JaSST’25 Niigata スポンサーセッション エンジニアとUXコンサルタントが語る、UXを磨くうえでのポイントこぼれ話。|SHIFT Group 技術ブログ

こんにちは。CATエヴァンジェリスト・石井優でございます。

(情報)統合型ソフトウェアテスト管理ツール「CAT」について
現在SHIFTが提供するCATとは、テストの実行管理に主眼を置いた正式名称「CAT TCM(Test Cycle Management)」という製品を指します。ケースと実行結果・エビデンスの管理、およびプロジェクトの進捗管理や品質分析を担うツールです。詳しいご紹介はぜひ製品HPをご確認ください。

ソフトウェアテストシンポジウムであるJaSSTの新潟地区「JaSST’25 Niigata」が2025/9/12(金)に開催されました。

今回はJaSST’25 Niigataのスポンサーセッションで私が話した内容について、こぼれ話をお話ししようと思います。

講演の詳しい内容は別途弊社の記事として公開しているものをご確認ください。

どんな内容を盛り込むか


今回の講演内容を考えるうえで、JaSSTのテーマであるUXにからめてどんな話をしようかと考えました。

ふと思い浮かんだのは2点。

  • ちょうど新規プロダクトのUI・UX改善をやっていた開発メンバーの着眼点を深堀りする

  • TDのデザイン改善における紆余曲折を紹介する

スポンサーセッションは5分、長さ的にどちらか選ぶ必要があったため前者のみとしました。

後者、TDのデザイン改善における紆余曲折は、ブログ記事としてこちらに挙げています。これも面白い話と思いますので、ぜひ見てみてください。

構成


今回、次の2部で構成しました。5分の発表なのにモリモリ!

  • 弊社、私と同じグループの開発エンジニア輿石にUX/UI改善のポイントについてヒアリングした内容

  • その内容をもとに弊社のUXコンサルタント兼デザイナーである奥田に相談して「実際どうなの?」をヒアリングした内容

(スライド)輿石・奥田の経歴

輿石は普段同じグループで自社プロダクトの開発を担当。普段話す機会が多く、その中で、UX/UIの構築がうまいなぁと感じるメンバーです。個人でのプロダクト開発も手掛けていることも、その技量を磨く要素になっていると思います。そんな彼にぜひコツを聞きたいと思いました。

奥田は弊社のUX支援サービスを提供しているメンバーです。デザイナーでありコンサルタント。今回のJaSSTではUXがテーマであり、「ぜひ何か力になれないか?」とコンタクトいただいたのがきっかけで知り合いました。コンテンツについて話していくと、やはりプロ!的確な指摘や奥田自身の鋭い視点に「そうだな」と思わされることばかり。もしお客様として相談するときは素直に頼みたいなと思える、幅広い知識に圧倒されました。

今回この2人と話していて面白かったなという点を、少し詳しく2つ書いていきます。

UX/UIをよくするための、いまの取り組みは?(輿石への質問)


エンジニア歴6年の輿石。書籍『オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理』(ソシオメディア株式会社 (著), 上野 学 (著, 監修), 藤井 幸多 (著))をお手本とし、さまざまなプロダクトに向き合ってきたという彼。

そんな輿石に「いま、チームでUX/UIの改善に向き合うために取り組んでいることは?」と聞きました。

すると、「週1で弊社のデザイナーに相談している」との答え。

(スライド)今のUX/UI改善の取り組み

なんとも贅沢な!週1で相談するって、リソース的にどのチームもできるわけではないですよね……。

それはさておき、ふと考えてみます。自分が週1の相談の機会をもらったからといって、うまく相談できるだろうか。

私はもともと相談下手です。プロ!という人が目の前にいても「え、相談したいことがあまりよくわかりません……」となるタイプ。相談するためには、それまでにどういうアプローチで考えて、何が問題なのか、自分で答えが出せなかったのは何かをしっかり分析する必要があると思うんですね。

