AIYIMA S400はPC用アクティブスピーカーの新たな定番となりうる

ブラックフライデーで以前からチェックしていたアクティブスピーカーのAIYIMA S400の白モデルが20%OFFになっていたので買ってみた。AIYIMAは中国のオーディオメーカーで「アイイマ」と読む。日本のAmazonではアンプを中心に販売しており、評判はそこそこ良かった。アクティブスピーカーは最近出したようで、小型のS400と大型のS600がラインナップされている。アンプで実績があり、Amazonページのレビューや、少ないながらもブログのレビューでも高評価だったので気になっていたのだ。
そこそこ音が良ければいいとあまり期待していなかったのが、鳴らしてみて驚いた。予想以上に音が良いのだ。安価なスピーカーといえば、高音がこもり気味で低音が割れやすいのだが、高音は非常にクリアで女性ボーカル曲がよく聴けるし、低音もサイズなみにしっかり出る。スピーカーだから当然なのだが、音の広がりが良く、空間表現能力も高い。
最近は、PC用のアクティブスピーカーでお勧めを聴かれたら、サイズが小さくて取り回しが良く、音質が良いEdifier M60が無難な選択だと思っていた。YouTubeのレビューではもうすっかり定番だし、Amazonのレビューでの評価も高く、常に売上ランキング上位にいる。盤石の地位を築いたかと思っていたが、まさか1万円の価格帯でそれを覆す伏兵が登場するとは思わなかった。今なら、12/4まで黒モデルに20%OFFクーポンが出ていて、8,799円で購入できる。
最近はすっかりイヤホンを多用しているが、もともとスピーカー派の人間なので、スピーカーで音楽を楽しむ人が増えて欲しいと思っていた。しかし、アンプの必要なパッシブスピーカーでオーディオを構成しようとすると、どうしても数万円かかってしまうし、接続も面倒だ。
なので、PCとUSB接続できるアクティブスピーカーで良いのがあればと思っていたが、AIYIMA S400は自信を持って勧められるスピーカーだ。もし、AIYIMA S400の音質が悪いと思うほど、耳が良い人なら、4万円出して、ADAM AUDIO D3Vを買って欲しい。サイズを超える低音が出る良いスピーカーである。
雑に設置しても音が良かった
最初うまく置ける場所がなかったのでプラケースの上に置くという非常に劣悪な環境に設置したのだが、そんな環境でも低音がびびったり割れたりするようなことはなくて驚いた。スピーカーは通常、設置環境にかなり音質が左右されるのだが、このS400は小型ながら箱鳴り感や不要な振動が少ないようで、扱いやすい印象だ。
距離を離して、スピーカーをなるべく耳に近い高さに設置するだけで、空間の広がりを感じる音が出てくれた。結構な音量に上げても音が割れることはないのもすごい。その後、振動しないような場所に設置した。
ただ、RCA入力だと低音が割れてしまったので、以後の試聴はUSB接続で行った。
高音が綺麗でアコースティックな楽曲がよく聴ける
このスピーカーの音質で特筆すべきは高音のクリアさだろう。エンヤやルルティア、新居昭乃、菅野よう子、志方あきこ、梶浦由記といったミュージシャンの楽曲は、透明感のある歌声と空間の広がりが非常に良く、アコースティックギターなど楽器の響きも気持ち良い。
また最近高音の表現のベンチマークとして、米津玄師『IRIS OUT』の45秒から(歌詞でいうと“一体どうしようこの想いを”から)女性ボーカルが重なっている部分をチェックするのだが、しっかり女性ボーカルが重なっているのがわかる。分離感がしっかりしていて、小型スピーカーにありがちな“高音が団子になる”感じが少ない。
低音も出る
米津玄師『IRIS OUT』など最近の邦楽は低音がかなり使われるが、そうした楽曲でも、低音を弱く感じないぐらいには低音が出る。サイズを考えると健闘しており、存在感のあるバスドラや重心の低いシンセベースも十分に楽しめる。ビリー・アイリッシュのようなウィスパーボイスと重低音をしっかり聴かせる表現力がある。
もっと低音を出したい人は背面で低音の調整を強くすることもできるし、サブウーファー出力もあるので、サブウーファーを繋げることもできる。拡張性があるのはこの価格帯ではありがたい。
空間の広がりがすばらしい
先に挙げたようなエンヤや新居昭乃のような空間が広がる楽曲はスピーカーで聴くのに最適だ。小型スピーカーにもかかわらず、左右の広がりが自然で、リバーブの余韻や空気感の再現力が高い。
『ジークアクス』や『ひゃくえむ。』『怪獣8号』『閃光のハサウェイ』など、最近はクオリティの高いアニメのサントラが多いが、サントラは空間の広がりを多用しているので、スピーカーで聴くのが楽しい。
