
こんにちは。estieでプロダクトマネージャー(PM)をしている三橋です。
estieに入社して、まもなく2年になりますが、いまだに毎日ワクワクしながら仕事に取り組んでいます。今日は、先日の上半期評価フィードバックを振り返る中で気づいた、自分の強みについて書いてみようと思います。(弱みはひとまず棚に上げます!)
正直に言うと、この強みについては評価で指摘されるまで自覚していませんでした。自分にとっては無意識にやっていることだったのですが、第三者に言われて改めて認識できたのです。この記事が、PMとしての自身の強みを探したり、仕事の型を確立していく際のヒントになれば嬉しいです。
評価フィードバックの内容
先日の上半期評価フィードバックで、評価者からこんなコメントをもらいました。
「プロダクト発射角」と「再現性や汎用性の実現」という2点でプロダクトを成功に導いていくのが三橋さんの強みだと思う。
これを僕は、
プロダクトの「たたき(原型)」を言語化し、熱量を持ってフェーズ0の段階で推進することが強み
と解釈しました。まず、こうして強みとして言葉にしてもらえたこと自体が、とても新鮮な体験でした。
というのも、僕自身はただ「思いついたことを忘れないうちに言語化して、とりあえず話を聞いてくれそうな人に壁打ちして、反応が良ければフィードバックを取り込み、少しずつ形を整えていく」という、ただただ楽しいことの繰り返しをしているだけの感覚だからです。
ある意味では周囲にめちゃくちゃ依存していて、結果的に応援してくれる人が現れて「じゃあやってみるか!いけそう!」と背中を押されて動いていくことが多いのですが、基本的に自分一人では何もできず、「周りに助けられて何とか形になっている」というのが実態です。
正直、「これって強みなんだ」と言われるまで意識していませんでした。でも改めて振り返ると、粗くてもまず「たたき」を出すことで物事が動き出す瞬間が、確かにたくさんあったなと感じます。そこで今回は、なぜ「たたき」が重要なのか?をPM視点で言語化してみようと思います。
PMにとっての「たたき」とは何か?
僕が考えるPMとしての「たたき」とは、完璧な答えでもなければ、完成された方向性でもありません。周囲との議論を始めるための「雑な原型」です。
PMの仕事は、「まだ誰も答えを持っていない問い」に向き合う場面が多いと思います。そんなときに「正解を見つけるまで黙っている」と、プロダクト開発はいつまで経っても動き出しません。そこで必要なのが「たたき」です。
ラフなスケッチでも、ざっくりしたワイヤーでも、数行のメモでもいいです。「まずはこれが自分の仮説です」と形にして誰かに提示すること。それがPMにとっての「たたき」だと僕は思っています。
完成度は20%で十分で、間違っていても全然構いません。むしろ間違っていた方が、「いや、それは違う」「こうした方がいい」といった反応を引き出せて、結果的に精度が上がることが多いです。つまり、たたきは正しさではなく、議論を生むための燃料なんです。
例えば半年前、とあるプロダクト?機能?のたたきをCTOの岩成に投げたことがありました。そのとき僕が用意したのは、根拠も数字もなく、ただ「こういうことをしたい!」という思いだけを書き連ねた雑なパワポ資料のみでした。でもそれをきっかけに、「実は自分もこういうことをやりたいと思っていた」「似ているから一緒にやろう」という流れが生まれ部署やミッションを跨いだプロジェクトに昇華し、今は別のメンバーが本格的に形にしてくれています。
この経験からも、たたきは雑でもいいと改めて感じます。大事なのは、最初の火種をおくこと。そこからチームが反応し、動き始めるんです。
なぜ、PMはたたきを出すことが重要なのか?
