こんにちは!株式会社ドワンゴ教育事業本部で、学習アプリ「ZEN Study」の Android 版開発を担当している本藤です。
2025年9月10日から12日にかけて開催された、Android 開発者の一大イベント「DroidKaigi 2025」に、私たちのチームも参加してきました。
本記事では、カンファレンスで得られた技術的な知見や現地の熱気、そしてそれらを今後のプロダクト開発にどう活かしていくかをレポートします。
初めての現地参加で感じた「DroidKaigi」のリアルな価値
実は私、Android エンジニアとしてのキャリアは16年以上になりますが、意外にも DroidKaigi への現地参加は今回が初めてでした。
これまでは後日公開されるセッション動画で情報をキャッチアップしていましたが、やはり現地でしか味わえない空気感、熱量の高さを肌で感じることができました。
イベントが始まる前の高揚感、セッション中の会場の一体感、そしてセッションの合間に自然と生まれる開発者同士の交流。
これらすべてがオンラインでは得られない貴重な体験であり、最新技術へのアンテナがさらに鋭くなるのを実感しました。
今回は、初日のワークショップ・デイにチームメンバー1名が、カンファレンス・デイには都合のつくメンバー6名で参加し、チーム全体でこの熱量を共有できたことも大きな収穫でした。
セッションから読み解くAndroid開発の現在と未来
今年の DroidKaigi では、特に AI と マルチプラットフォーム に関連するセッションが多く、技術コミュニティ全体の関心がどこに向かうのかを強く感じました。
これらの技術が、今後の Android アプリ開発において重要な役割を担っていくことは間違いないでしょう。
【特に注目したセッション】「基礎から学ぶ大画面対応」が ZEN Study の未来を照らす
数あるセッションの中でも、私たちのチームにとって特に有益だったのが 「基礎から学ぶ大画面対応 〜「Large screen differentiated」認定アプリの開発知見〜」 です。
ZEN Study が抱える現状の課題
現在、私たちの「ZEN Study」アプリは次のような状況です。
screenOrientation
をportrait
(縦向き)に固定している- UIは Jetpack Compose で実装しているが、Activity / Fragment ベースのアーキテクチャ上で動作している
- 画面遷移を Fragment Navigation に依存している
タブレットや折りたたみデバイスの普及が進む中、これらのデバイスへ最適化された体験を提供することは、私たちにとって重要な課題でした。
セッションから得られた道筋
このセッションは、まさに私たちが抱える課題を解決するための具体的な指針を示してくれるものでした。
大画面対応の基本的な考え方から、Jetpack Compose を活用してレスポンシブな UI を実装する方法、そしてナビゲーションの再設計まで、体系的に解説されていました。
このセッションのおかげで、目前に迫る Android 16 への対応を進める上での具体的なロードマップが明確になり、「やらなければならないこと」が「何をすればよいか」へと変わった瞬間でした。
セッションだけじゃない!DroidKaigi の醍醐味
DroidKaigi の魅力はセッションだけにとどまりません。カンファレンス当日はもちろん、その前から楽しめる要素が満載です。
始まる前から楽しい!公式アプリへのコントリビュート
今回、公式アプリへコントリビュートすることで、普段の業務では使用しない構成やライブラリに触れることができ、自身の知見を大きく広げることができました。
また、他のエンジニアと連携してイベント当日に活用されるアプリを作成する体験は、まさに「始まる前から楽しい」という DroidKaigi の魅力を体現したような、貴重な体験でした。
今年のチームメンバーのコントリビュート内容です。
Pull Request をレビューしていただいた皆さま、ありがとうございました。
スポンサーブース巡りとエンジニア交流
イベント期間中は、スポンサーブースを積極的に回り、各社が提供する最新のツールやサービスについて情報を収集しました。
また、アフターパーティでは他社のエンジニアの方々と深く交流する機会にも恵まれました。
「あの技術、実際どうですか?」「こういう課題にどうアプローチしていますか?」といったリアルな情報交換は、自分たちの視野を広げ、新たな気づきを得るための絶好の機会となりました。
【TIPS】来年参加される方へ
余談ですが、今回会場にはクロークが設置されていませんでした。
それを知らずにキャリーケースを会場に持参してしまい、参加初日はキャリーケースを引きずって会場を回ることになりました。
遠方から参加される方は会場のクロークの有無を事前確認し、クロークがない場合は駅のコインロッカーなどを活用することをおすすめします。
まとめと今後の展望
DroidKaigi 2025 への参加は、技術的な学びはもちろんのこと、Android 開発コミュニティのエネルギーを直接感じられる、非常に刺激的な体験でした。
今回得た知見、特に大画面対応に関する学びは、早速「ZEN Study」の次期開発計画に組み込み、より多くのユーザーにとって快適な学習体験を提供できるよう、チーム一丸となって取り組んでいきます。
チームメンバーによる別視点のレポートも公開中!
私たちのチームメンバーが、ボイスメモと ChatGPT を活用してセッション内容をまとめるという面白い試みを記事にしています。こちらもぜひご覧ください!
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2025年4月にZEN大学が無事開学を迎え、私たちが開発している ZEN Study も学修に利用されています。
開学はゴールではなく、より学修しやすいアプリを目指して引き続き開発を続けていきます。
ZEN Study の Android アプリ開発チームでは、引き続き採用活動に取り組んでおります。業務内での DroidKaigi アプリの開発や登壇準備、OSS 活動などを支援しますので、オンライン大学という未来の教育に挑戦しませんか?少しでもご興味があれば、まずはカジュアル面談で気軽にお話ししましょう。