それってすごく高度なことだと思うのです。その点、「どうやって相談しているの?」と。

「もっと良い表現はあるはず」という点に気づく。細かく言語化はできないが、イケてないことは確信はある部分について質問をしている。

そうすると自分では想像できなかった表現についてアドバイスをもらい、うまくいったこともあった。

と言っていました。

また、次のようなことも言っていました。

  • UIを検証するために、一旦モックでも実装でも触れる状態にする。

  • いままで書いた全部を捨ててもよいと思いつくっている。

  • パーツ単位で設計・実装して、変えやすく・捨てやすくしている。

  • 逆にアーキテクチャの制約が大きく、つくっても壊せない環境もある。それはやりにくい。

もっとよい表現を追求するためには、そのアクションを前提とした実装の仕方をしていく必要があるということですね。

また輿石はチームのコミュニケーションにも言及しています。

  • 「モヤっとしたなぁ」はチームでも共有できるようにする。

  • チーム内でも「これは動くけどなんか気持ち悪いね」と言えるような空気づくりをしておく。

  • そうすると、その「気持ち悪さ」を言語化できる人が増える。

エンジニアは自分がつくったものに対してNOというのがむずかしいのではないかと私は思います。

それに対して、「うーん、イケてないなぁ。もっとよい表現はないかなぁ」と感じ、ブラッシュアップできる構えを個人・チーム両方で整えておくのがよいと捉えました。

UXとAIは相性が悪いのでは(奥田への質問)


上記の通り輿石にポイントを聞いたものの、デザイナーに週1で相談するってのはなかなかむずかしいのでは。ではいま流行りの生成AIを相談相手として使えないかと考えました。

あらゆる知識に応えてくれる生成AI。バーチャルな相談相手とすれば、コストがかけられないチームでも頼りになれるのでは?と。

(スライド)生成AIに対する奥田の見解

奥田はこう言っていました。

試してみたところ、UXについてAIはまだあまり確かなことを返してくれず、頼るのは危ういと思う。理由は次の通り。

1. 誤った知識を返してくる率が非常に高い


UXという分野において体系的な知識が世の中に多くなく、曖昧な情報を学習しているのでは?とのこと。

2. 忖度するためクリティカルシンキングにならない


生成AIはユーザーに寄り添って過剰に忖度した答えを返してきます。例えば「ここの画面構成についてつくってみたがどう?」という趣旨で聞くと「よいですね。」といった回答が返ってくる。

本来は懸念点とかユーザーの心理を考慮したうえでイケてない部分を指摘してほしいが、そうなってくれない。AIが忖度するため、クリティカルシンキングにならない。そのうえ、それを指摘すると、1の通りのらりくらりと誤った答えを返して堂々巡りになる。

現時点では、人の情動のロジックが科学的に解明されていないためAIでは再現しづらく、人の心の動きを捉えてそれに対して議論するといった認知心理学の領域は、生成AIによるフォローは難しいと捉えている。

とのことです。UXの分野についてプロである奥田の意見は恐らく的確なのかなと感じました。

このUIを見たときに人はどう感じ、どう動くか?というところまではシミュレートできておらず、渡された画面などから連想される答えが端的に返答されるだけ。そうすると過去に体系化されたUX(典型的なダークパターンなど)であれば、その知見をもとに返されることはあると思います。しかし、上記の1の通り体系的な知識が世の中にないというのであれば、正しい答えにならないというのももっともな見解です。

(宣伝)奥田のUXコンサルティングサービスもぜひ!


上記の奥田の部署で提供しているUXコンサルティングサービスの資料も掲載します。プロダクトのUXについてなんとかしたい!モヤッとする!ということがあればぜひお問合せください。

(スライド)UX/UIコンサルティングサービスの提案

いかがでしたか? エンジニアとUXコンサルタントの両名の意見を紹介しました。どちらも実践と彼らの知見に基づいた話であり、私はとても参考になると感じました。何かのお役に立てれば幸いです。

もし両名や私にご質問・ご相談があれば、ぜひ次のお問い合わせフォームからご連絡ください。

CAT お問い合わせフォーム

ではでは!


(宣伝)私の担当するテスト管理ツールのCATもよろしくお願いします!
公式HP


執筆者プロフィール:石井 優
倉庫事業企業のシステム部門にて、基幹システムの開発・保守・導入および大規模基幹システム移行への参画を経験し、2015年SHIFTへ入社。CATエバンジェリストとして、ツールだけでなくプロジェクト管理プロセスに関する紹介や提案など幅広く活動中。CATやTDのことに興味があればいつでもご連絡ください!

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PHOTO:UnsplashKelly Sikkema


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