
タクシーアプリ『GO』のAndroidアプリを開発している山本です。
先日開催されたDroidKaigi 2025に参加してきました。
またGO株式会社はゴールドスポンサーとしてブースと車両を出展させていただきました。
本記事ではイベント当日の様子やブース出展、セッションについて紹介します。
DroidKaigiとは
DroidKaigiは、年に一度開催される、Androidの技術情報の共有とコミュニケーションのためのカンファレンスです。
今年は、9月10日(水)〜12日(金)の3日間、ベルサール渋谷ガーデンで開催されました。
じつは第一回の開催が2015年だったということで、今年で満10年になるみたいです。おめでとうございます!
ブース紹介
今年は2023年以来2年ぶりにブースを出展しました。
来場された方はご存知かもしれませんが、今年はブース以外にも『GOシャトル』の車両も展示していました。

『GOシャトル』とは
せっかくなので『GOシャトル』と車両展示のいきさつについて軽く紹介させてください。
『GOシャトル』は『GO』アプリから注文可能な相乗りサービスです。
乗車の15分前までに予約すると、事前に決められた乗降スポットを相乗り車両に乗って移動することができます。
料金は事前に決まった値段になり、タクシーと比較して5〜6割程度の料金でご利用することができます。
2024年12月から豊洲・勝どきなどのある湾岸エリアで運行を開始し、この度2025年9月1日より渋谷区での運行が始まりました。
そのような時期的な背景もあり、DroidKaigiでは過去にも車両展示が行われていたことから、せっかくなので『GOシャトル』の車両を展示できないかということで、DroidKaigi運営スタッフへご相談し、実現できたものになります。
車両展示
『GOシャトル』車両の展示に際して、まずは車両を確保します。
『GOシャトル』車両はタクシー会社である株式会社ハロートーキョーさんで管理されており、DroidKaigi の開催期間中に車両貸出にご協力いただきました。
次に、社内の関係メンバーと連携して搬入までの準備を行いました。
DroidKaigi会場までの運転はハロートーキョーさんの乗務員さんが行うため、搬入にかかる時間を想定して乗務員さんのシフト調整を行いました。
また、車両搬入時にはガソリンを 10L 未満にする必要があったため、事前に給油を控えていただくようにお願いしました。
乗務員さんから「燃費のよい車両だったため、なかなかガソリンが減らず、規定未満にするのに1週間ほどかかった」というお話を聞きました。
搬入時は、アクセサリーモードでギアをニュートラルにした状態で、大勢のスタッフの方々に手で押していただき、会場中央付近まで車両を運びました。
パワーステアリングが効かないため、ハンドル操作が非常に重たく車両の向きを変えるだけで一苦労でした。
30分ほどで会場中央付近に無事搬入が完了しました。

今回は、どのような空間で相乗りするのか来場者が体験できる『GOシャトル』の車両を展示させていただきました。
運転席にも乗り込むことができ、周辺機器の様子もご覧いただけるようにしました。
多くの来場者に車両に乗り込んでいただき、『GOシャトル』での相乗りサービスについてお話することができ貴重なご意見もいただきました。
『GOシャトル』車両展示に足を運んでくださった来場者のみなさま、ありがとうございました。
また、車両搬入・搬出に協力いただいたスタッフの方々、本件に多大なご協力をいただいたハロートーキョーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
車載器展示
ブースでは、一般のお客様が普段触る機会のない車載機器を展示し、乗務員の皆さんがどのようにオペレーションをしているのか、配車アプリを実現しているシステム連携について、実際に機器を動かしながらご紹介していました。
今回展示していたのは、乗務員が利用する乗務員タブレットという8インチの端末、乗客が利用する後部座席に取り付けられているタブレット端末、そしてタクシーメーター端末です。