「たたき」を出すこと自体はシンプルですが、実はPMにとってすごく大事な行為だと思っています。その理由は大きく3つです。
最初の一声をあげるには勇気がいる
何事でも「第一声」をあげるのは意外と勇気が要ります。特にPMの仕事は答えが決まっていないので、「間違っているかも」「なぜ?なぜ?と問い詰められたら答えられないかも」と思うと口を閉ざしたくなることもあります。でも、最初に声をあげる人がいないと議論は始まりません。たたきを出すことは、その勇気ある第一声なのです。
プロダクト開発は、やってみないとわからない
机上でいくら議論しても、実際に手を動かさないと見えてこないことが山ほどあります。だからこそ「最初のたたき台」があると、試行錯誤が一気に始められます。たたきは「やってみないとわからない」を早く経験するための最初の第一歩です。
一人で思いつけることは限られている
結局、一人の頭の中で出てくるアイデアなんてたかが知れています。だからこそ、とにかく早く議論の土俵に乗せることが大事です。たたきがあることで、他の人の知見や視点が重なっていき、「自分一人では絶対にたどり着けなかった形」に進化していきます。
つまり、PMが「たたき」を出すことは、議論のきっかけをつくり、学びを早め、チームの力を引き出すためのシンプルで強力な行動の一つ、だと思うのです。
estieで働くPMを取り巻く環境
ここで、estieのPMを取り巻く環境についても触れておきたいと思います。
以前のブログでも紹介しましたが、estieで活躍しているPMのタイプは本当に様々です。さらに、estieは複数のプロダクトを同時に展開する「Whole Product」戦略をとっているため、個々のPMが担う責任や裁量は非常に大きく、日常的に自主性が尊重される環境だと感じています。
日常業務では、それぞれが自分の領域に向き合い続けています。その一方で、月に一度のPM学習共有会や、半年に一度のビジョンプレゼンテーションの場で、PM同士が議論を深める機会も設けられています。
こうした状況なので、日々の業務でPM同士が密に関わる機会は正直多くはありません。ただ、それを差し引いてもestieは非常に「壁打ち」がしやすい環境だと思います。
例えば、カフェやおやつの補助制度である「よもやま」を通じて、普段は接点の少ないメンバーとも気軽に話せる場が用意されています。横の部署のメンバーやその上司など、直接のラインにいない人とも気軽に会話できるのは大きな特徴です。
実際に僕自身も、この1年ほどは隔週で横の部署の事業責任者と壁打ちをさせてもらったり、他のPMと「よもやま」を通じて対話したりしながら、多くの示唆を得ることができました。
こうした環境を通じて磨かれるのは、まさに「たたきを出してブラッシュアップする力」です。速さに偏ってしまう人も、正確さに寄りすぎてしまう人も、仲間とのやり取りを通じてバランスを取る経験を積むことができます。だからこそ、estieで活躍できるPMは、状況に応じて速さと正確さを柔軟に切り替えられる人、そして自分ひとりで完結させるのではなく、仲間を巻き込みながら物事を前に進められる人だと考えています。
どうやってたたきを出し、ブラッシュアップし続けるのか?
ここまで「たたき」の意味や価値、estieのPMの環境について書いてきましたが、じゃあ実際どうやって出して、どうやって磨いていくのかというと、僕が意識しているポイントはシンプルに3つです。
常に顧客の声に触れて感性を磨く
「たたき」は机上の空論になりがちです。だからこそ、一次情報、つまり顧客の声を直接聞くことを大事にしています。顧客と会話していると、言葉にされない違和感や感情に触れられて、「あ、これが今解くべき課題なんだ」と気づけることが多いです。たたきの種は、結局ここから生まれ、それが自分の仮説の燃料になることが多いと思っています。
自分がいいと思ったことに率直に向き合う
顧客の声を拾うのは大事ですが、それだけだと「迎合」になってしまいます。自分自身がいいと思えるかどうかにも素直に向き合うことは、何よりも重要です。自分がワクワクできないたたきは、どうしても熱量が乗らないので、周囲のメンバーにも響きません。逆に「これは絶対いい!」と自分が思えるたたきは、荒削りでも人を巻き込みやすいと思います。
批判ではなく応援してくれそうな人と壁打ちする
たたきは20%の完成度でいいので、当然ツッコミどころだらけです。そんな状態で、最初から批判的な人に出すと心が折れ、その仮説は没としてお蔵入りになります。なので最初は、批判よりも応援してくれるタイプの人に壁打ちするようにしています。応援してくれる人と話すと「ここはいいね」「ここはこうしたらもっと良くなるよ」と前向きなフィードバックをもらえて、たたきを磨き続けるモチベーションが保てます。
まとめると、顧客の声で種を見つけ、自分の直感で熱量を込め、仲間の応援で磨き上げる。これが僕なりのたたきを出し、ブラッシュアップし続ける方法です。
まとめ
振り返ってみると、僕はこれまでずっと「完璧じゃなくても、まずはたたきを出す」ことでプロダクトやプロジェクトを動かしてきた気がします(正確性を犠牲にしている分、周囲に負担をかけているところもあると思いますが、それは今日はひとまずおいておきます)。
たたきは雑でいい。間違っていてもいい。大事なのは、たたきがあることで議論が始まり、チームが動き出し、気づけば自分ひとりでは到底たどり着けなかった景色に到達できることです。
もちろん僕自身、たたきを出した後の緻密な仕上げは正直苦手です。でも、そのような弱みを仲間が補い合い、チームとして進化させていけるのがPMという仕事の面白さでもあると感じています。
この記事が、まだ自分の仕事の型が定まりきっていないジュニア〜ミドルPMの方にとって、少しでもヒントになれば嬉しいです。そしてぜひ、勇気を出して「たたき」を最速で出してみてください。そこから、きっと物事が動き始めるはずです。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を読んだ方で、「実際にどんな雰囲気で働いているのか気になる!詳しく話を聞きたい!」という方は、ぜひ一度カジュアルにお話しましょう!!