こんにちは。CTOの深川です。
だいぶパンチのあるタイトルを設定してしまいましたが、新卒採用始めます!というポジティブなブログです(笑)。
LegalOn Technologiesは、2027年卒からエンジニアの新卒採用を本格的に始める意思決定をしました。これまでも一部のポジションでインターンの受け入れからの新卒採用は行なっていましたが、基本的にはキャリア採用が中心だった私たちが、なぜ今、新卒採用に踏み切るのか。CTOとしての視点からお伝えできればと思います。
いきなり本題の理由から書きます。新卒採用に踏み切った理由は「機熟」したから(機が熟したから)です。ちなみにこの「機熟」という言葉は、『ふつうの軽音部(集英社)』という漫画に出てくるワードです。とても面白いのでおすすめです。
幸山厘(こうやま りん)のセリフ再現。
話が逸れました。ではその熟した「機」とはなにか。主に3つの「機」があります。
- 機1: 会社としての準備ができ、新卒を育てられる「機」がきた
- 私は、新卒を受け入れるということは単なる労働力確保ではなく、その人をちゃんと社会人として育てる責務があると考えています。そのため、適当な気持ちや体制で受け入れるわけにはいかないと思っており、準備が整うまでは中途採用に絞っていました。しかしながら、当社はARR(年間経常収益)は先日100億円を突破、組織規模としては全社で600名を超え、開発組織全体では200名を超える規模に拡大しました。ようやく新卒をちゃんと迎え入れ、育成できるだけの素地が整ったと考えています。
- 機2: 文化の担い手を育てる「機」がきた
- この2-3年ほどで人員が一気に増加し、その結果、社内では部分的に文化の希薄化が起こり始めました。(先日発表した『LegalOn Technologies Developers Compass』というカルチャードックも、この課題意識から生まれたものです。)そこで、文化を次の世代につなぎ、強めていく存在として、新卒を育てる必要性が増してきました。
- 機3: 多様な「機」が提供できるようになった
- ありがたいことに、今では複数のプロダクトができたことで、新卒の皆さんの特性に合わせて多様な「機」を提供できる環境ができました。メインプロダクトである「LegalOn」のみならず、「CorporateOn」、まだ世に出ていない新規事業や内部向けのプラットフォームまで多様な受け入れ先が用意できるようになりました。
もう一つ決定打となったのは、世界的な技術環境の変化、つまりAIの到来です。
AIによって、エンジニアに求められる能力は一変しました。正確にいうと、「エンジニアリングの専門技能」は少なくともしばらくは引き続き必要ですが、それに加えて「AIを使いこなす技能」の方が必須になりました。
私の考える、AI時代におけるエンジニアの4象限はこちらです。
- エンジニアリングの理解度が深く、AIも使いこなせる人(①AI時代の寵児)
- エンジニアリングは理解度は浅いけど、AIを使いこなせる人(②ポストAI時代のポテンシャル人材)
- エンジニアリングの理解度は深いが、AIを使えない人(③プレAI時代のベテラン)
- エンジニアリングの理解度は浅く、AIも使えない人(④ノーコメント)
今の学生さんは、在学中にLLMが隆盛し、AIが当たり前の環境で育ってきた、いわゆる「AIネイティブ世代」です(正確にはネイティブ一歩手前かもしれませんが)。AIを使いこなす能力を既に持っていて、これから大きく成長できる可能性を秘めています。
だからこそ、2番目(エンジニアリングの理解度は浅いけど、AIを使いこなせる人)の人たちを新卒で採用し、育てることで、1番目(最強な人)に引き上げられる可能性が高いと考えています。
なぜなら、知識や技術は後天的に身につけられますが、AIに対するスタンスやアンラーニングといった思考・行動は、後天的に身につけるのがなかなか難しいと感じているからです。そこが新卒採用に期待している部分です。
新卒社員には、「会社をぶち壊す勢いで来てほしい」 と思っています。