そのうち、乗務員タブレットと後部座席のタブレットはAndroid OS + アプリで動いていますが、端末もGOのハードウェアエンジニアで自社開発されたものです。
乗務員タブレットでは、夏の暑さなどの影響でバッテリーが膨張してしまうことに備えて、バッテリーレスで設計していることなど、過去の反省を踏まえた車載機開発ならではの事例を紹介していました。
また、後部座席のタブレットは、今年の夏にリリースされたばかりの最新機器を展示しました。このタブレットは決済機が組み込まれている他、物理ボタンのない全面ディスプレイとなっています。
https://goinc.jp/news/pr/2025/07/28/6mysxssevdbymvag6umsrh
一般参加レポート
今年のDroidKaigiも、去年と同様に1日目にWorkshop Day、2日目と3日目はConference Dayとして開催されました。
ここからは、一般参加をメインとした内容でお送りします。
Workshop Day
Building cross-platform apps in Kotlin with Compose Multiplatform
前年に引き続き、JetBrains社のSebastian AignerさんとMárton Braunさんによるワークショップが開催されました。
ハンズオン形式でKotlin Multiplatformの共通コードとプラットフォームごとの実装について理解を深め、実際に1つのコードベースからAndroid, iOS, Web(Web Assembly), Desktop(JVM)で動作するマルチプラットフォーム開発の知見を得ることができました。
Compose MultiplatformによるUI実装として、共通コードでのテキストや画像のリソース管理やViewModelによる状態管理、Navigationによる画面遷移を実装することができます。
DIライブラリもAndroid開発で馴染みのあるDaggerのサポートが予定されているなど、Kotlinによるマルチプラットフォーム開発の可能性と勢いを感じました。
またDesktop(JVM)環境のみに限られますがComposeでHot Reloadが実現されていることが衝撃的でした。
Conference Day
2日間で合計47つのセッションが発表されました。その中からメンバーが気になったセッションを紹介します。
これでもう迷わない!Jetpack Composeの書き方実践ガイド
Jetpack Composeにフォーカスしたプラクティスを紹介しているセッションです。
Jetpack ComposeがAndroidアプリのUI実装の主流となったが、いざ実装を進めて微妙に迷う点(Unit以外を返すComposable関数の命名規則、引数の順番やデフォルト値の有無、Modifierを引数にとる場合に気をつける点など)について、サンプルコードとあわせて説明されています。
Android Developersで公開されている Jetpack Compose の API ガイドライン の内容がわかりやすく解説されて勉強になりました。
共有と分離 ─ Compose Multiplatform “本番導入” の設計指針
Compose Multiplatformの導入実例について紹介しているセッションです。
Kotlin Multiplatformから一歩進んでUI実装としてCompose Multiplatformを採用した背景と、実際に何を共有(CMPとして実装)して何を分離(プラットフォームごとに実装)したか、分離したコードの実例について網羅的に紹介されています。
実際に9割以上のコードを共有できていることに驚きました。また個人的にはKotlinでマルチプラットフォーム開発ができることに夢を感じました。
Cache Me If You Can
AndroidのビルドシステムであるGradleとAndroid Gradle Pluginについて紹介しているセッションです。
GradleとAndroid Gradle Pluginの中では何がおこなわれているか、何に対してキャッシュされるか(そして何がキャッシュを破壊するか)、そしてキャッシュを考慮したGradleの設定方法や最適化のヒントが紹介されています。
見落としがちなGradleのキャッシュについて知見が深まりました。いまのGradle設定やモジュール依存関係を見直そうと思います。
EncryptedSharedPreferences が deprecated になっちゃった!どうしよう!
AndroidXライブラリが非推奨になった背景とライブラリを使う際に考えるべきことを紹介しているセッションです。
EncryptedSharedPreferencesが非推奨となった背景(Androidの多様性による技術的な理由とセキュリティ上の理由)と移行先の選択肢について、暗号化についての詳しい実装方法、そもそもデータを安全に扱うために考えるべきことについて紹介されています。
多様性を実感するとてもAndroidらしい話だと感じました。また開発者側で何が必要なのかしっかり考え責任をもって実装すべきだと再確認するいい機会になりました。
After Party
Conference Day 1の最後にAfter Partyが開催され、多くのAndroidエンジニアが参加して大盛況でした。
さらに今年はマグロの解体ショーがおこなわれ、目の前で職人が握る新鮮な寿司が最高でした。

おわりに
今年もDroidKaigiでは充実した時間を過ごすことができました。
ブース出展や『GOシャトル』の車両展示を通じて、多くの方と交流できて本当に楽しかったです。
セッションでは新たな知見を得ることができ、知的好奇心が満たされました。
これからもより良いアプリを目指していきたいと思います。
最後に、DroidKaigi 2025に関わったすべての方に感謝を申し上げます。
また来年お会いしましょう! ありがとうございました!