空間の広がりが重要なライブ音源もよく聴けるので、YouTubeのライブ映像を見るのが楽しくなることだろう。
映像作品の声が聴きやすい
映像作品を見るとセリフが聞き取りやすい。中音域が過度に凹んでいないので、人の声のニュアンスが潰れない。PC用スピーカーはボーカルやセリフが聴き取りにくくなるモデルも多いが、S400はその点が優秀だ。
映像作品で重要な低音と空間の広がりがあり、爆発音などアクション作品の迫力も十分。PCで映像配信サービスをよく見る人にもお勧めである。
サイズは割と小型
幅135mm / 奥行137mm / 高さ198mmと幅は少々あるが、机の上に置いても圧迫感があるほどではない。スピーカースタンドを使わなくても、PCモニターの左右にすっと収まるサイズで、デスク環境の工夫もしやすい。
USB DAC内蔵なのでPCやスマホとデジタル接続できる
USB DACはCD音質の16bit / 44.1KHzなのでハイレゾ対応でないのだが、PCと繋げてAmazon Musicのハイレゾ音源を再生してみても充分な高音質が得られた。DACだけでなく、アンプの性能がしっかりしているからか、解像感が損なわれた印象もない。
ただ、接続がType-Aなので、両端がType-Aというあまりないケーブルか、Type-AとType-Cの変換コネクタが必要になる。
スマホとも接続できるが、スマホの方が普通のケーブルで接続できるので面倒がないかもしれない。
ハイレゾで聴くためにRCA入力にZEN DACを繋げて試してみたのだが、なぜか低音が割れてしまった。もしかするとRCA入力の音質は良くないかもしれないが、個体の問題の可能性もある。
USB DACの音質から見て、おそらくUAC 1.0なのでPS5のようなゲーム機と繋げることも可能だと思われる。
安価な製品だが入力が多彩で多機能
RCA入力はもちろん、USB DAC / Bluetooth / 光デジタル入力と入力が多彩だ。
BluetoothのCODECはSBCのみだが、空間の広がりが少し悪くなったなと感じるものの、思ったほど音質は悪くない。なので、スマホしか持ってないがスピーカーで音楽を聴きたいという用途でも充分使える。Bluetoothの接続音は中華系オーディオだと爆音のものが多いが、それほど大きくないので安心して欲しい。
光デジタル入力はテレビと接続する時に便利だが、音量調整ができない不便さがある。テレビの高音質化でネックになりやすいのは、音量調整できるのがHDMI ARC接続できるアンプだけという点だったのだが、テレビとBluetooth接続すれば、電源連動はできないものの音量調整はテレビのリモコンでできて便利だ。
サブウーファー出力があるので、質の高い低音が欲しい人はサブウーファーを接続できる。PC環境でもホームシアター的な構成に近づけられる。


リモコンが付属
アクティブスピーカーでは珍しくリモコンが付属している。操作は背面に集中しているので、リモコンで操作できるのは便利だ。音量調整はもちろん、入力切り替えができる。
Bluetooth接続時、リモコンで音楽の再生・停止・曲送り・曲戻しができるというのは面白い。机に置いたままのスマホを触らなくていいので、ちょっとした操作が楽になる。
音質の調整が可能
背面に高音と低音を調整できるボリュームがある。低音が物足りない人は低音を持ち上げることもできるし、逆に夜間で音を抑えたいときは弱めにもできる。環境に合わせて調整できるのは便利だ。
難点
USB入力の接続がなぜかType-Aのせいでケーブルを選ぶ。Type-Cだったらベストだったのだが。
それとRCA入力で音が割れてしまったのだが、他の人のレビューでは見かけなかったので個体の問題かもしれない。
1万円前後で本格的な音質のオールインワンのアクティブスピーカーが手に入る
以前PC用スピーカーの選び方の記事を書いたのだが、1万円前後の価格帯だとセールで11,000円台になるEdifier MR3ぐらいしか選択肢がなかったところに良い選択肢が出てきた。Edifier MR3やMR4はUSB DAC機能はないため、音質の悪いPCのイヤホン出力を使うことになってしまう。音質を求めるのなら、別途USB DACを用意する必要があり、RCA出力のあるDACはそれなりの価格なので、結局必要な予算が上がってしまう。
音楽はもちろん、映像作品を見るのにも向いており、PC用スピーカーで重要なサイズも、超小型ではないものの小型の部類に入る。
スピーカーの音質を求めると、どうしても数万円の予算が必要だと思っていたが、1万円という手頃な予算ながらも、初めて「ちゃんとした音」で聴きたい人に勧められるし、オーディオ好きのPCデスク用のセカンドスピーカーとしても十分な実力がある。

