、そのまま修正方針を議論します。方針が決まったら、それをMCP経由でVibe Kanbanにタスクを登録。新しいworktreeで作業が始まるので、他のタスクと並列して進められます。

思いついたことを投げる

PCから離れているときに思いついたことを、スマホからClaude Code UIやVibe Kanbanに調査やレポート作成のタスクとして投げます。後でPCからその続きの作業ができます。

その他の便利ツール

Claude Codeと合わせて使っている便利なツールも紹介します:

Taskmaster AI

https://www.task-master.dev/

要望・要件からタスクリストを作成し、進捗を管理しながら実行してくれるツールです。進捗がファイルに外部出力されるため、セッションをまたいでも再開できます。Claude Code向けのサブエージェントが豊富に用意されており、大きめのタスクでもうまくこなしてくれます。

cc-sdd

https://github.com/gotalab/cc-sdd

SDD (Spec-Driven Development)のツールで、kiroと互換性があります。仕様から実装を体系的に進めたいときに重宝しています。

まとめ:AIエージェントとの新しい協働スタイル

以上が、私の「スマホでもPCでもタスクをこなせるAIネイティブな開発環境」です。

AIエージェントとの協働において、場所や時間の制約から解放されることの価値は大きいと感じています。

現在のところおおむね満足していますが、理想を言えば、対話的なチャットもカンバン方式のタスク管理も、いざとなったらターミナル操作もすべてできる、PC・スマホクロスプラットフォーム対応のネイティブアプリがあればより効率的になりそうです。Claude Codeに作ってもらうか。

皆さんのおすすめのツールやワークフローがあれば、ぜひ教えてください。AIエージェントとより効率的に協働する方法を、一緒に探求していきましょう。




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