Microsoft Copilot Studio で MCP(モデルコンテキストプロトコル) が使える!

こんにちは、オルターブースの中島です。

今年の夏もとても暑かったですね☀️
私は趣味で農業を手伝っていますが、7月~8月お盆までが梨の収穫時期でした。今年も汗だくになりながら梨の収穫を頑張りました🍐
梨は無事に終わったので、次はお米の収穫になります!🌾

Copiolt Studio もだいぶ変わりました

早速本題に入りたいと思います。
以前Copilot Studioに名前が変わった頃に一度ブログを書きました。
なんと約2年前になります…!!

aadojo.alterbooth.com

この頃とUIも機能も大きく刷新され変わっています。
Copilot Studio についての書籍やブログは読むようにしているのですが、先月出た本でも次の月にはUIが変わっていて、同じように操作しようとしてもできないことが多々あります。なかなか追いつくことが難しいのが現状です。
ただ、基本的な機能は変わりません。
エージェントを作成してリソースを設定したり、トピックを作成することは今まで変わっていないのです。
まだ Copilot Studio を触ったことがない方は基本的な操作や方法だけでも見てみてください!

今話題の MCP とは

MCP とは Model Context Protocol と言って、 AI と外部のデータやサービスをつなぐための共通ルール(プロトコル)のことです。
様々なサービスやデータソースとつながるにはそれぞれの方法・やり方がありますが、それぞれの方法ではなく、共通ルールとしてつなぐのが MCP だと思っています。
MCP は2024年に Anthropic 社が発表したものなので、とても新しい技術です。Copilot Studio では2025年8月に Microsoft 公式ドキュメントに MCP のカタログが公開されました✨
先日なんでもCopilot というコミュニティの勉強会に参加し、 Copilot Stuido で MCP が使えることを知ったのでさっそく MCP を使ってみました!

Copilot Studio で MCP を使ったエージェントを作成する

今回のデモでは、営業活動をサポートするエージェントを作成してみました。
営業担当者が日々扱う「取引先」や「商談」に関する情報を、自然言語で簡単に確認できるようにすることが目的です。「取引先」や「商談」は Microsoft Dataverse にテーブル(データ)があるので、 Microsfot Dataverse MCP を使用します。

①まずは Copilot Studio を開いて左側のメニューで作成をクリックして、エージェントの作成に入ります

Copilot Studio-エージェント作成

②エージェント構築画面がでますので、ここで作りたいエージェントについて説明する場合は説明タブのままで作成します。構成タブでは名前や説明、指示、ナレッジを登録できる画面になります。
ここでは説明タブでどんなエージェントを作りたいのか書きます。
こういうエージェントを作りたいと記入すると、名前を提案してくれてどんな機能を持つかを具体的に提案してくれます。自分で名前を提示しても大丈夫です。
おおまかにで大丈夫ですので、説明ができたら右上の作成をクリックします。

Copilot Studio エージェント作成-説明

少し待つと、エージェントが作成されます

Copilot Studio エージェント作成

③ここで、MCPを追加します
概要タブにツールという設定があります。ここで「+ツールを追加する」をクリックします。

Copilot Studio ツールにMCPの追加

ツールの一覧がでてきます。ここにはコネクタやフローも選択肢にでてきますが、今回は MCP を追加したいので、「モデルコンテキストプロトコル」をクリックし、「Dataverse MCP Server」を選択、そして「エージェントに追加する」をクリックします。

Copilot Studio- Dataverse MCPを追加

  

④ここで全体的にエージェントの設定を見直します
指示に私が指定した内容ではない指示が入っていますので、調整しました。
また、ナレッジは設定せずに MCP のみ使用するので、ナレッジに何もないことも確認しました。

Copilot Studio 設定の確認

⑤エージェントのテストをしてみましょう!
ここでうまくデータを返してくれるか、テストしてみます。テストは右側にエージェントをテストするという画面があります。
もし表示されていない場合はCopilot Studio の右上にテストと書かれたアイコンがありますので、テストアイコンをクリックしてください。

Copilot Studio-テスト①

1つはうまくいきましたが、もう1つの質問は Microsoft Dataverse から取得されたデータでの回答ではありませんでした。質問の言い方(プロンプト)を変更すると Dataverse の内容から答え作られて返ってきました。