いきなり物騒な言い方をしてしまいましたが(笑)。つまりは、これまでの経験はあるもののAIの活用に今ひとつ消極的になっている上の世代 を、新しい視点や圧倒的なパフォーマンスで刺激してほしい。そうやって会社全体を、先ほどの4象限でいう①AI時代の寵児の層に引き上げていく「起爆剤」になってほしいと思っています。人や組織が変わるためには、時に強いインパクトが必要なので。
とはいえ、そんな尖った部分を持ちつつも、結局は「素直さ」が最も大事だと考えています。グイグイと前に出る積極性を持ちつつも、人の話を聞き入れられる「素直さ」、そして物事に対して「真摯であること」。結局のところ根が「いいやつ」であることが一番です。
ちなみに私の新卒時代はというと、素直でも従順でも、ましてやいいやつでもありませんでした。当時の同期や上司から見ると、さぞ鼻につく人間だったんではないかと思います(笑)。
実は新卒時代の同期が、LegalOn Technologies で一緒に働いているんですが、どうやら人事が当時の私に対する印象を聞いてきたらしく、貼れと言われたので貼ります。
当時を思い返すと胃が痛いですが、ギリギリ「いいやつ」ではあったみたい(安堵)。
そんな私自身の経験を少しお話させていただくと、新卒時代の経験で今につながっていると思うのは、「鶏口牛後(けいこうぎゅうご)」の考え方です。
※ 鶏口牛後 … 「大きな集団の中で末端の一員になるよりも、たとえ小さくても独立した組織でトップに立つ方が良い」という意味の故事成語。
私が最初に入社したのは、名古屋のSIerでした。3ヶ月の新卒社員研修を終えたあと出向(その後合併)になったのですが、出向先では比較的高く評価してもらい、大小様々な経験をさせてもらえました。結果的には社内でAWSの第一人者的な存在になって、社内研修のコンテンツ作成や講師なども任せてもらうことができました。これらはとても良い経験で、今にもつながっています。後から聞いた話ですが、最初の出向社員を選ぶ条件の1つは新卒社員研修の成績だったらしいです。
この話は、ある意味でどこの会社に入るかという話のようにも見えますが、本質的に重要なのはどういう環境に身を置くか、という点だと思います。
ぜひ新卒の皆さんもどういう環境に身を置くか、その環境で成長できるかを考えてみることをおすすめします。
手前味噌ですが、LegalOn Technologies での成長環境は、3つあるかなと考えています。
- AI
- LegalOn Technologies は創業の頃からAIを使って体験を変えることにフォーカスしてきた会社です。現在もAIを会社のコアとして位置付けており、「AIを使ったプロダクトの開発」と「AIを使った開発業務」の両方の経験を積む機会があります。
- 優秀なエンジニア
- これまで当社の採用方針は、一貫してキャリア採用に集中してきました。単純に、育成にリソースを割く体力がなかったこともあるんですが、エンジニアのレベルを一定の水準で保ちたかったという思いもあります。優秀な人たちのいる環境には、優秀な人たちが集まってくる。高いエンジニアリング力を持つ優秀なエンジニアが揃っています。
- 成果主義の文化と成長機会
- 年次に関わらず、結果を残した人、手を挙げた人には、どんどん重要な仕事を任せていくという文化があるので、大きな会社では得られない多くの成長機会が常に転がっています。
どの会社に入るかではなく、どういう環境に身を置くか。
特に、AIが産業構造そのものを変えつつある今、このAI時代に即し圧倒的な成長ができる環境に身を置くことが、新卒社員のキャリアを決定づけると思っています。
先日、代表の角田がnoteで公開した「AIエージェント後の世界とキャリア」には、以下のように書かれていました。
ー 敗れた企業と勝者となった企業のいずれに所属しているかによって従業員の命運はわかれる ー
厳しいメッセージですが、このAI時代における市場競争の激化が、従業員個人にもたらすインパクトは計り知れません。この変革期に、ただ流されるのではなく、自ら成長を掴み取りたいと願う尖った新卒の皆さんとの出会いを心待ちにしています。
新卒採用に先行して、長期インターンシップも実施しています。インターン生の皆さんには、一緒に仕事をするというリアルな実務に取り組んでいただき、実践的な経験を積んでいただけます。
AI時代を共に戦い、会社をぶち壊してくれる新卒エンジニアお待ちしています!