ハウテレビジョンでは社内技術共有イベント How Lab. を定期的に開催しています。参加者は開発メンバー中心に、最新技術の理解と実践に取り組んでいます。今月(2025年10月)は「生成AI × 社内データ活用」というテーマで開催しました。その発表の一部を、今回のブログで簡単に開催レポートとしてまとめていこうと思います。弊社がどんなことをやっているのか、少しでも伝われば嬉しいです。
トピックス1: Claude Code Sub Agentで遊ぼう
最近Skillsという新しい機能が登場しましたが、今回は置いておき、Sub Agent機能の活用について(ブログ筆者が)発表しました。エンジニアの中にはまだSub Agentを使ったことがない方もいたので、自分が実際に作って活用しているAgentの例や知見を共有しました。
発表ではまずAgentの作り方を説明し、作成時のポイントを簡単に紹介しました。
自分が重要視しているのは以下の3点です。
- 役割の定義
- タスクと目的
- 行動規範と制約
次に、作成したAgentの使い方について共有しました。
Claude Codeでは、必要なときにAgentが自動で起動するのが便利なポイントですが、意外と呼ばれないこともあります。自動で呼び出されるには、Agentのdescriptionとプロンプト内容が一致する必要があります。例えばコードレビュー用Agentなら、プロンプトで「レビューして」と書く必要があります。「レビューして」と書かないと勝手には起動しません。
また、明示的にAgent名を呼ぶことで確実に起動させることもできます。
さらに、CLAUDE.mdに「修正を行うたびに必ずQA Agentを呼ぶこと」と明記することで、Claude Codeの修正が入るたびにChrome-devtools-mcpを使うAgentが自動で動作確認する、といった運用も可能です。
最後に、他の人が作ったAgentを活用することもできるという話をして、有名どころのAgentをいくつか紹介しました。
今はSkillsを色々試している段階なので、次回はSkillsの共有を社内に展開できればと思っています。
トピックス2: Bedrock + BigQuery接続 ハンズオン
こちらのトピックスでは、データチームが社内データとAIエージェントを組み合わせたプロダクトの実装方法を、簡単な例で学ぶハンズオンを実施しました。
これからAIエージェントを使ったプロダクトやプロジェクトは増えるはずなので、最低でもこれで接続できる!というところまでを体験するのが目的です。
ハンズオンではまず、BigQueryにある社内サンプルデータを使ってBedrockのモデルに接続しました。接続自体は数行のコードで完了し、すぐにモデルからSQLを生成したりデータを取得したりできる体験ができました。
続いて、取得したデータをもとにAIが質問に答えたり、簡単な分析結果を返すデモも実施。「毎週月曜日に、前週のKPIをまとめたレポートを自動生成」というシナリオで、実際にデモを動かしました。
最後にデータチームの今後の展望として
- パターンB(MCP Agent)の実装
- 一時認証への移行
- Slack/メール通知の統合
- ダッシュボード構築
といった話で締め、ハンズオンは終了しました。
普段AWSを触らないエンジニアでもわかるよう、丁寧な手順の資料が用意されており、自身のsandbox環境でも問題なく接続できました。これからAIを使ったプロダクト開発を行う際に必須の知識を、実際に手を動かして体験できたのは非常にありがたかったです。
まとめ
今回のHow Lab.では、生成AIを社内データ活用にどう組み合わせるか、というテーマで2つの共有を通して学びを深めました。
-
Claude Code Sub Agent
自分でAgentを作り活用するポイントや、他の人のAgentを参考にする方法など、実務での使い方を具体的に体験できました。
-
Bedrock + BigQueryハンズオン
社内データにAIエージェントを接続する基本的な方法を体験し、SQL生成やレポート自動化などの実践例を学びました。普段AWSに触れないエンジニアでも安心して取り組める内容でした。
どちらも「実際に手を動かして体験する」ことを重視した内容で、参加者からは「自分たちの業務でも応用できそう」という声が多く聞かれました。
さらに飛び入りで、「GPTのプロンプトエンジニアリング / 開発のためのLLM活用」として最近の動向やニュース共有もあり、社内の知識や経験の幅を広げる場となりました。
ハウテレビジョンではHow Lab.を通じて、別プロダクトのエンジニアとも交流しながら、技術の理解や実践力を着実に広げています。