Copilot Studio-テスト②

⑥指示をもう少し詳しく記載します
先ほど Dataverse から取得されたデータではない回答がありました。これは エージェントがよしなにWeb上のデータから作成したデータです。
このエージェントでは Dataverse のデータをもとに回答してほしいので、指示を変更して再度確認してみることにします。
指示に「取引先」という言葉の質問が入力された場合は、Dataverse MCPで取引先テーブル(テーブルスキーマ名を記載)を取得して回答を作成してください。という文章と、Dataverseの列の定義を入力しました。

Copilot Studio-指示の修正

⑦もう一度テストをしてみます
指示を修正したので、もう一度テストをして確認します。
今回は期待した通りにDataverseの情報から答えが返されました。

Copilot Studio-テスト③

所感とエージェントの注意点

MCP という共通ルール(プロトコル)がとても便利ということは、試してみた方は実感できると思います。
今まではどの文言で質問がきたら、どのテーブルのこの列のデータを取得して変数に入れて…というのをすべてアクションで登録する必要がありました。
この工程がほとんどなくなり、MCPをツールに設定するだけで自然言語でデータの参照・取得などができます。
MCP が実装されてからエージェントの作成するための開発時間がとても短くなりました✨一年前からは考えられないほど進化しています!

MCPを使用したエージェント作成の際に重要なポイントがあります。
①Copilot Studioでデータソースに関する指示を記載する
AIは非常に賢くなってきていますが、どのテーブルのどの列に必要なデータがあるかまでは自動で判断できません。とくに、標準ではないカスタムテーブル(オブジェクト)の場合、AIはその構造や仕様を理解していないことが多く、正確な回答を導くことが難しくなります。

そのため、Copilot StudioでAIに質問する際には、以下のような明確な指示を与えることが重要です:
どのテーブル(オブジェクト)を参照するか
どの列(フィールド)からデータを取得するか
これらを明記することで、AIはより正確に意図を理解し、期待する回答を返してくれるようになります。

②MCP設定における「使用する資格情報」
Copilot Studio で MCP(接続参照)の設定には、「使用する資格情報」という項目があり、「エンドユーザーの資格情報」と「作成者が提供した資格情報」の二つの選択肢があります。
ここではデフォルトで「エンドユーザーの資格情報」になっていますが、必要に応じて「作成者が提供した資格情報」に変更することも可能です。
それぞれの設定の違い:
エンドユーザーの資格情報:接続は利用者本人のサインイン情報で行われます。例 ユーザーごとのアクセス権で実行したい
作成者が提供した資格情報:接続は作成者のサインイン情報で行われます。例 ユーザー全員が同じアクセス権(所有者のアクセス権)で実行したい場合
この設定で一番注意すべき点は、「作成者が提供した資格情報」を選択した場合、本来アクセスできないはずの情報にアクセスできてしまうというリスクが発生します。意図しないデータが見えてしまうことがありますので、設定前に十分検討し設定してください。

Copilot Studio-使用する資格情報

最後に

Copilot Studio を使ってエージェント作成している中で、ずっと「なぜエンドユーザーが所有者の権限で共有された MCP を使えないんだろう?」と悩んでいました。
ふと「なんでもCopilot」というコミュニティの勉強会でこの悩みをつぶやいたところ、コミュニティの主催者・登壇者の方々が「 MCP 設定には使用する資格情報という項目があるよ」と教えてくださったのです✨
私はその設定があることも知らずに見落としていたので、目から鱗でした。なんでもCopilot の主催者・登壇者の方々、本当にありがとうございました🙇‍♀️🩷

Copilot Studioは続々と機能が発表され、プレビューになっています。気になる機能がたくさんでているので、試しに作って見ていますがとても面白いです!✨
つい先日 M365 Copilot の Agent Builder も Copilot Studio Lite になりましたので、こちらも内容を確認しています。
これから試してみようと思っている新しい機能はこちらです👇

約半年前にデモを見て気になっていた「コンピューターユース」
learn.microsoft.com

つい最近(Copilot によると9月3日)一般ユーザー向けにプレビュー公開された「コードインタープリンター」

learn.microsoft.com

コードインタープリンターは一度試してみましたが、エラーがでて思った通りに結果が出ませんでした…。今後まだまだ検証して、コードインタープリンターを使いこなせるように勉強します💪

ぜひみなさんも Copilot Studio の最新情報を見てみてください!👀


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